住まいのコラム
一人暮らしでも飼いやすいおすすめペット5選!
飼育するうえでの注意点は?
最終更新日:

- 亀梨 奈美
- 不動産ジャーナリスト/株式会社real wave代表取締役
- 一人暮らしでも飼いやすいペットは?
- ペットといえば犬や猫が定番ですが、賃貸住宅に一人で暮らしているとなると、留守にしている間のお世話や鳴き声などが気になるものです。手がかかりにくく、近隣住人の迷惑になりにくいペットとして、水槽で飼える魚類やケージで飼える小動物などが挙げられます。ただ、これらの小動物であっても、「ペット不可」の物件の場合、家主への事前確認が必要です。ペットとの暮らしを強く希望するのであれば、「ペット可」物件を探してみるのもよいでしょう。
ペットは、生活に彩りと癒しを与えてくれる存在です。しかし、賃貸物件での一人暮らしだと、お世話や飼育の可否が気になるところ。そこで今回は、一人暮らしにぴったりのペット5選と飼育のポイントをご紹介します。それぞれのペットの特性やケアのポイントを把握すれば、自分に最適なペットが見つかるはずです。
一人暮らしでも飼いやすいおすすめペット5選!

一人暮らしの人にとって、ペットは日々の生活をより豊かにしてくれる愛らしいパートナーになり得ますが、賃貸物件では家主や近隣住民への配慮が必要です。一人暮らしに適したペットの選び方に迷う人も多いでしょう。そこで、一人暮らしでも飼えるおすすめのペット5選をピックアップします。
熱帯魚
熱帯魚は、多くの賃貸物件で飼育許可がおりやすいという点で、一人暮らしに向いているペットです。色鮮やかで美しい姿は、一人暮らしのお部屋の彩りにもなります。
熱帯魚の初期費用は5000~1万円程度です。月々の飼育費は1000円程度と、比較的手頃な価格で飼育できます。餌やりは1日に1回程度と、世話も容易です。
ただし、熱帯魚の飼育は、水温・水質管理と掃除が欠かせません。熱帯魚という名のとおり熱帯地方の生物のため、冬場にはヒーターなどを使って温度調節するようにしましょう。夏は夏で水温が高くなりすぎる可能性があるため、1年中、温度管理が欠かせません。
<飼育費用>
・初期費用…5000~1万円程度
・月々の飼育費…1000円程度
<おすすめポイント>
・費用が手頃
・餌やりは1日に1回程度と、世話が容易
<飼育時の注意点>
・水温・水質管理と掃除が必須
ハムスター
小型で静かなハムスターは、一人暮らしにぴったりのペットです。餌や水の補充、トイレ掃除など世話も比較的手軽で、小さなケージで飼育が可能なため広いスペースも必要ありません。明け方や夕暮れに活動する薄明薄暮性で、日中はあまり動かず、留守中も鳴き声などで迷惑をかける心配が少ないのが特徴です。ただし、温度調節は必須。季節によっては、外出中も冷暖房を付けっぱなしにするなど対策する必要があります。
一般的に、ペットを飼う際には賃貸借契約において飼育許可が必要とされますが、ハムスターなどの小動物は騒音や臭いをほとんど発生させないため、多くの場合、特別な許可なしに飼育できます。ただし、ペットの飼育が可能な物件かどうかは必ず確認するようにしてください。
初期費用は1万円程度、月々の飼育費は1000円程度と安価に飼育できることも魅力の1つです。手間と費用が比較的抑えられることから、初めてペットを迎える方にも向いています。
<飼育費用>
・初期費用…1万円程度
・月々の飼育費…1000円程度
<おすすめポイント>
・費用が手頃
・世話が比較的手軽
・広いスペースがいらないのでワンルームや1Kでも飼育可能
・鳴き声で近隣住民に迷惑をかける心配がない
<飼育時の注意点>
・温度調節が必須。季節によっては、外出中も冷暖房を付けっぱなしにする必要あり
・回し車は周りに音が響くこともあるため、静音タイプを選ぶ
うさぎ
うさぎは、犬や猫のように吠えたり鳴いたりしないため、部屋の広さが限られている一人暮らしや賃貸住宅にも適したペットです。ときには自分の気持ちを表すために後ろ足を踏み鳴らすスタンピング(足ダン)をしますが、頻度が少なければ騒音トラブルも起こりにくいといえるでしょう。ただし、温度や湿度の変動に敏感な生き物のため、常に室温管理が必要です。
小動物の飼育に対しては許可が不要な物件もありますが、うさぎの体の大きさを考えると、事前に飼育許可を取得しておいたほうが良いでしょう。うさぎの飼育による物件の損傷や、周囲の住人への迷惑を避けるため、許可がおりない可能性もあります。
うさぎの金額は、種類によって大きく異なります。1万円前後で購入できる種類もあれば、10万円ほどする人気種もあります。飼育のためのケージやトイレなどを揃えるための初期費用は1万~2万円程度、月々の飼育費は4000円ほどです。
ただし、ウサギをケージのみで飼育するにはかなり大きいケージが必要になります。
部屋を散歩させる「へやんぽ」を取り入れる場合は、誤飲やけがを防ぐためにサークルを使いましょう。
<飼育費用>
・初期費用…種類により購入費が異なる、飼育用品は1万~2万円程度
・月々の飼育費…4000円程度
<おすすめポイント>
・犬や猫に比べて動きが少ないので賃貸でも飼いやすい
・騒音トラブルが起こりにくい
<飼育時の注意点>
・常に室温管理が必要
カメ
カメは、ゆったりとした動きと長寿性が特徴で、適切な管理下で飼育すれば30年から50年生きます。小動物であるため飼育可能な物件は多いものと考えられますが、中には爬虫類の飼育を禁止している物件もあるため、事前に確認しておきましょう。
カメを飼育するうえでの注意点は、その特徴でもある長寿性です。何十年も生きる可能性のある生物を、最後まで飼育できるのか。この点は、しっかり考慮するようにしましょう。ライフスタイルの変化があっても飼育を続けられるように考えること、万が一に備えて次の飼い主を探しておくことが大切です。また、販売時点では手に乗るような大きさだったカメも、成長していくにつれて数倍もの大きさになることもあります。自身で体温調節ができない変温動物であるため、冬はヒーターが必要で、日光浴と水槽の定期的な清掃も欠かせないなど、意外と手がかかるペットでもあります。初期費用は1万~5万円程度、毎月の飼育費は1000円程度です。
<飼育費用>
・初期費用…10000~5万円程度
・月々の飼育費…1000円程度
<おすすめポイント>
・飼育可能な物件が多い
<飼育時の注意点>
・長寿性を理解したうえで飼育する
・変温動物のため冬はヒーターが必須
・日光浴、定期的な清掃が必要
ハリネズミ
ハリネズミは、その小ささと愛らしさから多くの人に愛されるペットです。物静かで体臭がほとんどないため、一人暮らしにも適しています。ハリネズミもまた、飼育に特別な許可が必要ないことが一般的です。ほとんど鳴かないことから、隣人の迷惑になるリスクも低いでしょう。
ハリネズミは暑さ・寒さに弱いため、適切な室内温度と湿度をエアコンなどで調整し、快適な環境を維持してあげることが大切です。飼育費は、初期費用が4万円程度、毎月の飼育費が3000円程度です。
<飼育費用>
・初期費用…4万円程度
・月々の飼育費…3000円程度
<おすすめポイント>
・静かなので近隣住民の迷惑になるリスクが少ない
・体臭がほとんどない
・多くの場合で飼育に特別な許可がいらない
<飼育時の注意点>
・室内の温度・湿度調整が必要
・回し車は周りに音が響くこともあるため、静音タイプを選ぶ
一人暮らしでペットを飼うときの注意点

ペットとの生活は楽しい一方、一人暮らしの飼育にはさまざまな課題もあります。ここでは、一人暮らしの人がペットを飼育する前に知っておくべき注意点を解説します。
お金がかかる
上記で各ペットの初期費用や毎月の飼育費用の目安を示しましたが、これには医療費が含まれません。ペットは、基本的に人間のように健康保険に加入していないため、医療行為にかかった費用はすべて飼い主に請求されます。
一人暮らしの場合は、経済面もすべて自分1人で責任を持たなければなりません。愛するペットと長く共生するためには、相応のお金がかかるものとわきまえておきましょう。
長時間家を留守にできない
一人暮らしでペットを飼うと、自分以外に世話をしてくれる人がいないため、旅行や出張などで長期間家を空けにくいというデメリットがあります。餌やりやトイレの世話・室温調整など、飼い主の定期的な介入が必要な生活環境を考えれば当然です。
出張や旅行で家を空けるときことがある場合は、世話を頼める家族や友人、ペットシッター、ペットホテルを見つけておきましょう。もし病気やけがで世話ができなくなったときの備えにもなります。
責任を持って飼育する
ペットを飼うということは、生命を預かることと同義です。飼い主には、時間と手間・愛情と責任が求められます。加えて、ペットの種類によっては、近隣住民や家主に迷惑とならないようしつける必要もあるでしょう。
寂しさを満たすためや一時的な「かわいい」という感情だけでペットを飼うことのないよう、飼ったあとのことまで慎重に考えるべきです。
今回紹介したペットを診察できる動物病院は限られているので、できれば飼育前に頼れるホームドクターを見つけておきましょう。自身の生活状況と照らし合わせ、ペットとの生活が自分に適しているかしっかり考えましょう。

一人暮らしでペットを飼うとなると、どうしても目を離さなければならない時間が長くなります。ケージや水槽で飼育していれば大きな問題はないでしょうが、犬や猫を部屋の中で放し飼いにする場合、目が届かない間に壁や建具にいたずらされてしまう可能性も高まります。ペットの種類や飼い方によっては「どう家を守るのか」も同時に考えておかなければなりません。
ペットと暮らすための賃貸物件選び

ペットとの共生は、一人暮らしの生活に癒しや豊かさをもたらします。しかし、そのための住まい選びには細心の注意が必要です。
ストレスフリーなペットとの生活のために、ペットと暮らすための賃貸物件選びで知っておきたいポイントを紹介します。
ペット不可の物件も少なくない
ペットの飼育が可能な賃貸物件は、決して多くありません。ペットの飼育を前提に物件を選ぶとなると、家賃や立地に妥協が必要なこともあります。理想的な住まいとペット飼育の両立は容易でない現実を認識し、そのバランスを考えながら部屋探しに取り組みましょう。
また、ペット不可の物件でも、魚類やハムスターなどの小動物であれば、交渉次第で飼育を認めてもらえるケースもあります。
気になる敷金と原状回復費
ペットの飼育が可能な物件では、ペット不可の物件と比較して、敷金や家賃が割高になっている場合があります。
例えば、猫や犬を飼う場合、ペット1頭ごとに敷金が家賃の1ヵ月分上乗せされるといったケースも。退去時に部屋の傷や汚れが多いと、入居時に預けた敷金では足りず、追加の原状回復費用が発生する可能性もあります。
ハムスター・ウサギ・ハリネズミは、家具や電源コードを遊びでかじることがあります。事故に注意するとともに、部屋に原状回復が困難な傷をつけないように対策を。
内緒でペットを飼ったときのリスク
ペットの飼育が認められていない物件で家主に無断でペットを飼う行為は、契約違反に該当します。即時、契約を解除されたり、多額の修繕費用を請求されたりする可能性があるため、絶対に避けましょう。
賃貸物件には、一般的に退去勧告に6ヶ月ほどの猶予がありますが、ペット飼育による違反があればその限りではありません。

物件情報に「ペット可」と書いてあっても、どんな動物の飼育も許されるわけではありません。無用なトラブルを避けるため、入居前には飼育するペットの種類や大きさ、鳴き声の有無などを伝えておくことが大切です。賃貸物件の中には、ペットと暮らすことを前提とした「ペット共生住宅」もあります。数は少ないですが、ペット共生住宅であれば家主や隣人に気を遣うことなくペットとの暮らしを満喫できます。ペット好きな方は選択肢の1つとしてみましょう。
まとめ
賃貸住宅で一人暮らしをしている方がペットを飼うには、まず家主がペットの飼育を認めている必要があります。これから賃貸物件を探す方は、物件情報サイトで「ペット可」の項目にチェックを入れて検索をかけてみましょう。ペット不可の物件でも、熱帯魚やハムスター程度の小動物であれば、飼育が認められるケースもあります。
一人暮らしで飼育するペットが頼れるのは、あなただけです。ペットを飼育する前には「大切な命を預かる」ことを認識し、ペットにとっても快適な環境を用意してあげましょう。
監修者プロフィール

- 亀梨 奈美
- 株式会社real wave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年に株式会社real wave設立。不動産全国紙の記者として、不動産会社や専門家への取材多数。
「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに執筆している。