住まいのコラム

引越し見積もりの相場はいくら?
費用の目安や安く抑えるコツを解説

最終更新日:

監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター/相続対策専門士/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
引越し見積もりの相場はいくらくらい?
通常期(5~2月)の平均相場は、単身で3万4560円、2人家族で7万円、4人家族で8万円。繁忙期(3~4月)の平均相場は、単身で5万2000円、2人家族で10万円、3人家族で13万円です。実際の金額は、荷物の量や引越し先までの距離、引越しをする曜日や時間、オプションサービスをどれだけ利用するかなどによって変わります。

引越し業者の見積もり料金は、荷物の量や距離、引越し時期などさまざまな条件によって変動するので、実際にどれくらいかかるかは見積もりを取ってみないとわかりません。しかし、費用感を大まかにでも知っておきたいという方は多いのではないでしょうか。

この記事では、引越しの見積もり料金が決まる仕組みや、荷物の量・距離・時期別の平均相場をご紹介します。引越し費用を安く抑えるコツについても見ていきましょう。

引越し見積もりの平均相場

引越し費用の見積もりは、荷物の多さや時期などによってかなりの差があります。まずは大まかに、通常期(5~2月)の引越しにおける、単身者、2人家族、3人家族、4人家族、5人家族の平均相場をご紹介します。

■世帯人数別・引越し費用の平均相場

単身(荷物少ない) 34,560円
単身(荷物多い) 42,000円
2人家族 70,000円
3人家族 76,000円
4人家族 80,000円
5人以上家族 81,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

引越しの見積もり料金の仕組み

引越しの見積もり料金は主に、「基本運賃」と引越し作業にかかる「実費」、不用品処分などの付帯サービスにかかる「オプション料金」の3つの要素で構成されています。それぞれがどのような費用なのか確認しておきましょう。

基本運賃

基本運賃は、荷物を運ぶ距離が100km以内の場合は作業にかかる時間(4時間または8時間)、100km以上の場合は荷物を運ぶ距離によって決まります。国土交通省が定める「標準引越運送約款」を基準にしているので、引越し会社によって大きく変わることはありません。金額は、たとえば下記のようになります。

■引越運送に関わる時間制・距離制運賃の一例(課税事業者用抜粋)

時間制

  1t~2t車まで 3t~4t車まで 5t~6t車まで
4時間制 13,580円~
20,360円
16,000円~
24,000円
17,940円~
26,900円
8時間制 22,650円~
33,970円
26,670円~
40,010円
31,390円~
47,090円
8時間を超え
1時間増すごとに
2,270円~
3,410円
2,590円~
3,890円
3,110円~
4,670円

距離制

1t~2t車まで 3t~4t車まで 5t~6t車まで
100km~110kmまで 25,040円~
37,560円
28,500円~
42,740円
34,650円~
51,970円
140km~150kmまで 29,230円~
43,850円
33,300円~
49,940円
40,480円~
60,720円
190km~200kmまで 34,480円~
51,720円
39,270円~
58,910円
47,740円~
71,620円
200km~500kmまでで、
20kmまでを増すごとに
1,840円~
2,760円
2,100円~
3,160円
2,580円~
3,860円
500kmを超え、
50kmまでを増すごとに
4,620円~
6,940円
5,250円~
7,870円
6,420円~
9,640円

出典:近畿運輸局「引越料金のしくみ」

実費

実費とは、引越しスタッフの人件費やトラックのガソリン代、高速道路の通行料、梱包材代など、実際に引越し作業にかかるお金です。

オプション料金

オプション料金は、エアコンの取り外しや設置、ピアノなど特殊な荷物の輸送、アンテナの取り付け、不用品の処分など、一般的な引越し作業以外のサービスを頼んだ際にかかるお金です。
引越し費用の見積もり金額は、基本運賃・実費・オプション料金の3要素の合計になるので、3つのうちいずれかに金額が上がる事情があれば、その分引越し費用は高くなります。

引越しの見積もりが高くなる条件

基本運賃・実費・オプション料金の3要素で決まる引越しの見積もり料金ですが、具体的にはどのような条件だと金額が高くなるのでしょうか。
引越しの見積もりに関わる条件として、主に下記の4つが挙げられます。

荷物が多い

荷物が多いと、大きなトラックが必要となり、作業に必要なスタッフの労力や人数も増えるので、その分料金が上がります。
たとえば、二人暮らしの引越しにおける荷物量と見積もり料金の相場は、下記のようになっています。

■荷物量別・2人世帯の引越し費用の相場(通常期:5~2月の場合)

引越し先が
同じ都道府県内
引越し先が遠方
(500km以上)
段ボール
1~15箱
73,636円 176,615円
段ボール
16~30箱
87,467円 204,770円
段ボール
31~50箱
113,559円 300,448円
段ボール
50箱以上
152,108円 384,444円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

引越し先が遠い

引越し先が遠いと基本運賃が上がるので、その分見積もり料金も上がります。たとえば、二人暮らしの引越しにおける見積もり料金の相場は、引越し先までの距離によって次のような違いがあります。

■距離別・2人世帯の引越し費用の相場(通常期:5~2月の場合)

15km未満
(同市区町村程度)
60,000円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
66,000円
50km~200km未満
(同一地方程度)
97,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
139,660円
500km以上
(遠距離地方程度)
180,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

オプションにあたる依頼が多い

不用品回収やエアコン設置、ピアノなどの大型家具の設置など、通常の引越しサービス以外のオプションにあたる依頼が多いと、その分費用がかかるため見積もりが高くなります。
金額の目安としては、エアコンの移設における取り外し工事が5000~1万5000円、取付工事が1万5000~2万5000円、ピアノの輸送が4万~5万円、乗用車の輸送が2万5000~3万5000円程です。

引越し時期が繁忙期

1年の中でも3~4月は引越し会社の繁忙期なので、この時期の引越しはほかの時期より高くなります。
たとえば、二人暮らしの引越しの平均相場は下記のとおりです。

■通常期・繁忙期の引越し相場の違い(2人世帯)

  通常期(5~2月) 繁忙期(3~4月)
平均 70,000円 100,000円
15km未満
(同市区町村程度)
60,000円 80,000円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
66,000円 66,000円
50km~200km未満
(同一地方程度)
97,000円 145,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
139,660円 198,000円
500km以上
(遠距離地方程度)
180,000円 300,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

引越し時期については仕事の都合などもあり、自分でコントロールできない場合もありますが、荷物の量は調整可能です。引越し業者の見積もりの前に、事前に断捨離をして荷物を整理するなどして、不要なものを新居に持っていかないようにすれば、引越し費用も安く抑えられるでしょう。

単身者の引越し見積もりの相場

単身者の場合は荷物が少ないので、引越し費用は比較的安くなります。繁忙期(3~4月)と通常期(5~2月)では、2万~5万円程の違いが出ることもあります。

単身者の引越し費用の相場(繁忙期3~4月)

  単身者(荷物少なめ) 単身者(荷物多め)
平均 52,000円 70,000円
15km未満
(同市区町村程度)
35,640円 44,000円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
44,000円 54,000円
50km~200km未満
(同一地方程度)
61,000円 81,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
90,000円 115,000円
500km以上
(遠距離地方程度)
100,000円 140,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

単身者の引越し費用の相場(通常期5~2月)

  単身者(荷物少なめ) 単身者(荷物多め)
平均 34,560円 42,000円
15km未満
(同市区町村程度)
27,000円 32,400円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
30,000円 35,000円
50km~200km未満
(同一地方程度)
41,750円 50,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
54,000円 70,000円
500km以上
(遠距離地方程度)
65,940円 90,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

ファミリーの引越し見積もりの相場

ファミリーは荷物が多い分、単身者に比べると引越し費用は高くなります。参考に2人家族から5人家族の繁忙期・通常期の相場を見てみましょう。

ファミリーの引越し費用の相場(繁忙期3~4月)

  2人家族 3人家族 4人家族 5人家族
以上
平均 100,000円 119,900円 130,000円 143,000円
15km未満
(同市区町村程度)
80,000円 100,000円 102,715円 105,000円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
95,000円 116,900円 147,300円 162,030円
50km~200km未満
(同一地方程度)
145,000円 180,000円 200,000円 220,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
198,000円 259,200円 260,000円 328,000円
500km以上
(遠距離地方程度)
300,000円 320,000円 345,600円 350,000円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

ファミリーの引越し費用の相場(通常期5~2月)

  2人家族 3人家族 4人家族 5人家族
以上
平均 70,000円 76,000円 80,000円 81,000円
15km未満
(同市区町村程度)
60,000円 70,000円 72,800円 80,000円
15km~50km未満
(同都道府県程度)
66,000円 80,000円 99,600円 109,560円
50km~200km未満
(同一地方程度)
97,000円 100,000円 100,000円 110,000円
200km~500km未満
(近隣地方程度)
139,660円 159,750円 180,000円 200,000円
500km以上
(遠距離地方程度)
180,000円 220,000円 237,600円 261,360円

※掲載内容は引越し侍のアンケートデータから算出した目安です。金額は市場状況などにより上下するのでご留意ください。

引越しの時期によって費用には大きく差がでます。特に繁忙期はもっとも費用が高くなるので、引越しの時期をある程度コントロールできる場合は、繁忙期を避けるのがおすすめです。引越し費用が安くなるだけでなく、物件探しも焦らずじっくりできたり、条件の交渉も通りやすかったりと、そのほかのメリットもあります。

引越し業者の選び方

引越し費用の見積もりは、同じ条件でも引越し業者によってばらつきがあります。引越し業者を選ぶ際には、下記のような点を意識しましょう。

相見積もりを取って比較する

条件が同じでも、引越し業者によって見積もりの金額やオプションサービスの内容は異なります。
複数の引越し業者から見積もりを取り、比較検討することで、満足できる条件の引越し業者を見つけやすくなります。

大手だけでなく中小の引越し業者も検討する

中小の引越し業者は、比較的リーズナブルな料金で地域に根付いたサービスを提供しているところが多い傾向があります。
たとえば、オプションサービスが豊富など、特定の分野に強みを持つ業者もあります。大手だけでなく、中小の業者も選択肢に加えることで、より希望の条件や予算にあった引越し業者を見つけやすくなるでしょう。

引越し業者の特徴から選ぶ

近距離の引越しなら、近距離移動を得意とする地域密着型の引越し業者、地域をまたぐ長距離の引越しなら長距離が得意な引越し業者など、ニーズに合った強みを持つ業者を選ぶと、費用を抑えられる可能性があります。

引越しの見積もりを安くするコツ

引越しの見積もり料金を、安くすることはできるのでしょうか。最後に、引越し費用を節約する7つのコツをご紹介します。

土日・祝日や月末を避ける

引越し日として土日・祝日ではなく平日を選ぶと、引越し費用を抑えられます。また、月末も費用が高くなる傾向があります。引越し日を調整できる場合は、月末ではない平日を選ぶとよいでしょう。

午後便やフリー便を利用する

引越し後の荷ほどきなどの時間を考えて、午前便を希望する人は多い傾向があります。そのため、午後便や時間指定なしのフリー便を選ぶと、引越し費用が抑えられます。

見積もりを早めに取る

引越しすることが決まったら、可能な限り早めに見積もりを取ると、予約が埋まっていないため、安くなる曜日や時間などを選びやすくなり、引越し費用を抑えられます。

繁忙期(3~4月)を避ける

1年のうちで3~4月は転勤や入学などで引越しが多く、引越し業者の繁忙期です。通常期(5~2月)に引越したほうが、引越し費用は安くなります。

荷造り・荷ほどきは自分でやる

荷造り・荷ほどきを引越し業者に依頼できるサービスはオプション料金がかかるので、自分でやることでその分の費用を節約できます。

不用品は事前に処分して荷物を減らす

不用品を事前に処分しておけばその分荷物が減り、不用品処分のオプションサービスも不要になるため、引越し費用を抑えられます。粗大ごみの収集は地域によっては予約が取りにくいこともあるため、早めに処分の手配をしておきましょう。

大型の家具や家電は引越し後に購入する

大型の家具や家電をまえもって購入してしまうと、荷物が増えるため引越し費用が高くなってしまいます。引越し後すぐに使用したい場合には、引越し前に購入せず、引越し日かその翌日に新居に届くように手配することをおすすめします。

引越し費用を安く抑えるコツのひとつは、できるだけ荷物を少なくすることです。たとえば自転車などの大きな荷物は費用が高くなる原因なので、利用頻度を考えた上で、引越し前に処分して今後はレンタルバイクを利用するなど、切り替えを検討するのもおすすめです。

まとめ

引越し費用の見積もりは、基本的に荷物の量や引越し先までの距離などによって決まります。しかし、引越しの時期を繁忙期からずらしたり、相見積もりを取ってリーズナブルな業者を選んだりすることで、金額を抑えることもできます。世帯人数別の平均相場を目安に、引越し業者を比較・検討してみてください。

監修者プロフィール

監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
不動産会社にて600件以上の仲介、6000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は株式会社高野不動産コンサルティングを設立し、不動産コンサルティングを行う。

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