住宅ローン基礎知識 借り換え
住宅ローンの借換えでは、新たな金融機関で現在の住宅ローン残高を借り入れ、そのお金で現在の借入先に全額繰上返済をします。
繰上返済後は、新しい金融機関への返済が始まります。金融機関によって異なりますが、一般的な借換えの手順は以下のとおりです。
住宅ローンの借換えは、一般的に以下の3つの条件がそろう場合にメリットがあると言われています。
上記の3つの条件を満たす場合は、借換えについて相談する金融機関を検討します。
諸費用の条件などでも、借換えのメリットの大きさは変わります。金利や諸費用の条件が良い金融機関を数行に絞り、窓口で相談します。
多くの金融機関には住宅ローン相談窓口があるので、具体的な説明や試算をしてもらいます。
それらを踏まえて借換えのメリットが大きい金融機関を絞り込んだら、住宅ローンの借換え審査の手続きに進みます。
申込者本人が準備する書類は金融機関によって異なりますが、一般的には以下のようなものが必要です。
役所や不動産会社での手続きが必要な書類もあるので、スケジュールに余裕をもって準備を進めることをおすすめします。
通常すでに保有している書類(ない場合は再発行などを事前に済ませておく)
住宅ローン以外に借り入れているローンがある場合
確定申告をした場合は
団信加入に必要(保険会社によるが、概ね5000万円以上の借入額の場合)
役所で取得する書類(同年1月1日の住所の役所で手続きを行う)
確定申告をして、自分で納付した所得税がある場合(居住地域管轄の税務署にて手続き)
不動産会社から取得する書類(戸建ての場合のみ)
団信加入時に必要な書類(保険会社によるが、借入額が概ね5000万円以上の場合))
借換え先の金融機関が用意する書類(事前審査申込書・個人情報を利用するための同意書」に署名押印します。
金融機関(支店)による事前審査が行われます。年齢・返済負担率・担保評価・勤続年数・健康状態・年収などから、本審査に進むための審査をします。
多くの場合、この段階で借入可能額や条件、諸費用などが確定するので、自分にとってメリットが大きい金融機関に絞って本審査に進みます。
事前審査に通過したら、本審査に申込むためのローン借入申込書(保証委託申込書)に必要事項を記入します。
本審査では、印鑑証明書・所得証明書・住民票などが必要になります。
金融機関の本部と保証会社による審査が行われます。
事前審査に比べて審査基準が厳しくなるため、事前審査に通っていても否決されることがあります。。
本審査に通過したら、現在借入中の金融機関に一括繰上返済をする旨を伝えます。
金融機関の窓口で、必要書類に署名押印する必要があります。
借り換え先の金融機関と、新しい住宅ローンを契約(金銭消費貸借契約)します。
このタイミングで、今後の住宅ローンを返済していく預金口座を開設します。
また、司法書士に同席してもらい、抵当権設定に必要な書類を預けます。
開設した預金口座に、新たな住宅ローンの融資金が入金されます。
融資金が入金されたらすぐに、以下の金額をこれまでの金融機関の指定口座に送金します。
「8」で手続きが済んでいるため、送金された資金で完済の手続きが行われます。
「11」の手続きが完了したら、その日のうちに、これまで設定されていた抵当権を抹消するために必要な資料を旧金融機関の窓口で受け取り、司法書士に提出します。
司法書士は、抵当権抹消書類と「9」で新金融機関と依頼者から預かった書類を持って、登記所で旧抵当権の抹消と新抵当権の設定を同時に行います。
※「10」~「12」については、融資実行日に行われます。
住宅ローンの借り換えを頑張った、達成感を味わえるのがこの日です。
住宅ローンの借換えは、準備する書類がとても多いのですが、書類がすべて用意されるまでは審査に進めません。
また2つの銀行を行ったり来たりするので、最低でも1ヵ月はかかります。
手続きは面倒ですが、それだけメリットも大きいのが住宅ローン借換えです。
※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:清水 みちよ(宅地建物取引士)