住宅ローン基礎知識 借り換え

借り換えの手順

住宅ローンの借り換えでは、新たな金融機関で、現在の住宅ローン残高を借り入れ、そのお金で現在の借入先に全額繰り上げ返済をします。繰上げ返済後は、新しい金融機関への返済が始まります。金融機関によって異なりますが、一般的な借り換え手順は次の通りです。

1.借り換えメリット・借り換え先金融機関について検討

住宅ローンの借り換えは、一般的に次の3つの条件が揃う場合にメリットがあると言われています。

  1. 「借り換え前後の金利差1%以上」
  2. 「残高1000万円以上」
  3. 「残返済期間10年以上」

まずは、金利が低い、自宅近くなど、条件に合う金融機関をいくつか選択します。

2.金融機関へ相談

多くの金融機関には、住宅ローン相談窓口があるので、具体的説明や試算をしてもらいます。

3.必要書類の準備

申込者本人が準備する書類は、金融機関ごとに異なりますが、一般的には次のようなものが必要です。

本人確認書類 運転免許証・健康保険証 等
所得確認書類 源泉徴収票・課税証明書 等
物件確認書類 売買契約書・重要事項説明書・登記簿 等
返済中のローン関連書類 返済予定表・返済口座通帳 等

4.事前審査の申込み

借り換え先の金融機関が用意する書類「事前審査申込書」「個人情報を利用するための同意書」に署名押印します。

5.事前審査

金融機関(支店)による審査になります。
年齢・返済負担率・担保評価・勤続年数・健康状態・年収などから、本審査に進むための審査をします。

6.本審査の申込み

事前審査通過後、本審査申込のためのローン借入申込書(保証委託申込書)に記入します。
事前審査時には要求されなかった提出物として、印鑑証明書・所得証明書・住民票などが必要となります。 

7.本審査

金融機関の本部と保証会社の審査になります。
審査基準が厳しくなるため、事前審査の承認を得ていても、否決される場合もあります。

8.現在の借入先へ一括繰り上げ返済の申込

本審査の承認を得てから、現在借入中の金融機関に「全額繰上げ返済する旨」を伝えます。
金融機関の窓口にて、必要書類に署名押印する必要があります。

9.金銭消費貸借契約

借り換え先の金融機関と、新しい住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を行ないます。
このタイミングで、今後の住宅ローンを返済していく預金口座を作成します。
更に、このタイミングで司法書士に同席してもらい、抵当権設定に必要な書類を預けます。

10.融資実行

上記「9」で作った預金口座に、新たな住宅ローンが融資されます。

11.一括繰り上げ返済

上記「10」で融資されると同時に、これまでの金融機関の指定口座に、次の金額を送金します。

  • 住宅ローン全額一括返済する為の資金
  • 先月の住宅ローン返済から、この日までの日割り計算した金利の支払利息額
  • 全額返済の繰上げ返済事務手数料

「8」で手続き済みのため、送金が完了された資金で、完済の手続きが行われます。

12.旧金融機関の抵当権を抹消し、新金融機関へ抵当権を設定

上記「11」の手続きが完了後、その日のうちに、これまでに付いていた抵当権を抹消するために必要資料を旧金融機関の窓口で受け取り、司法書士へ提出します。
司法書士は、この抵当権抹消書類と「9」で、新金融機関と依頼者から預かった書類を持って登記所にて旧抵当権の抹消と新抵当権の設定を同時に行います。
※「10」~「12」については、融資実行日に行われます。

13.新しい借入先への返済開始

住宅ローンの借り換えを頑張った、達成感を味わえるのがこの日です。

住宅ローンの借り換えは、準備する書類がとても多いのですが、書類が正しく用意されるまでは審査も進みません。
またふたつの銀行を行ったり来たりするので、思いのほか手間が掛かり、最低でも1ヶ月は要します。
そして、最大のポイントは「8」~「12」までのスケジュール調整です。
大変なことは多いのですが、苦労しただけの価値もあるのが、住宅ローン借り換えです。

中村 諭(なかむら さとし)
中村 諭
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
貸金業務取扱主任者、オールアバウトガイド

千葉県市川市生まれ、「税理士・FPなどの専門家も相談にくる」住宅ローン・アパートローン専門のFP事務所を経営。
新聞、雑誌、ラジオ出演、講演、執筆と幅広く活躍中。

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