住まいのコラム
同棲前の親へのあいさつは必要?
服装・手土産のポイントや注意点
最終更新日:
- 高野 友樹
- 公認不動産コンサルティングマスター/相続対策専門士/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
- 同棲前に親にあいさつしたほうがよい?
- 同棲を始めるときは、相手の両親にあいさつをするのがおすすめです。経験者の話を聞いても、「あいさつをしておいてよかった」「会いに行くことはしなかったけれど、今思えばあいさつするべきだった」と考える人が多くいます。あいさつしないまま同棲を始めてしまうと、親に同棲を隠すような流れになってしまいます。
好きな人と同棲を始めるとき、物件探しや引越し以外に問題となるのが、親へのあいさつです。同棲の場合、そもそも親にはあいさつをすべきなのか、するとすればどのような形で行えばよいのかなど、疑問に思う人も多いでしょう。
この記事では、同棲前の親へのあいさつについて解説します。
目次
同棲前、親にあいさつはした? 実際の声
同棲経験のある20代~30代の男女406人にアンケートを行ったところ、同棲前に親へのあいさつをしたという人は62.1%と半数以上にのぼりました。
※対象者:全国の同棲経験のある20代~60代男女654人 調査時期:2024年1月
アンケートで聞いた 同棲する前に親へのあいさつはした?
- あいさつをした…62.1%
- あいさつはしなかった…37.9%
同棲前に親にあいさつをするメリットとは?
そもそも、同棲前に親へのあいさつはしたほうがよいのでしょうか。あまり気が進まないという人もいるかもしれませんが、同棲前にあいさつしておくことには、下記のようなメリットがあります。
<同棲前に挨拶するメリット>
・お互いの親との信頼関係を作れる
・安心感を与えられる
・理解を得られれば堂々と同棲できる
・困ったときに相談でき、サポートも期待できる
・結婚までの流れがスムーズになる
親にしっかりとあいさつすることで安心感を与えられれば、堂々と同棲生活を始められます。今後、病気やケガ、もしくは妊娠など、何かあったときには相談したり、助けてもらったりすることもできるでしょう。また、結婚するとなったときに、スムーズに認めてもらえる可能性も高くなります。
反対に、同棲を隠していると、いざ結婚となったときに難色を示されることも考えられます。少しずつでも信頼関係を築いておけば、結婚後の生活も円滑なものになるはずです。
ここで、同棲前にあいさつをした人たちの実際の声を見てみましょう。
アンケートで聞いた 同棲前に親にあいさつをして良かった?良くなかった?
- 回答者の声
- あいさつをしたことで自分が今どんな状況にあるかを親に伝えることができたし、気軽に実家に出かけることもできるようになった。20代/女性
- 安心感を与えることがたし、結婚式の段取りや新婚旅行の際も協力をしてもらえた20代/男性
- 事前にあいさつをしに行ったおかげで10年近く経った今でも深く交流が続いている。30代/男性
- 長い付き合いになるし、最初に関係を築くことが大事。20代/男性
- いろいろと詮索されるような質問が多く嫌気がさしてしまった。30代/男性
- あいさつが遅れてしまったので、そもそも第一印象が悪かったみたいです。30代/男性
同棲前の親へのあいさつのタイミングと方法
同棲前のあいさつを成功させるためには、あいさつのタイミングと方法を間違えないようにすることが大切です。下記のポイントに注意して、あいさつの準備を進めましょう。
物件を探し始める前にあいさつする
同棲について親に伝える際、物件を探して決めた後ではなく、物件探しの前にあいさつをして計画を伝えると、親を安心させることができます。
事後報告になると親が不安や驚きを感じることがあるため、早めの報告がおすすめです。
直接会えない場合は手紙や電話で
同棲のあいさつは、直接顔を合わせて伝えるのが基本です。しかし、遠方に住んでいるなどの理由で直接会うのが難しい場合は、代わりの手段として、手紙を書くのもひとつの方法です。メールやLINEという方法もありますが、手書きの手紙のほうが真摯な気持ちが伝わりやすくなります。
また、電話やビデオ通話も、直接のやりとりができるので悪くない方法です。親の性格なども考えて、最適な方法を選んでください。
賃貸物件によっては、連帯保証人が必要なケースがあります。家賃保証会社を利用すると連帯保証人が不要になることはありますが、その場合でも、通常は緊急連絡先が必要です。若いカップルの場合、連帯保証人や緊急連絡先を両親に依頼するケースが多いため、遅かれ早かれ、同棲の事実が発覚する可能性が高いでしょう。入居手続き中にもめないためにも、早めに報告しておくことをおすすめします。
同棲のあいさつへ行くときの服装
同棲のあいさつにはどのような服装で行くべきか、迷う人は多いのではないでしょうか。服装で気をつけたいポイントを男女別に紹介します。
女性の服装のポイント
女性が彼の家にあいさつに行くときは、誠実で上品な印象を与える服装を選ぶとよいでしょう。ブラウスにスカートやパンツ、落ち着いたワンピースなどがおすすめです。肌の露出はなるべく控えて、素足ではなくストッキングを着用します。
アクセサリーも派手なものを避けて、ブランド品を強調しないのが無難です。ネイルや化粧もナチュラルが基本で、香水はきつすぎないように気をつけます。
男性の服装のポイント
男性が彼女の家にあいさつに行くときは、清潔で誠実な印象を与える服装を選ぶとよいでしょう。少し堅苦しいように思えても、スーツは最も無難な選択肢です。それ以外を選ぶ場合でも、テーラードジャケットを羽織るなどして、スマートカジュアルな服装を心掛けます。
アクセサリーは外し、香水をつけるならさりげない香りで、相手が不快に感じないようにします。
服装だけでなく、男性はひげの剃り残しなど細かいところにも注意を払いましょう。寝癖がついていないか注意して、髪も整えることで、清潔感のある印象を与えることができます。スーツやジャケットで行く場合には、シャツのシワに注意して、靴も磨いていくなど、細部への注意が好印象につながります。
同棲のあいさつの手土産はどうする?
同棲のあいさつで家に訪問する際には、手土産を渡すのが一般的です。好印象につながる手土産の選び方や当日の渡し方について説明します。
季節のお菓子や出身地の銘菓がおすすめ
あいさつの手土産におすすめなのは、季節のお菓子、もしくは出身地の銘菓です。季節のお菓子は手土産として無難で、甘いものかしょっぱいものか、親の好みに合ったものを選べば失敗がありません。
出身地の銘菓は、出身地の話で会話がはずむきっかけにもなるのでおすすめです。いずれの場合も、食べるタイミングを制限しない、賞味期限が長いものを選ぶとよいでしょう。
手土産の予算
手土産の金額については、無理に高いものを選ぶ必要はありません。予算は3000円程度が適切です。あくまで気持ちを伝えるものなので、相手に気を使わせない範囲の予算で選びます。
「御挨拶」ののしを付ける
手土産を渡す際、状況に応じて「のし」をつけてもよいでしょう。必須ではありませんが、のしをつけることで、より丁寧な印象を与えられます。のしを付けたい場合は、「内のし」の「蝶結び」を選び、表書きは「御挨拶」とすればよいでしょう。
手土産に何を用意したらいいか分からない、という人も多いと思います。同棲相手と自分の両親の年齢が近いのであれば、自分の両親に相談してみるものもひとつの方法です。もしくは、職場の先輩や上司など、親世代の人に意見を聞いてみると、実際のイメージがつきやすくなります。
同棲のあいさつの日程は1ヵ月前を目処に打診
同棲のあいさつに伺う日程の提案は、直前にならないように注意が必要です。1ヵ月前を目安に打診します。この程度の期間があれば、相手側も準備しやすくなります。
「同棲を始めたいと思っている。そのためのあいさつをしたい」ということについては、事前にそれぞれの親に伝えておいたほうがスムーズです。まえもって意向を伝えておけば、相手の気持ちの準備を促すことにもつながります。
また、あいさつは昼食や夕食の時間帯を避けるのが一般的です。14~15時くらいに訪問できれば、ちょうどよいでしょう。ただし、相手の都合を優先すべきなので、都合のいい日時についてまずは相談します。
なお、カップルの2人のうち、どちらの親へ先にあいさつするかは、特に決まりはありません。迷ったら、結婚のあいさつのときの一般的な順番にならい、まず女性側の親の許可を得てから、男性側の親にあいさつに行くのもひとつの方法です。
同棲のあいさつの当日の流れ
同棲のあいさつの当日の流れを、具体的に紹介します。当日の流れを事前にチェックしておけば、緊張感もやわらいで、スムーズなあいさつができるでしょう。大切なのは、計画性があり、しっかりとした考えを持っていることを伝えて、親に安心してもらうことです。
1. 玄関であいさつ
同棲のあいさつ当日の流れとして、まずは約束の時間に遅れないのが鉄則です。
家に到着したら、まずは玄関であいさつをします。玄関での第一印象はとても大切です。顔を合わせたら礼儀正しく、明るくあいさつをしましょう。
セリフとしては「こんにちは、◯◯と申します。今日はお時間をいただき、ありがとうございます」など、簡潔に伝えればOKです。時間を割いてもらったことへのお礼を述べながら、最初のコミュニケーションをします。家に上がるように促されたら、「失礼いたします」と応じます。靴を脱いだら、きちんとそろえることも忘れずに。
2. 手土産を渡す
部屋に案内されて入ったら、「本日はよろしくお願いいたします」など、あらためてあいさつをします。その後、タイミングをみて手土産を渡します。
手土産を渡す際には、「お好きだとうかがってお持ちしました。お口に合うといいのですが」など、一言添えると好印象です。「こちらは私の出身地の銘菓です」など、簡単な説明を付け加えると、話が弾むきっかけになります。
3. 参加者が席にそろったらお礼をして会話をスタート
参加者がそろったら、「あらためまして本日はお会いいただき、ありがとうございます」と、もう一度お礼を述べます。自己紹介と併せて「◯◯さんとは××を通じて知り合い、◯年前からお付き合いさせていただいております」など、交際について報告をするのがスムーズな流れです。
その後、本題に入ります。たとえば「◯◯さんといっしょに暮らしたいと考えており、ご両親にお許しをいただければと、ごあいさつに参りました」などと切り出します。
気をつけたいのは、「同棲」という言葉は使わず「いっしょに暮らしたい」という表現にする、「お父さん」「お母さん」ではなく「ご両親」と呼ぶようにすることです。一般的には、直接的に同棲という言葉を使われたり、お父さん、お母さんと呼ばれたりすることに、抵抗があるという人が多いためです。
また、結婚を前提にしているのであれば、そのことをしっかり伝えると印象はグッとよくなります。「結婚の準備期間として、いっしょに暮らすことを考えています」と告げれば、納得してもらいやすいかもしれません。
特に女性の親の場合は、結婚についてどう考えているのか気になる場合が多いでしょう。「なぜ同棲期間が必要なのか」と聞かれる可能性もあるので、答えをちゃんと用意しておいてください。
4. 1時間程度を目安に退席する
同棲のあいさつで、あまり長居してしまうのは好ましくありません。相手にも負担を感じさせないよう、1時間程度を目安に訪問を終えましょう。
退席する際は、再度お礼を言うことを忘れないようにします。了承が得られたのであれば、引越しの日にちなどはまたあらためて報告することも伝えておきます。
5. 当日のうちにお礼を伝える
訪問後のフォローも大切です。もしも、訪問したときにあまり上手にコミュニケーションができなかったとしても、当日のうちに電話やメールなどでもう一度お礼を伝えると、好印象につながるはずです。
まとめ
同棲を始めるときは、まえもってそれぞれの両親にあいさつすることをおすすめします。
あいさつに行くのは大変だと感じるかもしれませんが、後々のことを考えれば、親の承諾を得ておいたほうが何かと安心です。パートナーだけでなく、その両親とも信頼関係を築いていくことができるでしょう。
監修者プロフィール
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
不動産会社にて600件以上の仲介、6000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は株式会社高野不動産コンサルティングを設立し、不動産コンサルティングを行う。