住まいのコラム
1LDKとは?
間取りの特徴や1DKとの違い、選び方のポイントを解説
最終更新日:
- 三輪 歩己
- 不動産鑑定士/宅地建物取引士/日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)/相続診断士/J-REC公認不動産コンサルタント
- 1LDKとは?どんな人におすすめの間取り?
- 1LDKとは、1つの居室と8畳以上のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)がある間取りです。生活空間と寝室を分けたい一人暮らしや、二人暮らしで家賃を抑えたい場合におすすめ。また、来客が多い場合にも、寝室とリビングを分けられる1LDKは向いています。物件数が多く、築浅の物件が選びやすい間取りです。
1LDKとはマンションやアパートの間取り表記のひとつで、1部屋とLDK(リビング・ダイニング・キッチン)がある間取りです。物件探しの際には、1LDKといった間取り表記を見ることで、部屋数や部屋のサイズ感などを把握します。
この記事では、1DKの間取りと、1DK、2DK、1K、ワンルームなどの間取りとの違いのほか、1LDKのメリット・デメリット、1DKの間取りのタイプや内見のポイントについて解説します。
目次
1LDKは1部屋と8畳以上のLDKがある間取り
1LDKとは、1つの居室と8畳以上のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)がある間取りです。
寝室と生活空間を分けられることが特徴で、家具や家電、インテリアなどを好みの配置にしたり、部屋の使い方を柔軟に決めたりしやすい傾向があります。
1LDKは寝室と生活空間を分けてゆったりと暮らしたい一人暮らしのほか、二人暮らしで家賃を抑えたい場合におすすめです。
1DK・2DK・1K・ワンルームとの違い
1LDK以外の一人暮らし・二人暮らし向けの間取りとして、1DK・2DK・1K・ワンルームがあります。それぞれの特徴と1LDKとの違いを見てみましょう。
1DK
1DKは、1つの居室と4.5畳以上のダイニングキッチンがある間取りです。1LDKとはキッチンスペースの広さが異なります。
独立したダイニングキッチンがあるため、食事スペースと寝室を分けられるのも特徴です。比較的広めの空間で暮らしたい一人暮らしの方に向いています。
1DKとは?間取りの特徴や1R・1LDKとの違い、選び方のポイントを解説
2DK
2DKは、2つの居室と6畳以上のダイニングキッチンがある間取りです。1LDKとはキッチンスペースの広さと居室の数が異なります。
居室が多い分、荷物が多くても収納しやすいため、二人暮らしやファミリー層にも人気です。寝室以外にもう1つの居室を自由に使えるため、書斎や趣味の部屋などに活用できます。
1K
1Kは、1つの居室と4.5畳未満のキッチンがある間取りです。1LDKとはキッチンスペースの広さが大きく異なり、一人暮らし向けの間取りとなっています。
キッチンスペースと居室をドアで仕切れる点がメリットです。
ワンルーム
ワンルームは、1つの居室で作られた最もシンプルな間取りです。1LDKや1Kとは異なり、キッチンスペースと居室には仕切りがなく、キッチンは居室内に設置されています。
空間を仕切らないため広さを感じられることや、比較的家賃が安い傾向であることがメリットです。
1LDKに住むメリット
一人暮らしや二人暮らしの間取りとして、1LDKを選ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。1LDKの4つのメリットを紹介します。
築浅の物件が多い
1LDKは、近年物件数が増えていることから、築浅の物件が多い傾向があります。
築浅の物件は部屋がきれいなだけでなく、浴室やキッチンなどの設計や設備が新しいため使いやすいというメリットがあります。
寝室と生活スペースを分けられる
1LDKなら、寝室と生活空間を分けられるため、生活にメリハリをつけやすくなります。
キッチンスペースが独立していることで、料理のにおいが寝室に影響することも避けられるのもメリット。自炊派にはうれしい間取りです。
ソファなど大きめの家具を配置しやすい
8畳以上のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)があり、1Kや1DKよりも広さにゆとりがある1LDKは、大型家具を配置しやすい間取りです。2人掛け以上のソファやダイニングテーブルなども置くことができるでしょう。
来客に対応しやすい
1LDKは寝室とリビングが分かれていて、リビングのスペースが8畳以上と広めなため、来客に対応しやすい間取りです。人目にふれさせたくないものは、来客時に寝室に移動させておくこともできます。
1LDKに住むデメリット
1LDKを選ぶデメリットとしては、どのようなものがあるのでしょうか。物件選びの前に確認しておきましょう。
一人暮らしには家賃が高め
1LDKの部屋は、リビングスペースのみで8畳以上あるなど、一人暮らしの部屋としては専有面積が広いため、1Kやワンルームの部屋よりも家賃が高くなりがちです。
二人暮らしの場合は、家賃節約のために1LDKを選ぶケースも少なくありません。ただ、築浅物件が多いこともあり、1DKや2DKと比べて家賃相場がやや高くなる傾向にあります。
光熱費が高くなる
1LDKは専有面積が広くなる分、居室とリビングそれぞれにエアコンがあるなど、空調や照明器具のランニングコストが高くなりがちです。
二人暮らしのプライベート空間を確保しにくい
1LDKは居室とリビングという2部屋の構成なので、二人暮らしの場合はそれぞれの個室を確保することが難しくなります。プライベート空間が欲しい場合は、部屋を家具やカーテンで仕切るなど工夫が必要です。
また、二人分の荷物には収納が足りない場合もあるため、ソファやベッドは収納付きのものを選ぶなど、収納スペースを確認することをおすすめします。
どんな部屋にも、向き・不向きはあります。1LDKについても各部屋のメリット・デメリットをよく理解して、希望の暮らしが手に入れられるように、メリットを満喫でき、デメリットに妥協できる、ライフスタイルに合ったお部屋を選んでください。
1LDKの間取りのタイプ
続いては、1LDKの間取りのタイプを紹介します。それぞれの特徴や、どのようなライフスタイルの人におすすめなのかを見ていきましょう。
LDKと居室が隣り合ったタイプ
LDKの左右どちらかに居室があるタイプは、一般的な1LDKで広く採用されています。リビングスペースと居室間の移動がしやすい点がメリットです。
また、LDKと居室のどちらにも採光があることが多いのも魅力です。居室の扉を開放すればワンルームにもなるため、広々と暮らしたい一人暮らしか、プライベート空間よりも二人の時間を充実させたい二人暮らしに向いています。
デメリットとしては、トイレや浴室、クローゼットなどの配置の都合上、居室がコンパクトな造りになるケースが多い点です。居室にはベッド以外の大型家具は設置しにくい可能性もあります。
居室は寝るだけ、主にリビングスペースで過ごすことの多いライフスタイルの方におすすめのタイプです。
居室とLDKが独立していて廊下があるタイプ
玄関から廊下があり、居室とLDKがそれぞれ独立しているタイプは、空間を明確に仕切れるため、プライベート空間を確保したい二人暮らしの場合や、来客時にプライバシーを守りたい場合に向いています。
ただし、リビングスペースと居室間の移動の際、一度廊下に出る必要がある点は、不便に感じるかもしれません。
居室がLDKの奥にあるタイプ
居室とLDKが縦に並んでいて、居室が奥に配置されているタイプは、居室が広めに設計されているケースが多い傾向です。二人暮らしで大きめのベッド置きたい場合などに対応できます。
また、キッチンが対面式で居室のほうを向いている造りなら、居室まで広く見渡せるため、小さい子どもがいても目が届きやすいというメリットもあります。
角部屋ではないなど部屋の位置によっては、窓が居室にしかなく、採光が少ないケースがあることがデメリットです。
メゾネットタイプ(2階建て)
LDKと居室が1階と2階に分かれているタイプは、2階建てのアパートに多い間取りで、上下階に住人がいないため独立性が高く、騒音トラブルに悩む心配がない点が魅力です。
一方、リビングスペース、居室、トイレ、浴室間の移動に階段を上り下りする必要があるのはデメリットです。
また、メゾネットタイプは1LDKの中でも、家賃が高めに設定されている物件が多い傾向があります。
1LDKの間取りタイプは複数あります。リビング・ダイニング・キッチンと居室間の移動がしやすい、プライベート空間を確保できる、小さい子どもがいても目が届きやすい、騒音トラブルが少なくプライバシーも確保しやすいなどメリットだけを見てもさまざまです。どのようなメリットを優先したいか、から検討してみるのもおすすめです。
1LDKのレイアウトのコツ
1LDKのレイアウトは、LDKの広さや形状、どのような空間を作りたいかによって変わります。ここでは、4つのタイプ別にレイアウトのコツを紹介します。
LDKがやや狭い場合のレイアウト
コンパクトなLDKを快適に使うには、リビング・ダイニングスペースの家具選びがポイントです。ダイニングテーブルを置かずにソファスペースで食事もできるようにすると、空間を広く使えます。
カウンターキッチンなら、カウンターをダイニングテーブルの代わりにして、残りのスペースにソファを置いてもよいでしょう。リビングとダイニングの役割を明確に分けずに使うと、より開放感のある空間にできます。
LDKが細長い形のレイアウト
LDKが縦に長い場合は、ソファやテレビなどの家具・家電類をできるだけ壁側に寄せて置きます。動線を確保でき、部屋の奥まで視界を遮らないため、空間の広がりが感じられるでしょう。
ダイニングテーブルやソファは、動線を遮らないコンパクトなものがおすすめです。
収納が少ない場合のレイアウト
クローゼットなどの収納が少ない間取りの場合は、収納家具を上手に取り入れてください。
キャビネット付きテレビボード、収納棚がついたベッド、収納兼飾り棚など、収納力の高い家具やインテリアを選ぶことをおすすめします。
リモートワークのスペースを確保するレイアウト
1LDKの一部に仕事用のスペースを確保したい場合は、壁際にデスクを配置して、PCや周辺機器をまとめて設置します。その周囲をパーテーションや背の高い家具で囲むと、仕事に集中しやすいスペースができます。
2畳分(1.8m×1.8m)を目安に空間を確保するとよいでしょう。
1LDKを内見するときのポイント
物件の内見では、さまざまな箇所をチェックする必要があります。ここでは、1LDKの物件を内見するときに着目したい5つのポイントについて見ていきましょう。
四角い間取りを選ぶ
1LDKの中には、円形や三角形の間取りの物件もあります。しかし、こうした間取りはレイアウトの難度が高くなり、特に二人暮らしの場合は生活動線を確保しにくくなったり、家具の配置が難しくなったりしがちです。シンプルな四角形の間取りを選ぶことをおすすめします。
生活動線を考える
1LDKは、部屋の位置によって確保すべき生活動線が変わってきます。そのため、内見時には「居室からトイレまで遠くないか」「洗濯機からベランダに移動しやすいか」など、実際の生活や家事をイメージしてみましょう。
居室にエアコンがあるか
居室にエアコンがあるかどうかも重要です。エアコンがリビングスペースにしかない場合は、冷暖房をつける際に居室のドアを開放しておく必要があります。
LDKの広さにしか対応していないエアコンの場合、居室までカバーしようとすると、冷暖房の効率が悪くなり、光熱費がかさんでしまいます。
LDKのコンセントやテレビ配線の位置
置きたい家電や家電をある程度決めておき、必要なだけのコンセントがあるのか、位置と併せて確認しましょう。配置場所の広さもチェックしておけば、どの程度のサイズの家具・家電を置けるのかもイメージしやすくなり、部屋のレイアウトで失敗しにくくなります。
日当たり
居室とLDKの位置関係によって、部屋ごとの採光が異なります。
細長い間取りで居室かLDKのどちらかにしか日当たりがない場合は、日中LDKで過ごすことが多いならLDKが窓側の造り、朝日を浴びて目覚めたいなら居室が窓側の造りなど、ライフスタイルに合わせた選択が必要です。
内見のポイントで一番大切なのは、実際の生活をイメージすることです。ライフスタイルを考慮して、家事の動線、お風呂・トイレへの生活動線など、それぞれの場合を具体的にイメージすることで、自分に合う間取りのタイプや、家具・家電のレイアウトも決まってきます。
まとめ
1LDKは一人暮らしや二人暮らしにおすすめの間取りです。1LDKの中でも、間取りのタイプによってメリットとデメリットが変わってくるので、ライフスタイルに合った物件を選ぶことが大切です。内見時はチェックポイントを踏まえて見学し、複数の物件を比較して検討しましょう。
監修者プロフィール
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。
約20年間の鑑定・宅地建物取引業の経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として活動を行う。