住まいのコラム

一人暮らしで1LDKは広すぎる?
男女別レイアウトのポイントとは

最終更新日:

監修者
亀梨 奈美
不動産ジャーナリスト/株式会社real wave代表取締役
一人暮らしで1LDKは適している?
1LDKの部屋は30〜40m²であることが多いようです。国土交通省では、単身世帯が健康で文化的な住生活の基礎として不可欠な住宅の面積に関する水準を「25m²」と定めています。一方、豊かな住生活の実現を前提とした場合に必要とされる面積は「40m²」とされていることから、1LDKは一人暮らしにとって適した広さであると考えられます。

1つの居室とLDKで構成される「1LDK」は、広さも十分で生活にメリハリも出ることから、単身者に人気があります。

しかし、ワンルームや1DK、1Kの部屋と比べて広い分、家賃も上がりがち。「家賃が上がってまで1LDKの広さを求める必要があるのか?」と思う人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、1LDKの広さと一人暮らしに必要とされている広さについて解説します。男女別に1LDKのレイアウトのポイントもご紹介するので参考にしてみてください。

1LDKってどれくらい?一人暮らしに必要な広さとは

1LDKとは、どのような間取りで、どれくらいの広さなのでしょうか。具体的な数字で見ていきましょう。

1LDKとは?

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会によると「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」の広さは、居室が1部屋であれば8畳以上が目安です。つまり、1LDKと表記された間取りは、1部屋の居室と8畳前後を上回るLDKで構成された間取りとなります。

キッチンやダイニングがこれ以下の広さの場合は、1LDKではなく「1DK」という表記になるのが一般的です。ちなみに居室が1部屋の場合のDKの目安は、4.5畳。これ以下の場合は一般的に「1K」という表記になります。

1LDKとは?間取りの特徴や1DKとの違い、選び方のポイントを解説

一人暮らしに必要な広さ

国土交通省では、単身世帯が健康で文化的な住生活の基礎として不可欠な住宅の面積に関する水準を「25m²」と定めています。豊かな住生活の実現を前提とした場合に必要とされる面積は「40m²」です。

では、1LDKはその水準に当てはまっているのでしょうか。
1LDKは、8畳以上のLDKと1つの居室で構成される間取りを指すのが一般的です。8畳は約14.6m²、一般的に、居室の広さは「4.5畳=約8.2m²」以上。水回りスペースや廊下、収納、玄関などその他のスペースも「4.5畳=約8.2m²」ほどと仮定すると、1LDKあれば30m²ほどは確保できる計算です。

実際に物件情報をみると、1LDKの部屋は30〜40m²であることが多いようです。一人暮らしに必要とされる広さを確保でき、かつ決して広すぎるということもありません。

1LDKの住まいは基本的に一人暮らしにとってちょうど良い広さと考えられますが、同じ1LDKであっても30m²を下回る物件もあれば、40m²を上回る物件もあります。また、部屋の広さの印象は、天井高や眺望、建具や壁紙の色などによっても変わってくるものです。物件選びの際には、机上でわかる物件情報だけでなく、実際に内見して広さを体感するようにしましょう。

一人暮らしで1LDKの物件に住むメリット

前述したように、1LDKは一人暮らしに十分な広さを確保できる物件です。
加え、「スペースが仕切られている」というのも1LDKの部屋のメリットでしょう。

1LDKは、居室とリビング・ダイニング・キッチンが仕切られています。「リビング・ダイニングは食事や仕事をする場所」「居室は寝たり趣味を楽しんだりする部屋」とスペースの用途を分けることで気持ちの切り替えがしやすくなり、メリハリのある暮らしができるでしょう。ワンルームや1Kにはないメリットといえます。

一人暮らしで1LDKの物件に住むデメリット

1LDKは、一人暮らしの方が十分な広さを確保しやすい一方で、広いからこそのデメリットもあります。

まず、1LDKの部屋は、1Rや1K、1LDKと比べると家賃が高額です。住まいに広さは求めたいところですが、予算とのバランスも考える必要があるでしょう。

また、住まいが広ければ広いほど、光熱費は高くなり、掃除の手間も増えます。自分にとって過剰な広さであれば、生活を送るうえで無駄な費用や労力が発生しかねません。

「住まいの適切な広さ」は、住む方のライフスタイルや好みなどによって異なります。近年では、ミニマリストを対象としたコンパクトな賃貸住宅も見られます。一方、テレワーク中心の方であれば、2部屋以上ある広々したお部屋のほうが生活にメリハリが出ることもあるでしょう。国土交通省の基準や先入観にとらわれることなく、実際の暮らしのイメージをしてみて、自分とって必要な広さがどれくらいなのか考えてみましょう。

一人暮らし男子必見!1LDKを上手にレイアウトするコツ

ここからは、1LDKをレイアウトするポイントを見ていきましょう。まずは、男性におすすめなスタイルや1LDKをうまく活用するコツを紹介します。

こだわりを感じさせる、男性におすすめのスタイル3選

1LDKは、1Rや1DK、1Kの部屋と比べてスペースにゆとりがあります。この点はメリットですが、広いとごちゃごちゃした印象が出やすいという欠点もあります。

広いお部屋もスタイリッシュに見せるには、まず「スタイル」を決めてレイアウトすることが大切です。

ブルックリンスタイル

ブルックリンスタイルとは、ニューヨークの中でもローカルな雰囲気漂うブルックリンを彷彿とさせるスタイルで、男性から人気があります。

ポイントは、革やスチールなど異なる素材をバランス良く組み合わせることです。レンガ調の壁紙に、ヴィンテージ感のある革製のソファーやスチール製の家具を組み合わせ、一角にギターを置く……このようなイメージ。英字のポスターやバーカウンターなどとも相性抜群です。

賃貸住宅では壁紙を自由に変えたり、家具を造りつけることはできませんが、剥がせる壁紙や置くだけの家具でも、ブルックリンスタイルは十分演出できます。

北欧風

北欧風は、ヨーロッパ北部の寒い地方が発祥のインテリアスタイルです。

温かみのある自然素材を中心に、シンプルな中にも黄色や赤といったビビットな色をアクセントとして使うのが、コーディネートのコツ。全体的にナチュラルなテイストのため、ダークカラーやワイルドな印象が苦手な人におすすめなスタイルです。

家具や雑貨を選ぶコツは、基本的に主張が強くない形状や色のものを選ぶこと。
ただし、アクセントとなるクッションや照明・絵画・オブジェなどに関しては、ちょっと冒険してみましょう。クセのないナチュラルなテイストの中で際立つ個性が魅力のスタイルです。

ジャパニーズモダン・ジャパンディ

1LDKの居室が和室の賃貸住宅も少なくありません。

和室だと「古臭い」「おしゃれじゃない」といった印象を持つかもしれませんが、近年は、和室のヴィンテージ感を逆手にとって、モダンの要素を取り入れながらおしゃれに見せる「ジャパニーズモダン」スタイルも人気です。和の要素に北欧風のインテリアやエッセンスを取り入れた「ジャパンディ」は、世界的にも注目されているスタイルです。

「和」のテイストが強いお部屋をおしゃれに見せるコツは、インテリアにも和のテイストを入れることです。
たとえば、藤(とう)を使ったソファやベッドは、自然な暖かさを感じられることから和室にもピッタリ。柄物の家具も、シンプルな和室で映えます。

また、和室はクラシカルなデスクや椅子とも相性抜群です。ジャパンディスタイルに寄せるなら、家具や雑貨をアースカラーで統一するのがポイントです。深い緑や茶色・ベージュは、心を落ち着かせる効果にも期待できます。

ダイニングテーブルはなくてもよい?限られた空間を広く見せるコツ

LDKにダイニングテーブルを置きたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、ソファーも置きたい、ローテーブルも置きたい、テレビも置きたい……となると、ダイニングテーブルまで置くと窮屈になってしまう可能性があります。広さにもよりますが、LDKとして最低限度である8畳ほどであれば、このすべてを置くのではなく、取捨選択したほうがすっきり見えるはずです。

たとえば、ダイニングテーブルとローテーブルを兼用したり、キッチンカウンターがある場合はそれをダイニングテーブルとしたり。置きたいものがたくさん出てくるお気持ちはわかりますが、部屋の「余白」も重視することでこなれ感が演出できます。

ワークスペースを設ければ生活にメリハリが出る

せっかくの1LDKなら、居室だけでなくLDKのインテリアや使い方にもこだわりたいところ。LDKが広めであれば、ダイニングテーブルやソファーを置くだけでなく、ワークスペースを設けるのもおすすめです。
基本的にテレワークの人は、ワークスペースをつくることでプライベートとのメリハリをつけやすくなるでしょう。

コロナ禍を経て、暮らし方、働き方は多様化しています。居室やLDKの使い方にルールはありません。筋トレルーム・オタ活部屋・バースペース……居室やLDKの使い方は自由自在です。

一人暮らし女子注目!1LDKをおしゃれにレイアウトするポイント

続いては、1LDKに住む一人暮らし女子向けのレイアウトテクニックを紹介します。

3色使いでおしゃれ&統一感のある空間に

「あれも置きたい」「これも置きたい」と、つい目移りしてしまう女性は多いはず。ただ、好みだけで家具や雑貨を選んでしまうと、いざ実際に部屋に配置してみるとチグハグに感じたり、統一感がない印象になってしまったりするおそれがあります。

このような事態を避けるには、色を限定するのがおすすめ。具体的には「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色を基本に家具や雑貨を選ぶことで、ごちゃごちゃした印象になってしまうことを避けられます。

割合的には「ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=7:2:1」ほどがちょうどよい塩梅です。アクセントカラーが好きだからといって比率を多めにしてしまうと、やはりごちゃごちゃした印象になってしまいがちです。このルールを守るだけで、カラーやコーディネートの専門知識がなくても、おしゃれで統一感のある部屋に見せることができます。

低い家具中心にするとLDKが広く見える

1LDKとはいっても「8畳のLDKと4.5畳の居室」など、広めのワンルームと変わらない広さのお部屋もあります。

コンパクトな1LDKを広く見せるコツは、低めの家具を中心にコーディネートすること。ラックなど、高さがあれば収納力は豊富ですが、高さのある家具は目線が上下に動いてしまうため、空間に広がりが感じられず、部屋を狭く見せてしまいます。

居室は自分だけのお城!「好き」を形に

女子にとって、一人暮らしの部屋は自分のお城です。部屋の統一感を出すコツ、広く見せるコツはあれど、一番大事なのは自分の「好き」を形にすることです。推し活のスペースがあっても、メイクスペースが広すぎても、洋服で部屋が溢れていても、誰からも文句は言われません。

1LDKであれば、居室だけを自分の「好き」を盛り込んだスペースにすることも可能。これも「メリハリ」のひとつです。

まとめ

1LDKは30〜40m²程度であることが多く、一人暮らしする方にとって決して広すぎるということはありません。とはいえ、1Rや1DK・1Kの部屋を比較するとやはり広め。レイアウトするときは、先にスタイルやカラーを決めることで統一感が生まれ、洗練された印象が出やすくなります。

監修者プロフィール 亀梨 奈美 株式会社real wave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年に株式会社real wave設立。不動産全国紙の記者として、不動産会社や専門家への取材多数。
「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに執筆している。

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