住宅ローン基礎知識 新規借り入れ
住宅を購入する際、親や兄弟からお金を借りることもあるでしょう。
そのとき注意しなければならないのが、あいまいな借り方です。
借り方があいまいだと贈与とみなされ、贈与税の納付を求められることがあります。
ここでは、税務当局に指摘されないように「正しく借りて、正しく返す術」について解説します。
「借用書」でも問題ないのですが、より厳密なのが「金銭消費貸借契約書」です。
住宅ローンを借りるときに、あなたが金融機関と交わす契約書が金銭消費貸借契約書です。
「借用書」は、お金を貸す側(貸主)は署名しなくてもよいので作成するのは1枚だけで、貸主側だけが保管するケースがほとんどです。
一方で「金銭消費貸借契約書」は、貸主と借主の双方が署名し、双方が1通ずつ保管します。
少なくとも以下の内容については、取り決めをしておきましょう。
住宅の購入にあたって金銭消費貸借契約書を作成する主な目的は、「贈与」だと贈与税がかかるため、贈与ではないことを証明するためです。
金銭消費貸借契約書を作成しておけば「借入」になり「贈与」ではないことを主張できますが、実際に返済されているかどうかもポイントになります。
そのため金銭消費貸借契約書を作成し、そのとおり貸した記録と、定められたとおりに返済している記録を残しておくことが大切です。
具体的には、銀行口座の取引記録を利用するとよいでしょう。
その際、「お金を引き出して渡した」だけでは記録にならないため、金銭消費貸借契約書に記載されている相手名義の口座に「振り込んだ」記録をしっかり残すことが大切です。
貸し手は、貸し付けた金額について利息収入を得ることになります。
この利息について確定申告をしておくと、さらに信憑性は高まるでしょう。
個人間の貸し借りの場合、利息収入は雑所得として計上することになります。
「1年間の給与所得以外の所得が20万円以下であれば確定申告をしなくてよい」というルールがありますが、これは「確定申告をしなくてもよい」というだけであって、確定申告をしてもまったく問題ありません。
給与所得者でない人や、給与収入が2000万円以上の人など、確定申告の義務がある人は、必ず利息収入についても確定申告をしておくようにしましょう。
※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:逆瀬川 勇造(宅地建物取引士)