住宅ローン基礎知識 年代別ケーススタディ
結婚・出産そして住宅購入と30代には人生の一大イベントが集中しています。
30代は、生活基盤が確立し、ライフプランの基礎データが出揃うため、住宅資金だけでなく、将来の総合的な資金計画を立てるのに最適な時期です。30代の住宅購入について、メリットとデメリットを解説します。
(参考)
平均初婚年齢:男性31.1歳、女性29.4歳、第一子出産年齢:30.6歳(平成26年厚労省人口動態統計)
初めて住宅を取得する人(第一次住宅取得者)年齢:30代が最多(国交省平成26年度住宅動向調査)
人生の三大資金といわれる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」のうち、多くの人にとって最初にかかるのが「住宅資金」です。
そのため、「住宅資金」で無理をしてしまうと、残りふたつが立ち行かなくなります。30代は家族構成が確定し、将来の収入見通しも見えてくる時期なので、住宅購入時に三大資金計画を総合的に考えることが可能です。
子供が幼く、教育費負担が少ない時期に、今後の教育費を考慮した住宅資金計画を立てることが可能です。
教育費は子供の進学先によって大きく異なるため、まずは教育方針を立て、教育費のピークでも住宅ローン返済と教育費支出が確保出来るような資金計画を立てることが目標です。
教育費の準備手段で、貯蓄、学資保険、親類からの贈与、奨学金など、なにを選択するのかによっても、資金計画は異なってきます。
住宅ローンの返済が定年退職後まで続く場合、公的年金以外の定期的収入が無いと、住宅ローンを返済するのは、かなり厳しいものです。そこで、できれば繰上げ返済を計画的に行うことで、定年退職前までの完済計画を立てたいところです。
教育費負担のピークまで間があり、家計に余裕があるうちに繰上げ返済することができます。
定年(65歳)までに住宅ローンを完済したいと考えた場合、30歳では返済期間が35年ありますが、その後は年齢が上がるにつれ、徐々に短くなります。
返済期間が短くなれば、毎月の返済額も大きくなるため、将来の教育費ピーク時や予定外の支出が重なると、毎月のローン返済が厳しくなります。
30代だと、頭金を準備している方も多く、その分借入額が小さくなれば、返済期間や毎月の返済額を縮小できます。
しかし、かえって頭金があることで、本来の予算を超えた物件を購入してしまう恐れがあります。
そうなると結局、定年後まで返済が続いたり、毎月の返済額が大きくなってしまいます。
住宅購入については、比較的選択肢が広く、柔軟な対応ができますが、子供の教育方針の途中変更や、老後の生活費の大きな削減は容易ではありません。 まずは、教育資金と老後資金の資金計画書を作成することをお勧めします。
その結果から、今後の家計で、毎月どのくらい住宅ローン返済に回せるのかを知ったうえで、購入物件予算を決めると良いでしょう。
くれぐれも「将来なんとかなるだろう」などと、安易に考えず、身の丈に合った住宅資金計画を立てて下さい。