住まいのコラム

東京23区の家賃相場が安いエリアは?
安い賃貸の特徴と探し方を解説

最終更新日:

監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士/宅地建物取引士/日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)/相続診断士/J-REC公認不動産コンサルタント
東京で家賃の安いエリアはどこ?
東京23区内では練馬区、板橋区、足立区、北区などの城北地区、江戸川区、葛飾区、墨田区などの城東地区が、比較的家賃の安いエリアです。一人暮らし向けなら都心からすぐの駅でも意外と安い物件が見つかります。ファミリー向けなら都心からやや離れたベッドタウンも検討してみると、広さと安さのバランスがとれます。

東京23区内は家賃が高いイメージがありますが、エリアを選べば、23区内でも安いアパートやマンションを見つけることができます。どの区の、どの駅なら家賃が安く抑えられて、暮らしやすく快適な環境という条件もクリアできるのでしょうか。
この記事では、一人暮らしからファミリー向けまで、東京の家賃相場が安いおすすめのエリアを紹介します。併せて、家賃が安い物件の特徴や、安い物件探しのコツについても見ていきましょう。

東京23区で家賃の安いエリアランキング(一人暮らし向け物件)

一人暮らし向けのワンルームと1K・1DKの部屋(アパート)について、東京23区内で家賃相場が安いエリアのランキングベスト10を紹介します。上位エリア内のおすすめ駅も見ていきましょう。

■ワンルーム物件の家賃が安いエリアランキング(東京23区)

1位 練馬区 5.7万円
2位 板橋区 5.7万円
3位 北区 5.8万円
4位 足立区 5.8万円
5位 江戸川区 5.8万円
6位 葛飾区 5.8万円
7位 中野区 5.9万円
8位 杉並区 5.9万円
9位 墨田区 6.0万円
10位 文京区 6.2万円

■1K・1DK物件の家賃が安いエリアランキング(東京23区)

1位 江戸川区 6.2万円
2位 足立区 6.3万円
3位 葛飾区 6.4万円
4位 板橋区 6.4万円
5位 練馬区 6.7万円
6位 墨田区 6.8万円
7位 北区 6.8万円
8位 杉並区 6.8万円
9位 中野区 6.9万円
10位 世田谷区 7.0万円

※2023年7月末時点「goo住宅・不動産」掲載の賃貸アパートの家賃相場より

練馬区のおすすめ駅:石神井公園駅、練馬駅

東京23区の西北部に位置する練馬区は、自然豊かなベッドタウンとして知られています。

石神井公園駅は、西武池袋線の急行に乗れば池袋駅へ約15分の距離。ワンルームで約5.8万円、1K・1DKで約6.5万円が家賃相場です。大きな公園がありファミリー層に人気ですが、スーパーやコンビニ、飲食店が充実していて、一人暮らしにも住みやすい街です。

練馬駅は西武有楽町線・池袋線・豊島線と、都営大江戸線の4路線が乗り入れていて、西武有楽町線は東京メトロ有楽町線・副都心線に直通するため、都心に出るのに便利。ワンルームで約5.6万円、1K・1DKで約6.8万円が家賃相場です。駅から少し離れると閑静な住宅地で、静かさや安全性の高さも魅力です。

板橋区のおすすめ駅:下赤塚駅・地下鉄赤塚駅、下板橋駅

板橋区は東京23区の北西部に位置し、大規模団地やマンションが多いベッドタウンです。

下赤塚駅と地下鉄赤塚駅は徒歩2分程の位置に隣接していて、下赤塚駅からは東武東上線、地下鉄赤塚駅からは東京メトロ有楽町線と副都心線を使えるのが魅力。ワンルームで約5.5万円、1K・1DKで約6.7万円が家賃相場です。スーパーや飲食店が駅周辺に集まり、ドラッグストアも多め。商店街には昭和の雰囲気を残すお店もあります。

下板橋駅は、東武東上線で池袋駅からわずか2駅。JR埼京線の板橋駅と都営地下鉄三田線の新板橋駅も徒歩で行ける距離です。都心近くでありながら、ワンルームで約6.1万円、1K・1DKで約7.5万円が家賃相場。閑静な住宅地が広がるエリアです。

中野区のおすすめ駅:野方駅、中野坂上駅

中野区は東京23区の西寄りに位置し、商店街、住宅街、ビジネス街が共存する区です。

野方駅は、西武新宿線に乗って西武新宿駅まで約17分、高田馬場駅まで約14分でアクセスできます。各駅停車のみ停車するためか家賃は割安で、ワンルームで約5.5万円、1K・1DKで約6.7万円が相場です。商店街は賑やかで飲食店も多め。環七通りが近く、車移動も便利です。

中野坂上駅は、東京メトロ丸ノ内線に乗ると、新宿駅までわずか3分。都営地下鉄大江戸線も使えます。西新宿駅の隣で、ワンルームで約6.1万円、1K・1DKで約7.5万円が家賃相場。駅周辺はビジネス街ですが、スーパーもあって一人暮らしに向いています。

東京23区で家賃の安いエリアランキング(カップル・夫婦向け物件)

カップル・夫婦向けの1LDK・2K・2DKの部屋(マンション)について、東京23区内で家賃相場が安いエリアのランキングベスト10を紹介します。上位エリア内のおすすめ駅も見ていきましょう

■1LDK・2K・2DK物件の家賃が安いエリアランキング(東京23区)

1位 江戸川区 8.5万円
2位 葛飾区 8.9万円
3位 足立区 9.3万円
4位 墨田区 11.0万円
5位 板橋区 11.1万円
6位 北区 11.1万円
7位 練馬区 11.2万円
8位 大田区 11.2万円
9位 杉並区 11.3万円
10位 豊島区 11.5万円

※2023年7月末時点「goo住宅・不動産」掲載の賃貸マンションの家賃相場より

江戸川区内のおすすめ駅:船堀駅、西葛西駅

東京23区の東端に位置する江戸川区は、複数の川が流れる水と緑に恵まれた区です。

船堀駅は、都営地下鉄新宿線で新宿駅まで約32分で直行できるアクセス環境。1LDK・2K・2DKは約8.1万円が家賃相場です。スーパー、チェーン飲食店、公園が多く、複合施設のタワーホール船堀には映画館も入っています。

西葛西駅は、東京メトロ東西線を使って大手町駅まで約20分でアクセスできるのが魅力。1LDK・2K・2DKは約9.5万円が家賃相場です。スーパー、病院、公園などが多く、バスで少し足を延ばせば、観覧車や水族館のある広大な葛西臨海公園にもアクセスできます。

足立区内のおすすめ駅:西新井駅、北千住駅

足立区は東京23区の北部に位置し、自然豊かで、再開発が進んでいるエリアでもあります。

西新井駅は、東武スカイツリーラインの急行が停車する駅で、上野駅まで約20分でアクセスできます。1LDK・2K・2DKは約8万円が家賃相場。スーパーのほかにショッピングモールや映画館もあります。駅前は整備されて大型マンションが増えているのも特徴です。

北千住駅は、JR常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスと複数路線が乗り入れています。1LDK・2K・2DKは約13.4万円が家賃相場。駅周辺には衣食住に必要な店がそろい、デパートも複数あります。足立区の大学誘致によって学生も増え、活気のある街です。

葛飾区内のおすすめ駅:新小岩駅、金町駅

東京23区の北東部に位置する葛飾区は、荒川などの河川が流れ、下町情緒あふれる区です。

新小岩駅は、JR総武線の各駅停車と快速が利用でき、都心にも千葉や神奈川に行くのにも便利。1LDK・2K・2DKは約8.5万円が家賃相場です。駅周辺に大小のスーパーがあり、商店街や飲食店も充実。病院も多く、暮らしやすい街です。

金町駅はJR常磐線の駅で、徒歩約3分の場所に京成電鉄が利用できる京成金町駅もあります。駅周辺には複数のスーパーがあり、下町らしい情緒がありながら、再開発も進んでいます。家賃も割安で、1LDK・2K・2DKは約7.3万円が相場です。

東京23区で家賃の安いエリアランキング(ファミリー向け物件)

ファミリー向けの2LDK・3K・3DKと、3LDK・4K・4DKの部屋(マンション)について、東京23区内で家賃相場が安いエリアのランキングベスト10を紹介します。上位エリア内のおすすめ駅も見ていきましょう。

■2LDK・3K・3DK物件の家賃が安いエリアランキング(東京23区)

1位 江戸川区 11.6万円
2位 足立区 11.7万円
3位 墨田区 12.0万円
4位 江東区 12.4万円
5位 練馬区 12.8万円
6位 台東区 13.0万円
7位 板橋区 13.0万円
8位 葛飾区 13.3万円
9位 大田区 14.5万円
10位 杉並区 14.5万円

■3LDK・4K・4DK物件の家賃が安いエリアランキング(東京23区)

1位 足立区 13.2万円
2位 江戸川区 14.1万円
3位 板橋区 15.0万円
4位 荒川区 15.6万円
5位 練馬区 15.8万円
6位 中野区 17.0万円
7位 葛飾区 17.0万円
8位 墨田区 18.0万円
9位 北区 18.4万円
10位 大田区 19.6万円

※2023年7月末時点「goo住宅・不動産」掲載の賃貸マンションの家賃相場より

江戸川区内のおすすめ駅:葛西駅、瑞江駅

葛西駅は、東京メトロ東西線の千葉県に近い都内東端にあり、大手町駅や飯田橋駅に出やすい駅です。駅前にスーパーやホームセンターがあり、日常の買い物には困りません。少し足を延ばすとレジャー施設や公園が多いのも利点。2LDK・3K・3DKは約11.3万円、3LDK・4K・4DKは約14.1万円が家賃相場です。

瑞江駅は、都営地下鉄新宿線の荒川と江戸川に挟まれたところにある駅。新宿駅まで約37分で直行できるアクセス環境です。2LDK・3K・3DKの家賃は約12.8万円、3LDK・4K・4DKは約13.2万円が相場。駅周辺に生活に必要なお店が集まっていて、道路も整備されてきれいです。夏は江戸川区花火大会も楽しめます。

板橋区内のおすすめ駅:ときわ台駅、成増駅

ときわ台駅は、東武東上線で池袋駅まで約13分とアクセス良好な駅。駅前にスーパーや飲食店も一通りそろっています。病院が多く、駅から離れると閑静な住宅地で公園もあり、ファミリー層にうれしい環境です。家賃は、2LDK・3K・3DKで約13.5万円、3LDK・4K・4DKで約13万円が相場。

成増駅は、東武東上線の急行を使えば池袋駅まで約12分。東京メトロ有楽町線、副都心線も利用できます。2LDK・3K・3DKは約10.5万円、3LDK・4K・4DKは約17.5万円が家賃相場。スーパーや各種チェーン店がそろっていて、買い物はほぼ駅前で済ませられます。駅近くに図書館があるのも便利。

墨田区内のおすすめ駅:東向島駅、押上駅

東京23区の北東部に位置する墨田区は、下町らしい風景と新しい街並みが共存する区です。

東向島駅は東武スカイツリーライン沿線で、都内へ出るときは浅草駅や北千住駅などで乗り換えが必要です。下町の雰囲気が残り、スーパーやディスカウント店が充実していて物価も比較的安め。2LDK・3K・3DKは約16.5万円、3LDK・4K・4DKは約17.5万円が家賃相場です。

押上駅は、東京メトロ半蔵門線、東武スカイツリーライン、都営地下鉄浅草線、京成押上線の4路線が乗り入れている便利な駅です。街は東京スカイツリーの建設に伴って再開発され、観光スポットとしての側面も。一方で、下町文化も残っています。家賃相場は、2LDK・3K・3DKは約19万円、3LDK・4K・4DKは約18.5万円です。

東京23区の北側に位置する練馬区、板橋区、足立区、北区や、東側に位置する江戸川区、葛飾区、墨田区などが、東京23区内で比較的家賃の安いエリアといえます。これらのエリアに絞って物件を探してみると、予算内の物件が見つかるかもしれません。

東京23区外の家賃が安いおすすめエリア3選

東京23区外のエリアを選べば、さらに家賃の安い賃貸物件の選択肢が広がります。ここでは、都心への交通アクセスが良いおすすめエリアを3つ紹介します。

調布市(調布駅)

東京23区の西、東京都の多摩地域との境目にあるベッドタウン・調布市。

調布駅は京王線と相模原線が乗り入れる駅です。京王線特急を使えば、新宿駅まで乗り換えなしで約20分。駅周辺には、商業施設や商店街がそろっていて、家電量販店や映画館もあります。駅から離れると自然が多いのも魅力です。

家賃相場は、ワンルームで約5.5万円、2LDK・3K・3DKで約12.5万円と、一人暮らしからファミリーまでおすすめできるエリアです。

西東京市(保谷駅)

西東京市は武蔵野台地の中央に位置する市で、2001年に田無市と保谷市が合併して誕生しました。

保谷駅は西武池袋線の駅で、池袋までは約30分でアクセスでき、当駅始発の電車も一部あります。駅周辺にスーパーやコンビニ、病院、図書館などがあり、少し駅から離れると落ち着いた住宅街。自然豊かなファミリー向けの街です。2LDK・3K・3DKは約11.9万円、3LDK・4K・4DKは約12.7万円が家賃相場となっています。

国分寺市(国分寺駅)

東京都の真ん中に位置する国分寺市は、JR中央線・武蔵野線、西武線が縦横に走る市です。

国分寺駅はJR中央線、西武多摩湖線・国分寺線が乗り入れています。新宿駅まで約20分の中央特快が使えて便利。快速でも約30分で新宿に到着できます。駅ビルを含め複数の大型商業施設があって、駅周辺に飲食店も充実しており、安心して住める雰囲気の良い街です。

家賃相場は、ワンルームで約4.5万円、2LDK・3K・3DKで約13万円と、一人暮らしでもファミリーでも暮らしやすいでしょう。

※2023年7月末時点「goo住宅・不動産」掲載の賃貸マンションの家賃相場より

調布駅、保谷駅、国分寺駅の特徴は、家賃は比較的安いものの、生活利便性と交通利便性のどちらも良いことです。駅の周辺には大型商業施設、スーパー、コンビニ、飲食店、商店街などがあり生活しやすく、東京23区内より家賃を安くしながらも、便利に暮らせるためおすすめです。

相場より家賃が安い賃貸物件の特徴・注意点

家賃相場が安い物件を見つけた場合は、慌てて契約してしまう前に、安い理由をチェックすることが大切です。家賃が安い賃貸物件の特徴を把握しておきましょう。

物件が木造アパートである場合、耐震性や断熱性、防音性に劣ることがあるため、一般的に鉄筋コンクリート製や鉄骨造の物件に比べて家賃が安く設定されます。また、築年数が古く、経年劣化が進んでいる場合もあります。
本来はリフォームや修繕の必要があるものの、工事費がかかるため行っておらず、その分、家賃を下げているというケースもあるため注意が必要です。

ほかにも、水回りが不便(シャワーのみなど)、共用設備がある(玄関が共用など)といった場合も、家賃が安くなる傾向があります。

家賃の安さを重視する物件選びのポイント

続いては、家賃の安さを重視する場合において、物件の内見時にチェックしておきたいポイントを紹介します。

なお、時期に縛りがないのであれば、初期費用や家賃交渉がしづらい不動産会社の繁忙期(12月~4月上旬)を避けて物件探しをするとよいでしょう。

原状回復のクリーニングが甘くないか

家賃の安い物件では、原状回復のためのクリーニングが十分に行われていないことがあります。入居前に適切なクリーニングが行われているか確認し、足りない場合は入居前にクリーニングをしてもらえるのか、相談してみるとよいでしょう。

建物が古く、近いうちに取り壊しの可能性がないか

築年数が古い物件は、数年後に取り壊しの予定がある可能性もあります。長く住むつもりなら、契約前に確認が必要です。長く住む予定がないなら、取り壊しが決まっていることで家賃が安くなっている物件をあえて選ぶのもありでしょう。

周辺環境に問題はないか

安い家賃の背景には、騒音問題など周辺環境の問題が潜んでいることもあります。生活音や交通音、近隣施設の騒音などの問題がないかもチェックが必要です。

特殊な間取りの場合は生活動線として問題なさそうか

部屋の形が三角形であったり、柱のでこぼこがあったりするなど、特殊な間取りの物件は利便性の面で課題があり、家賃が安くなっている場合があります。
自分の生活スタイルに合うか、生活に不便はないかなど、生活動線を想定して確認しましょう。

故障している設備がないか

水回りやエアコンなど、主要な設備が適切に機能するかどうかも、念のためチェックしておくと安心です。もし不安な部分があれば、契約前に相談し、修理してもらえるよう依頼しておくことが大切です。

相場よりも家賃が安いのには、多くの場合、その理由があります。建物が古く、耐震性や防音性に問題がある、周辺環境に騒音などのトラブルがある、部屋の間取りや設備に問題があるなど、さまざまな場合が想定されます。どこまでが許容可能か、あらかじめ妥協できるポイントを考えておくとよいでしょう。

まとめ

東京23区内で家賃が安い物件を探すなら、家賃相場の安いエリアについて知り、通勤・通学などの利便性も踏まえて、候補のエリアを絞っていくのがおすすめです。
これまであまりなじみがなかった沿線や駅でも、調べてみると魅力的なポイントが見つかるはず。この記事を参考に、まずは気になる街をピックアップしてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。
約20年間の鑑定・宅地建物取引業の経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として活動を行う。

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