住宅ローン基礎知識 保険

住宅購入と生命保険との関係

一般的に、住宅ローンは長期間にわたって返済していくことになります。そのため、住宅ローンの返済中にはさまざまなリスクが想定されます。
たとえばローン契約者に万が一の事態が起こって、住宅ローンが支払えなくなってしまっては大変ですよね。そこで今回は、次の2つの場合のリスク対策について考えてみましょう。

  1. 契約者が死亡した場合
  2. 契約者が病気により、収入が減ってしまった場合

財産とは

1. 契約者が死亡した場合

団体信用生命保険

団体信用生命保険は通称「団信」とも呼ばれます。
団信は、住宅ローン返済中に契約者に万が一のことがあった場合、生命保険会社が契約者に代わって、金融機関に住宅ローンの残金を支払ってくれるものです。
団信には、大きく分けて民間の金融機関からお金を借りた際に加入する一般的な団信(民間金融機関)と、住宅金融支援のフラット35を利用する場合に専用で利用する機構団信があります。大まかな内容は次の通りです。

  団信(民間金融機関) 機構団信
加入 強制加入 任意加入
保険料の支払方法 金利に含まれている 金利に上乗せされる
(2020年10月1日以後に借り入れした場合)
年齢要件 借入時:20歳~65歳以下、完済時:満80歳未満が多い、一般に住宅ローンが組める年齢なら、加入可能 加入時:満15歳~満70歳未満、 最長80歳まで保障
保障内容 死亡・所定の高度障害

※各民間金融機関の団信や住宅金融支援機構の団信では保障内容などが異なります。詳しくは、各金融機関などに確認することをおすすめします。

特定疾病保障付団信

特定疾病保障付団信とは、一般的な団信の保障内容に特定疾病が追加されたものです。保険料は、一般団信に金利を上乗せしているところが多いでしょう。
また、年齢制限を設けているところが多いので、加入を検討する際は金融機関などに確認してみてください。

  三大疾病保障付 七大(八大)疾病保障付
保障内容 死亡・高度障害

ガン・脳卒中・急性心筋梗塞
死亡・高度障害

ガン・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変(8大疾病では慢性膵炎)

ワイド団信

ワイド団信は、健康状態の引き受け範囲を広げた「引き受け緩和型」の団信です。
団体信用生命保険は生命保険の一種ともいえるため、加入にあたり必ず健康状態の確認がされます。
そのため、健康状態によっては団信に加入できず、住宅ローンを組めないということにもなりかねません。 

ワイド団信は、そのような糖尿病や高血圧など、通常の団信に加入できない場合に検討されるものです。
ただし、保険料は通常と比べて高くなる場合が多く、金利に0.2%~0.3%程度上乗せされるのが一般的です。
なお、健康状態に問題がある人すべてが加入できるわけではありませんので、詳しくは金融機関などに確認するとよいでしょう。 

2. 契約者が病気により、収入が減ってしまった場合

長期所得補償保険

長期所得補償保険は、特定疾病に限らず、けがや病気で働けなくなった場合に、就業者の所得を保障する保険です。
概要は次の通りです。

支払要件
  • けがや病気などで就業不能状態の場合
  • 医師の指示による自宅療養をする場合

※支払要件の詳細は保険会社により異なりますので、保険会社などに確認してください。

年齢 満60歳または最長3~5年間など
免責期間 一般に免責期間(60日~365日程度。365日以上の場合も)が設定されており、それを超えて就業不能状態が続く場合に支払われる
保険金 月の所得の一定割合が支払われる

※細かい内容は各保険会社や商品により異なりますので、契約前に必ず確認しましょう。

一般的に、住宅の購入は人生の中でも大きな買い物となるでしょう。住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合を考えれば、生命保険への加入が不可欠だといえます。
ただし、住宅購入以前から生命保険に加入している場合、団体信用生命保険の保障内容が既に加入している生命保険と重複している可能性があります。住宅購入の際には必ず、既存の生命保険の見直しも併せて行うことをおすすめします。

執筆者(2014年8月執筆)
中村 諭(なかむら さとし)
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
貸金業務取扱主任者

※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:小花 絵理(宅地建物取引士)


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