住まいのコラム

洗濯機の水抜きのやり方は?
引越し前の水抜きにかかる時間と注意点

最終更新日:

監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター/相続対策専門士/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
洗濯機の水抜きの方法は?どのくらい時間がかかる?
洗濯機の水抜きは、給水ホースの水を洗濯槽に流して給水ホースを外した後、洗濯槽内の水を排水ホースに流し、最後に排水ホースを外すという流れで行います。タオルやドライバー、洗面器などのほかに特別な道具は必要なく、作業時間は30分~1時間程度です。引越し前日に行うのがおすすめです。

引越しで洗濯機を運ぶ際は、事前に洗濯機やホースに溜まっている水を抜いておく必要があります。もし忘れると、運んでいる最中に内部に溜まった水が漏れ出し、ほかの家具や荷物を濡らしてしまう可能性があるので、忘れずに行いましょう。

この記事では、洗濯機の水抜きのやり方やかかる時間、水抜きする際の注意事項について解説します。

洗濯機の水抜きとは内部やホースに残った水を排水する作業

洗濯機の水抜きとは、洗濯機の内部やホース内に残った水を排出する作業のことです。
洗濯機は、洗濯が終わって脱水をした後でも、洗濯機内と給水ホース、排水ホースに少しずつ水が残っています。これらの水を抜くのが水抜きで、主に引越し時や、洗濯機の買い替えの引き取り・買い取り時に行われるほか、冬場の凍結防止対策としても行われます。

洗濯機の水抜きをしないとどうなる?

引越し時などに洗濯機を運搬する際や冬場に洗濯機の水抜きをしないと、どうなるのでしょうか。具体的には下記のような問題が発生します。

・運搬時の重量が増す
洗濯機はただでさえ重くて運ぶのが大変な家電です。内部に水が残っているとその分重量が増すので、運搬の負担が増えてしまいます。

・運搬中に水漏れする可能性がある
運搬中に洗濯機から水が漏れ出し、周りの家電や家具を濡らす可能性があります。引越し業者に依頼している場合は、水漏れによる追加料金を請求される場合もあります。

・凍結する場合がある
洗濯機をベランダなどに外置きしている場合や寒い地域では、急激に気温が下がるとホース内に残っている水が凍結し、解凍しないと洗濯機が使えなくなってしまう場合があります。

洗濯機の水抜きの時間は30分~1時間とすぐに終わりますが、引越し当日までうっかり忘れていて、引越し業者の作業が始まる直前に慌てて行うケースも多々みられます。そうすると、水抜きが十分ではなく、結果水漏れが発生して、追加料金やほかの荷物への被害がでる可能性があります。前日までに忘れずに行いましょう。

洗濯機の水抜きの基本的なやり方

洗濯機の水抜きは、特別な道具も必要なく、手順も難しくはありません。用意するものや進め方をご紹介します。

水抜きの前に用意するもの

洗濯機の水抜きをする際に用意するものは、洗濯機の説明書、洗面器やバケツ、ドライバー、タオルまたは雑巾の4点です。

・説明書
基本的な水抜きの仕方はどの洗濯機でも同じですが、製品によってはやり方が違う場合もあります。各製品の水抜き方法の詳細は、説明書で確認しましょう。

・洗面器やバケツ
床や周りのものが濡れてしまった場合に、すぐ拭けるように雑巾やタオルを用意しておきます。

・ドライバー
蛇口につながる給水ホースがネジで固定されている場合、ドライバーを使って外します。

・雑巾、タオル
床や周りのものが濡れてしまった場合に、すぐ拭けるように用意しておきます。

給水ホースの取り外し

洗濯機の水抜きでは、まず給水ホースの水抜きと取り外しから行います。下記の手順で、給水ホースに残っている水を洗濯槽に流してから、給水ホースを取り外します。

<給水ホースの取り外し手順>
(1)洗濯槽の中が空であることを確認する
(2)蛇口を締める
(3)洗濯機の蓋を閉めて標準コースで洗濯をスタートし、給水ホース内の水を放出する
(4)数十秒程で運転をストップして、洗濯機の電源を切る
(5)ドライバーで蛇口と給水ホースをつなぐ部品を取り外し、給水ホースを外す

給水ホースを外す際は、まだ内部に水が残っている場合もあるので、雑巾やタオルをあてながら行いましょう。

排水ホースの取り外し

給水ホースの取り外しが終わったら、続けて排水ホースを取り外していきます。なお、ドラム式洗濯機の場合は、最初に糸くずフィルター内の水を抜く工程が必要です。糸くずフィルターをゆるめて、出てくる水を洗面器などで受け止め、水が出なくなったらタオルなどで拭いてから戻します。

<排水ホースの取り外し手順>
(1)洗濯機の電源を入れ、最も短いコースで脱水する
(2)脱水が終わったら、洗濯槽内の水分をタオルで拭き上げる
(3)洗濯機を傾けて水を抜いた後、排水ホースを抜く

洗濯槽が空の状態で脱水運転をすることで、洗濯槽の中の水が排出されます。排水ホースを抜く際は水が出てくることもあるので、洗面器などをあてながら行ってください。

洗濯機の水抜きの注意点

洗濯機の水抜きをする際には、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。2つの注意点を確認しておきましょう。

周りに水濡れしては困るものを置かない

ホース内に残っている水の量は限られるので、周りが水浸しになることはまずありませんが、周囲のものが多少濡れることは十分ありえます。足元ヒーターのような家電や引越し時のダンボール箱などの濡れると困るものは、洗濯機の水抜きの際には離れた場所に置いておきます。

部品をなくさないようにする

取り外した給水ホースや排水ホース、蛇口とホースをつなぐパッキン、ネジなどは、引越し先で洗濯機を設置する際に必要になります。なくしてしまわないよう、ビニール袋などに入れて、ひとまとめにしておきましょう。袋に入れて水抜きを終えた後の洗濯槽に入れ、運搬時に落ちないように洗濯機の蓋をテープでとめておくのがおすすめです。
運びやすくするために、電源コードなどもまとめて、洗濯機の側面にテープでとめておきます。

洗濯機の水抜きは引越しの前日がおすすめ

引越し前に洗濯機の水抜きをすると、それ以降は引越しが完了するまで洗濯機が使えないので、洗濯機の水抜きは引越し直前のタイミングで行うのがおすすめです。とはいえ、引越し当日ではバタついてしまいますし、慌てると部品をなくしてしまうこともありえます。そのため、洗濯機の水抜きは引越し前日に行いましょう。水抜きにかかる作業時間は30分~1時間程なので、前日のどこかで時間を見つけてすませておきます。

洗濯機内の水が凍結してしまった場合の対処法

冬場に凍結防止対策として洗濯機の水抜きを行う場合は、気温が下がる夜に向けて日中に行うのが効果的です。水抜きを行わずに洗濯機内の水が凍結してしまった場合は、下記のように対処します。

自然解凍を待つ

設置場所が昼間は日光があたるところであれば、太陽熱で自然に解凍されるのを待つのが無難です。洗濯機が使えるようになるまで時間はかかりますが、故障などのリスクはありません。

ぬるま湯をかける

急いで解凍したい場合や、設置場所に昼間もあまり日光があたらない場合は、ぬるま湯をかけることでも対処できます。凍結箇所にタオルをかけ、その部分に40~50℃程のお湯をかけていきます。熱湯をかけてしまうとホースなどが破損する可能性があるので、お湯の温度には注意してください。
また、凍結した状態で洗濯機を無理に動かそうとすると破損する可能性があるので、無理に動かすのは禁物です。

ドライヤーの風を当てる

ぬるま湯をかける代わりに、ドライヤーの熱風をあてることで解凍できる場合もあります。ただし、外気温が低すぎたり、凍結が広範囲に及んでいたりする場合は効果が薄いので、その際はぬるま湯をかけるなどほかの方法がおすすめです。

専門業者に依頼する

自分では対処が難しい場合は、水回りのトラブル専門業者に依頼する方法もあります。

洗濯機の水抜きは複雑な作業ではありませんが、細かな作業を苦手だと感じる人や、洗濯機置き場が屋外で凍結してしまっているケースでは、水抜き作業が困難かもしれません。水回りの専門業者に頼むにしても、引越し前日だと予約が取れない場合もあるので、作業内容をあらかじめ確認して、必要があれば早めに予約をしておくとよいでしょう。

引越し時に洗濯機を運搬するときの注意点

引越し時に洗濯機を運搬する際には、水抜きをしておくこと以外にもいくつか注意事項があります。

洗濯機の部品の紛失に注意

水抜きに集中するとやってしまいがちなのが、外した部品の紛失です。ホースを固定するパッキンやネジのように小さな部品もあるので、ビニール袋などを用意して、取りまとめておくのがおすすめです。

ほかの荷物といっしょにダンボール箱に詰めてしまうと、荷物に紛れて袋ごとどこにいったかわからなくなることもあるので、部品を取りまとめた袋は洗濯槽の中に入れ、固定しておくと安心です。また、引越し後に洗濯機を設置することを考えて、部品を外す前の写真を撮っておくのもいいでしょう。

引越し業者に依頼する場合は、洗濯機の取り外しや設置はお願いできる場合が多いので、作業内容に含まれているか確認してみることをおすすめします。

洗濯機を横向きに倒さない

排水ホースは洗濯機の底部分についているので、取り外すには洗濯機を傾ける必要があります。この際、横倒しに近いほど傾けてしまうと故障につながる恐れがあるので、傾けすぎは厳禁です。

また、運搬の際も、横倒しにすると外装が破損する、モータ―部分などが故障するといった可能性があるので、必ず立てたまま運ぶようにします。

新居の設置場所を事前に確認

新居の洗濯機を置くスペースの広さや蛇口の位置、排水口の位置などが前の住居と違う場合、洗濯機がうまく置けないことがあります。設置するには、延長水栓や新しい排水ホースなどが必要になることもあるので、新居の設置場所は事前に確認しておきましょう。

扉の幅などが原因で運搬そのものが難しい場合や、設置するとドラム式洗濯機のドアが開かないような場合は、洗濯機の買い替えも考える必要があります。

エルボと呼ばれる洗濯機の排水ホースと排水溝をつなぐ部品は、もともと住居に備え付けで、オーナーや大家さんの持ち物であるケースがあります。引越し業者が誤って新居に持って行ってしまい、後から返還を請求されるケースもしばしば見られるため、細かな部品含めて、自分のものか、備え付けかどうかを事前に確認しておくと安心です。

洗濯機を自分で設置する場合の手順

洗濯機の取り付けは水抜きとは逆で、まず排水ホースを取り付けた後、給水ホースを取り付けるという流れになります。基本的な手順は下記のとおりです。

<洗濯機の設置手順>
(1)洗濯機を傾けて、排水ホースを洗濯機の排水口につなげる
(2)排水ホースを排水口にしっかりと差し込む
(3)給水ホースを取り付けて洗濯機と蛇口をつなぐ
(4)電源プラグとアース線を取り付ける
(5)試運転して、給水ホース・排水ホースから水漏れがないことをチェックする

まとめ

洗濯機を運ぶ際に水抜きをしていないと、運搬時に水漏れして周りの荷物が濡れてしまう可能性があり、引越し業者や運送業者から追加料金を請求される場合もあります。
水抜きは難しくなく、時間も30分~1時間程で終わるので、引越しの前日には忘れず水抜きを行いましょう。

監修者プロフィール

監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
不動産会社にて600件以上の仲介、6000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は株式会社高野不動産コンサルティングを設立し、不動産コンサルティングを行う。

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