住宅ローン基礎知識 新規借り入れ
「無理のない住宅ローン」とは、「無理のない返済計画」がすべてと言っても過言ではありません。
「無理のない返済」を考えるときには、毎月「住宅費」としていくら使えるのかを把握することがポイントです。
今回は、家計の出口である「支出」から「無理のない住宅ローン金額」を考えます。
家計の出口はどのような項目があり、いくら出ていきますか。
年間の支出額を項目ごとに大まかにでも構わないので、12ヵ月で割って書き出してみます。
◎ 食費 | [ 円]/ 月 |
◎ 水道光熱費 | [ 円]/ 月 |
◎ 住居費 | [ 円]/ 月 |
◎ 通信費 | [ 円]/ 月 |
◎ 教育費 | [ 円]/ 月 |
◎ 保険料 | [ 円]/ 月 |
◎ 健康医療費 | [ 円]/ 月 |
◎ おこづかい | [ 円]/ 月 |
◎ レジャー費 | [ 円]/ 月 |
◎ 貯金 | [ 円]/ 月 |
◎ その他 | [ 円]/ 月 |
住居費にはいくらの金額が入りましたか?
次に、この住居費をさらに細分化してみましょう。
住居費 [ 円]/ 月
内訳 | |
---|---|
○ 住宅ローン返済額 | [ 円]/ 月【A】 |
○ 管理費・修繕積立金 | [ 円]/ 月 |
○ 固定資産税・都市計画税 | [ 円]/ 月 |
○ 駐車場代 | [ 円]/ 月 |
「住宅ローン返済」に使える、月額【A】を次の計算式に入れて、算出できた額があなたにとって「無理のない住宅ローン金額」となります。
【住宅ローン金額】=【A】÷【係数(※)】×100万円
※係数
ここに入る「係数」は、あなたが借りる住宅ローンの「期間」と「金利」で、以下表の中から該当数字をあてはめます。
「無理のない住宅ローン金額」を計算するにあたっては、金利上昇リスクのない「固定金利」を基本に考えます。
ここでは、無理のない住宅ローン金額の計算について、具体的なシミュレーションをみていきましょう。
例えば、収入30万円に対し、支出の計画を以下のように立てたとします。
・食費8万円/月
・水道光熱費2万円/月
・教育費5万円/月
・貯金2万円/月
・おこづかい3万円/月
上記支出がある場合、住居費は30万円-8万円-2万円-5万円-2万円-3万円=10万円と計算できるでしょう。
次に、住居費を細分化します。
なお、今回は戸建てを想定して、修繕積立金や駐車場代は考慮しないこととします。
・住宅ローン返済額=8万円/月
・固定資産税=2万円/月
この条件で、金利2%、借入期間35年と想定した場合、係数は3313です。
上記係数を先ほどの計算式にあてはめてみましょう。
8万円÷3313×100万円=約2415万円
このケースでは、住宅ローン借入金額を約2415万円まで設定できる結果となりました。
支出の額を細かく計上し、ぜひ一度無理のない住宅ローン金額を算出してみてください。
【係数】
1.00% | 1.50% | 2.00% | 2.50% | 3.00% | 3.50% | |
---|---|---|---|---|---|---|
15年 | 5985 | 6207 | 6435 | 6668 | 6906 | 7149 |
20年 | 4599 | 4825 | 5059 | 5299 | 5546 | 5800 |
25年 | 3769 | 3999 | 4239 | 4486 | 4742 | 5006 |
30年 | 3216 | 3451 | 3696 | 3951 | 4216 | 4490 |
35年 | 2823 | 3062 | 3313 | 3575 | 3849 | 4133 |
※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:逆瀬川 勇造(宅地建物取引士)