住まいのコラム
賃貸物件の入居審査にかかる日数・期間はどれくらい?
落ちてしまったときの対処法
最終更新日:

- 矢野 翔一
- 2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者/有限会社アローフィールド代表取締役社長
- 賃貸物件の入居審査にかかる期間はどれくらい?
- 入居審査は、一般的に申込みから3~10日程度の期間が必要です。入居審査は大家さん、管理会社、保証会社によって行われます。スムーズに進めば数日で結果が出ますが、1週間以上長引く場合には何らかの問題が発生している恐れがあります。一度管理会社に審査状況を確認するのがよいでしょう。
賃貸物件を借りる前には入居審査を受ける必要があります。
一般的に入居審査の結果は即日出るわけでなく、申込みから引越しまである程度の日数がかかることが見込まれます。また、審査は申し込めば必ず通過するとは限らないため、落ちた後の対処も同時に考えておかなければなりません。
今回は入居審査にかかる日数や期間の目安と、審査に落ちてしまった場合の対処方法についてご紹介します。
賃貸物件の入居審査にかかる期間は数日から1週間程度

賃貸物件の入居前には、管理会社や大家さん、保証会社などからの入居審査が行われます。
審査にかかる時間は、申込みから3~10日程度です。スムーズに進めば2~3日で終わる場合がありますが、確認しなければならない項目が多い場合には1週間以上かかることもあります。
入居審査の流れ
入居審査の主な流れは以下の通りです。
(1)入居希望者が管理会社へ申込書類を提出
(2)管理会社、大家さんによる審査
(3)-1 保証会社による審査
(3)-2 連帯保証人への連絡
(4)入居希望者へ審査結果の連絡
管理会社および大家さんによる審査に通過した後は、入居の条件に保証会社の利用が含まれる場合のみ、(3)-1 の審査が発生します。保証会社を利用せず、連帯保証人を立てる場合には追加の審査はなく、(3)-2 の連帯保証人への連絡へ進むため、(3)-1 に比べて審査日数がやや短くなる傾向があります。
入居審査に時間がかかるのは落ちたから?

ある程度日数が経っても連絡がないと「もしかして審査に落ちた?」と不安になってしまうかもしれませんが、審査に時間がかかっているからといって、必ずしも落ちたとは限りません。何らかの理由で審査がスムーズに進まないことも考えられます。
入居審査に時間がかかるケース
入居審査がスムーズに進まずに時間がかかる場合、審査に何らかのトラブルが発生している可能性があります。
審査が長引く理由でもっとも多いのが、提出書類の不備です。記入漏れや誤字脱字が多い書類を提出した場合や、審査に必要な書類の提出が漏れている場合は、審査に時間がかかるだけでなく差し戻されることもあるでしょう。
書類に問題がないのに審査が長引いているようなら、審査の関係者の間で連携がうまく取れず、手続きがどこかの段階で止まっている可能性があります。
入居審査後に連絡がこないときはどうすればいい?
審査結果の連絡がないまま1週間をすぎるようなら一度管理会社に進捗を確認してみましょう。可能性としては、審査が通過しているのに管理会社が連絡を失念しているというケースも考えられます。
賃貸物件の入居審査では何が見られる?

入居審査は大家さん、管理会社、保証会社がそれぞれ行いますが、具体的に何を審査対象としているのでしょうか。一般的に審査対象としてみられる項目についてご紹介します。
支払い能力
入居審査において第一に見られるのが家賃の支払い能力です。入居後に家賃を滞納されてしまうと、大家さんや管理会社は収入源がなくなります。保証会社を入れている場合は、入居者に代わり保証会社が立て替えてくれますが、今度は保証会社が立替分を踏み倒され損失を被るリスクを負うことになるのです。
そのため、入居審査では家賃を滞納せずに支払えるだけの収入の存在を重点的に審査します。判断材料となるのは、源泉徴収票や確定申告書から判断できる年収や、勤め先の会社の規模、雇用形態、勤続年数といった情報です。
信用情報
保証会社を利用する場合には、支払い能力審査の一環として信用情報を確認される場合があります。保証会社が信販系列である場合、クレジットカードやローンの滞納歴や自己破産履歴などが記録された信用情報を照会することが可能です。
クレジットカードの延滞情報は完済後も5年間は信用情報に記録が残り続けます。現在は十分な返済能力があるとしても、過去に返済を延滞した事実が問題視され審査に通らない可能性も十分に考えられます。
保証会社について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
性格・属性
入居審査において見られるのは、支払いに関する情報だけではありません。大家さんは入居後に問題を起こさない人物を入居させたいと考えるものです。入居させても問題なさそうな人柄が評価されることは珍しくありません。
内見時に顔を合わせたわずかな時間が決め手になることもあるので、大家さんとの接触時には好印象を与えられるような立ち振る舞いを意識しましょう。また、大家さんと接触する機会が無い場合であっても、管理会社の担当者との受け答えも丁寧にしておくのが無難です。

入居審査の調査項目は収入面だけではありません。規約を守らない入居者の場合、他の入居者とトラブルを起こす可能性が高いため、トラブルを未然に防ぐ観点から人柄も重視される傾向があります。
入居審査に落ちてしまったときの対処法

入居審査はどれだけ万全の対策を行ったとしても、自分ではどうしようもない理由で落ちる場合があります。もし入居審査の不通過が続いているようなら、次に紹介する対処法を参考にしながら、審査に落ちる理由を探ってみましょう。
他の物件を探す
入居審査に通過できるかどうかは、信用情報や人柄といった条件以上に大家さんとの相性に左右される場合があります。入居審査は「相性」といった側面も少なからずあるため、気を取り直して次の候補の入居審査を申し込みましょう。条件はほとんど変わらないのに、あっさりと入居審査に通過することも十分に考えられます。
一方、賃料が収入に見合っていないために審査に通らない可能性も考えられます。支払いに少々無理がある場合は、少し予算を落として物件選びをするのもひとつの手段です。
収入に対する適切な家賃について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
給料に対する適切な家賃は?一人暮らし・二人暮らしの目安を解説!
なお、非正規雇用や自営業などの職業を理由に審査に落ちているのが明白なようなら、そういった職業向けの物件に強い管理会社を利用しましょう。一般的な管理会社にはないような入居しやすい物件の紹介が期待できます。

入居審査の基準はケースバイケースなので一概に言えませんが、月収に対する賃料の目安は20~30%程度といわれています。もし、賃料が高い場合は自身の収入に見合った賃料の物件を選択すれば、審査通過の可能性が高まるでしょう。
キャッシング・借り入れを返済する
信販系の保証会社の審査は、現在の借り入れ状況に対して非常に敏感です。勤務先に問題がなく、一定以上の安定した収入があるとしても、借入額の残高によっては審査通過を見送る場合もあるでしょう。
保証会社を利用した入居を考えているなら、入居審査を受ける前にキャッシングやカードローンの借り入れ分を可能な限り返済しておきましょう。できれば完済できるのが理想ですが、まずは無理がない範囲で計画的に返済を続け、追加の借り入れは控えておくのが無難です。
保証人を立てる
収入の不安定さや年収の低さが問題であるなら、保証人を立てることで審査に通過しやすくなるでしょう。保証人は入居者が家賃の支払いができなくなった際に、代理で家賃を支払う義務を負うため、大家さん側は家賃が未納になるかもしれないという心配をせずに済むようになります。
年収が高く身元がはっきりしている保証人の存在により、信用度が上がり審査通過となる可能性があります。もし保証会社を利用しても審査に落ちるようなら、保証人を立てたうえで再度入居審査を申し込んでみましょう。
まとめ
賃貸物件の入居審査は、一般的には3~10日程度の時間が必要です。審査は大家さん、管理会社、保証会社がそれぞれ異なる観点で行います。
審査では年収や勤務先、信用情報や人柄などがチェックされます。もし審査落ちが何度も続くようなら、審査で見られる項目の改善を図りながら審査がゆるい物件への申込みを検討しましょう。
監修者プロフィール

- 矢野 翔一
- 関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。保有資格:2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。