住まいのコラム
一人暮らしの水道代の平均は?
1ヵ月の目安と節約のコツを解説
最終更新日:
- 和田 由貴
- 消費生活アドバイザー/環境カウンセラー/省エネ・脱炭素エキスパート/エコピープル/食生活アドバイザー/家電製品アドバイザー
- 一人暮らしの水道代は月いくらくらい?
- 一人暮らしの水道代の全国平均は、1ヵ月あたり2116円です。水道代は2ヵ月に1回請求されるため、1回あたりの請求額が4200円程度なら平均に近い金額といえます。なお、水道代の平均金額は地域によっても差があります。これは、水道代の基本料金や従量料金の単価が自治体ごとに異なるためです。
水道代は、一人暮らしにおいて毎月必ず発生する生活費のひとつです。自宅の水道代が平均と比べて高いのか安いのか、1ヵ月あたりの平均金額が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、一人暮らしの水道代の月額平均や、水道代が高くなる原因を解説します。併せて、効果的な水道代の節約方法も見ていきましょう。
一人暮らしの水道代の月額平均は2116円
総務省の統計情報によると、2022年度の一人暮らしの上下水道代の平均は1ヵ月あたり2116円です。
水道代は2ヵ月に1回請求されるため、1回あたりの請求額が4200円程度であれば、平均に近い金額といえます。
まずは、季節や地域によって、水道代の月額平均に違いがあるのかを見ていきましょう。
出典:総務省統計局「家計調査家計収支編 1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出」
季節別の一人暮らしの水道代の平均
総務省の統計情報によると、季節別の一人暮らしの水道代の平均額は下記のとおりです。
冬場の水道代はほかの季節に比べてわずかに金額が上がりますが、全体的に見て、季節による大きな差がないことがわかります。
■季節別・一人暮らしの水道代の平均
季節 | 一人暮らしの水道代の平均 |
---|---|
春(4~6月) | 2106円 |
夏(7~9月) | 2101円 |
秋(10~12月) | 2156円 |
冬(1~3月) | 2234円 |
出典:総務省統計局「家計調査家計収支編 1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出」をもとに作成
地域別の一人暮らしの水道代の平均
続いて、地域別の一人暮らしの水道代の平均額を見ていきましょう。一人暮らしの水道代の平均額が最も高いのは北海道・東北地方で、最も安いのは近畿地方です。その差は682円となっています。都市の規模が大きいほど、水道代の平均額が安いこともわかります。
■地域別・一人暮らしの水道代の平均
エリア | 一人暮らしの水道代の平均 |
---|---|
全国 | 2116円 |
大都市 | 1801円 |
中都市 | 2328円 |
小都市・町村 | 2452円 |
北海道・東北 | 2572円 |
関東 | 1980円 |
北陸・東海 | 2190円 |
近畿 | 1890円 |
中国・四国 | 2256円 |
九州・沖縄 | 2264円 |
出典:総務省統計局「家計調査家計収支編 1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出」をもとに作成
同じ一人暮らし世帯でも水道代の平均額に差が生じるのは、市町村の水道局によって料金体系や支払方法が異なり、基本料金や従量料金の単価も変わってくるためです。また、水源からの距離なども水道代に影響します。
水道代は地域差が大きい公共料金です。全国で1ヵ月の水道代が最も安い市区町村と、高い市区町村では、約8倍もの料金格差があります。そこまで差はなくとも、隣接する自治体と比べて料金が倍近く違うことがありえます。近年では、設備の老朽化等で水道料金を値上げする自治体が増えています。転居の際は、転居先の水道代の目安についても確認しておくとよいでしょう。
一人暮らしの水道代はどう決まる?高くなる原因となるものは?
水道は、民間企業ではなく市町村などの自治体が管理しており、住む地域によって料金体系が異なります。
たとえば、東京都水道局は水道メーターの口径の大きさによって基本料金が決まります。この基本料金と、水の使用量に応じて決まる従量料金を合算して、水道代を算出するのです。
ほかの地域も、基本料金と使用量に応じて水道代が算出されますが、基本料金や従量料金の単価は自治体によって異なります。
一人暮らしの水道代の平均額に比べて、自宅の水道代が高いと感じる人もいるかもしれません。そこで、一人暮らしの水道代が高くなる原因を見ていきます。
水道代が一番かかるのはお風呂
日常生活の中でも、どのシーンでどのくらいの水道代がかかっているのかを踏まえて水の使い方を改善することで、節水・節約につながります。
一般家庭において、ひと月あたりの水道代が最もかかるのはお風呂です。水の使い方ごとの1回あたりの使用量と、水道代の目安を下記で確認してみましょう。
お風呂を毎日もしくは週に数回溜めている場合や、洗濯の頻度が多い場合には、平均よりも水道代が高くなるといえます。
■水の使い方別・水道代の目安
使い方 | 使用量 | 水道代 |
---|---|---|
お風呂(湯船にお湯を溜める) | 1回あたり約180L | 43.2円 |
洗濯 | 1回あたり約100L | 24円 |
洗面・手洗い | 1回(1分間)あたり約12L | 2.88円 |
歯磨き | 1回(30秒間)あたり約6L | 1.44円 |
食器洗い | 1回(5分間)あたり約60L | 14.4円 |
シャワー | 1回(3分間)あたり約36L | 8.64円 |
※1Lあたり0.24円で計算。洗面・手洗い、歯磨き、食器洗い、シャワーは、それぞれの時間水を出しっぱなしにした場合の使用量。
湯船にお湯を溜めるのとシャワー、どちらが安い?
入浴の際、湯船にお湯を溜めるのと、シャワーだけですますのでは、どちらのほうが水道代を抑えられるのでしょうか。
東京都水道局の調査による、水の使い方別の1回あたりの水道使用量をもとに計算すると、毎日湯船にお湯を溜めた場合、1ヵ月あたり約1296円かかります。加えて、シャワーも一定時間(1回6分程度で計算)使うことを考えると、約500円追加となり、計1800円程度です。
一方、シャワーだけで済ませると、1ヵ月あたりの水道代は約1036円です(1日12分間使用した場合で計算)。一人暮らしの入浴は、シャワーですましたほうが、月あたり約800円の節約になることがわかります。
1ヵ月の一人暮らしの水道代シミュレーション
一人暮らしの水道代について、1ヵ月あたりの金額をシミュレーションしてみましょう。「毎日湯船にお湯を溜めてシャワーも使う」場合と、「週に2回湯船にお湯を溜めて、週に5回シャワーを使う」場合に分けてシミュレーションします。
■一人暮らしの水道代シミュレーション(毎日湯船にお湯を溜めてシャワーも使う場合)
使い方 | 1ヵ月あたりの水道代 |
---|---|
風呂(毎日湯船にお湯を溜める) | 1296円 |
シャワー(毎日6分使用) | 518.4円 |
洗濯(2日に1回) | 360円 |
洗面・手洗い(1日2回) | 172.8円 |
歯磨き(1日3回) | 129.6円 |
食器洗い(毎日5分使用) | 432円 |
1ヵ月あたりの水道代 | 2908.8円 |
毎日湯船にお湯を溜めてシャワーも使う場合は水の使用量が多く、1ヵ月あたりの水道代は約2909円となりました。全国平均である2116円から約800円高くなっています。
■一人暮らしの水道代シミュレーション(湯船にお湯を溜めるのを週2回程度にした場合)
使い方 | 1ヵ月あたりの水道代 |
---|---|
風呂(週に2回程度) | 345.6円 |
シャワー(週に5回程度、1回あたり12分使用) | 760.3円 |
洗濯(2日に1回) | 360円 |
洗面・手洗い(1日2回) | 172.8円 |
歯磨き(1日3回) | 129.6円 |
食器洗い(毎日5分使用) | 432円 |
1ヵ月あたりの水道代 | 2200.3円 |
湯船にお湯を溜める日数を週2回程度に減らして、シャワーだけですませる日を週5回程度にすると、1ヵ月あたりの水道代は約2200円となりました。毎日湯船にお湯を溜める場合と比べて、約700円の節約効果があることがわかります。
一人暮らしの部屋で、小さめのバスタブであれば、浴槽一杯は160L程度。シャワー13分程度の使用と同等の水量です。これよりもシャワーの使用時間が短ければ、浴槽に湯を溜めるよりも安いことになります。冬は体を温めるのに時間がかかりますので、冬は浴槽入浴、夏はシャワーのみなど、季節に合わせて変えるのもよいでしょう。
一人暮らしの水道代を節約する方法
湯船にお湯を溜める回数を減らす以外にも、一人暮らしの水道代を節約するコツがあります。ここでは、水道代の節約方法を、7つのポイントに分けて紹介します。
節水できるシャワーヘッドに交換
節水効果のあるシャワーヘッドは、通常のシャワーヘッドよりも水の使用量を30~50%抑えられるといわれています。水が細かく噴射されるのが特徴で、水圧は落ちたように感じることもありますが、大きな不便はないでしょう。今までどおりにシャワーを使いながら、ストレスなく節水ができます。
風呂の水位を下げる
湯船に浸かる日はお湯を浴槽一杯に溜めるのではなく、水位を少し下げることで、節水・節約になります。
たとえば、容量が200Lの浴槽に溜めるお湯を170Lにすれば、30Lの節水(1回あたり約7.2円の節約)ができます。
シャワーや水道を出しっぱなしにしない
シャワーや水道を使う際は、水を出しっぱなしにしないように意識することも大切です。歯を磨くときや体・髪を洗うとき、食器をスポンジで洗うときなど、こまめに水を止めることを習慣付けましょう。
給湯時のお湯になるまでの水は溜めて使う
お風呂で給湯するとき、お湯になるまでに出る水はそのまま流さず、洗面器などに溜めておき、有効活用するのもひとつの方法です。より無駄なく水を使えるようになります。
調理器具の油汚れは拭き取ってから洗う
食器類は、汚れが少ないものから多いものの順で洗います。汚れの多い食器から洗うと、汚れの付いたスポンジを何度も洗うことになり、水の使用量も増えてしまうためです。
また、フライパンや鍋などの調理器具を洗う際は、油などによる汚れをキッチンペーパーなどで拭き取ってから洗うようにすると、水の使用量を抑えられます。
水道代の支払い方法を変更する
水道代の支払い方法を変えることで節約できたり、お得な特典を受けられたりする可能性があります。
・口座振替にすると割引あり
地域によっては、口座振替を利用すると水道代の割引を受けられます。たとえば東京都の場合、口座振替で支払うと毎月50円の値引きです。
銀行によっては水道代をはじめ、電気代やガス代などの公共料金を預金口座から引き落とすように設定することでポイントを獲得できたり、ATMの時間外手数料が無料になったりする特典もあります。
・クレジットカード払いでポイントを貯める
地域によっては、水道代をクレジットカードで支払うことが可能です。クレジットカード払いは、還元率に応じたクレジットカードのポイントが貯まる点が魅力です。毎月必ず発生する固定費で、ポイントを貯めておくのもよいでしょう。
縦型洗濯機をドラム式洗濯機にかえる
洗濯機には縦型とドラム式がありますが、節水に向いているのはドラム式です。洗濯時間は縦型よりも多少長くなりますが、水の使用量を大きく抑えられます。
なお、ドラム式洗濯機は価格が高めのため、縦型洗濯機がちょうど故障してしまった、古くなったなど、買い換えるタイミングに検討するのがおすすめです。初期費用はかかりますが、長い目で見ればコストパフォーマンス良く使うことができます。
水を流しっぱなしにしないで、こまめに止めるのが節水の基本です。髪や体を洗っている最中にシャワーを止める、歯を磨くときはコップに水を汲んで使う、食器洗いはすすぎの時だけ水を流すなど、当たり前のことのようですが、細かく意識して行えば大きな効果があります。日頃の習慣から見直してみましょう。
まとめ
毎日何気なく使っている水道ですが、少し使い方を見直すだけでも、節水・節約効果が期待できます。一人暮らしで水道代が高いと感じた場合は、日常的に水を使うシーンを振り返り、節水のためにどのような工夫ができるのかを見直してみましょう。
住んでいる地域の水道局の公式サイトなどを確認し、水道代がお得になる支払い方法がないか確認するのもおすすめです。
併せてチェックしたい、一人暮らしのガスについてはこちらで詳しく解説しています。
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監修者プロフィール
和田 由貴
消費生活アドバイザー、環境カウンセラー、省エネ・脱炭素エキスパート、エコピープル、食生活アドバイザー、家電製品アドバイザー
食費・光熱費・交通費・レジャー費など生活全般の節約、エコライフ、買い物、100円ショップなどを専門分野に、暮らしや家事の専門家としてメディアなど多方面で活動。