住まいのコラム

アパートの最強ゴキブリ対策5選!
どこから侵入してくるの?

最終更新日:

監修者
亀梨 奈美
不動産ジャーナリスト/株式会社real wave代表取締役
賃貸物件においてゴキブリを避ける効果的な対策は?
築浅で共用部の手入れが行き届いている物件の高層階の部屋は、ゴキブリが発生しにくい物件である可能性が高めです。室内を清潔に保ち、侵入経路となる隙間を埋める対策をしておけば、ゴキブリに遭遇するリスクを大きく減らせるでしょう。近場にゴキブリが繁殖しやすい施設がない点も重要です。

どれだけきれいな部屋だったとしても、ゴキブリが一匹出ただけでその部屋に住みたくなくなると考えるほど、ゴキブリが苦手な方にとっては重大なゴキブリ問題。

ゴキブリに遭遇しない生活を実現するためには、ゴキブリの習性を理解し、十分な対策を打つことが必要です。

ここでは、おすすめの最強ゴキブリ対策5選をご紹介。ゴキブリに脅かされない生活を送りたい人は必見です。

そもそもゴキブリはどこから侵入してくるのか

ゴキブリは主に低層階の住居に出没する虫です。特に1階の出没頻度は高く地面を移動して部屋の中に侵入します。わずか2mmの隙間から室内に入れるといわれており、見た目の大きさよりも非常に身軽です。玄関や窓の隙間、郵便受けの口など、屋外と繋がる入口はほぼ全て侵入経路となると考えられるでしょう。

2階以上になると増えるのが空から侵入するケースです。排水溝や換気扇、エアコンの室外機など、地面から離れた入口が侵入経路になっていきます。

なお、3階以上の高さまではゴキブリが飛べないため、部屋の階数が上がるにつれて急激にゴキブリの出没リスクは下がります。とはいえベランダの近くにある木や電柱を伝って侵入するケースもあるため、完全に侵入しなくなるとはいえません。

ひと昔前まで、北海道などの寒冷地にゴキブリはいないと言われていましたが、温暖化もあってか、近年では日本全国でゴキブリの発生が見られます。ゴキブリは寒さに弱い虫であるため、寒冷地の生息数は少ないようですが、今やどのエリアにおいても住まいのゴキブリ対策は必要だといえるでしょう。

アパートの最強ゴキブリ対策5選

どこからでも侵入し、繁殖力も強いイメージのゴキブリですが、入りやすく増えやすい条件はある程度決まっています。

次にご紹介する5つの対策を行い、ゴキブリが発生する原因をなくすことができれば、古いアパートでもゴキブリに悩まされにくくなるでしょう。

1.隙間を塞ぐ

隙間は、パッキンを追加できる隙間テープを使用して塞ぐのがおすすめです。換気扇は外からの入口をメッシュなどで埋めるフィルターを使うとよいでしょう。

築年数が古い建物、特に木造は経年に伴い隙間が生まれやすくなります。気がつかない間に窓サッシや網戸部分に隙間ができたり、壁にヒビが入ったりと、簡単に補修できないような傷みがゴキブリの侵入経路となってしまいます。できればパテなどを使って埋められるのが理想ですが、退去時には原状回復しなければなりません。

後から元に戻せないような処置を行う前には、必ず事前に家主や管理会社に相談し、処置の許可をもらうようにしましょう。

2.結露・湿気対策をする

ゴキブリは高温多湿な環境を好む虫であり、湿気が多い部屋はゴキブリを引き寄せやすくなります。ゴキブリにとって魅力的な部屋にしないためにも、特に夏場は湿気対策に力を入れましょう。

ゴキブリは特に湿度40~50%の環境が好みます。一方で乾燥している部屋には近寄りにくくなるため、部屋の湿度は40%未満に抑えるのが効果的です。エアコンの除湿モードで湿気を除去するだけでなく、湿気が溜まりそうな場所に除湿剤を置くとよいでしょう。また、扇風機やサーキュレーターで室内の空気をかき回すだけでも湿気が溜まりにくくなり、ゴキブリ避けの効果が期待できます。

夏場だけでなく、冬場の湿気対策も重要です。室内外の温度差で発生する窓際の結露は、ゴキブリにとって魅力的な場所になってしまいます。また結露から発生したカビをゴキブリが室内に拡散させるため、窓際以外の場所にもカビが生えてしまうでしょう。

結露の防止には結露用のシートやスプレーを使うほか、定期的な空気の入れ換えやサーキュレーターなどによる空気の循環も効果的です。

3.段ボール・新聞紙を放置しない

自宅に段ボールや新聞紙を放置している方は、できるだけ早く処分しましょう。段ボールや新聞紙は、ゴキブリが好む高温多湿の環境になりやすく、住処にされることが多くあります。また、段ボールの断面はゴキブリが卵を産み付けやすい形状のため、気がつかないうちにゴキブリの繁殖元になっていることもあります。

段ボール箱は適度なサイズのものが多く、収納代わりに使いたいという人もいるかもしれません。しかしゴキブリの繁殖を防ぐためにも、使い終わった後はできるだけ早く処分するのがおすすめです。新聞紙も同様に、早めにリサイクルに出すなどして家に溜め込まないようにしましょう。

4.食材を床に置かない

床に置きっぱなしの食材は、ゴキブリにとって格好のエサとなります。ゴキブリの種類によって好物は変わりますが、人間が好んで食べるような食材は大抵ゴキブリも好物です。

人間が食べる前にゴキブリが口をつけないよう、保存方法には十分に注意しましょう。野菜類は出したまま放置せず、冷蔵庫の野菜室へしまうとよいでしょう。たまねぎのような野菜室での保存に向かない食材は、空中に吊るせるような収納ネットを使い、ゴキブリが歩いていけない場所に保存するのがおすすめです。

5.こまめに清掃する

ゴキブリに対する有効な対策は、侵入させないこととエサになるゴミを残さないことに尽きます。雑食のゴキブリは、キッチン周辺に溜まった食べ物のカスやペットボトルの底の飲み残し、コンロ周辺の油などが大好物。さらにはゴミやホコリ、人間の髪の毛すらエサにしてしまいます。

室内にゴキブリのエサを残さないようにするためには、何よりもこまめな清掃が有効な対策になります。キッチンを使った後はすぐに用具を片付け、油汚れを残さないようにコンロも拭き掃除を済ませておきましょう。エサになりやすい生ゴミは、ふた付きのゴミ箱に捨てるのがおすすめです。

キッチンだけでなく、居室側の掃除も同様に重要です。髪の毛やホコリを床の上に残さないよう、小まめに掃除機をかけておきましょう。

ゴキブリが出にくいアパートの特徴

どの賃貸物件でもゴキブリが出ないような対策をすることはできますが、できれば最初からゴキブリがでない建物に住みたいものです。新たに転居先を選ぶ際には、ゴキブリがでにくい物件も条件に加えて探してみるとよいでしょう。

築浅

築浅の物件は気密性が高い傾向にあり、隙間が少ないため、ゴキブリが室内に入り込みにくくなっています。特に気密性が高い鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造の建物は、1階であってもゴキブリの侵入を防いでくれると期待できるでしょう。

共用部分やゴミ置き場に清潔感がある

家庭から出るゴミはゴキブリにとってのご馳走です。ゴミ置き場が常にゴミがあふれているような物件は、ゴキブリが集まりやすいため室内への侵入も増えてしまうでしょう。

ゴミ置き場や共用部が清潔に保たれている物件は、それだけゴキブリを呼び寄せにくい物件であるといえます。また、共用部がきれいな物件はマナーを守る住民が多く、ゴキブリを繁殖させるような住民がいるリスクも低いと考えられます。

飲食店やコンビニなどが入居していない

大量の食べ物を扱う飲食店やコンビニは、自然とゴキブリが発生しやすくなります。マンションの1階に飲食店やコンビニが入っている場合、店内で発生したゴキブリが居住エリアまで侵入する恐れがあります。ゴキブリの被害を受けるリスクが高まると考えてよいでしょう。

徒歩0分の距離に飲食店やコンビニがあると確かに便利ですが、ゴキブリを避けることを優先するならば、飲食店やコンビニが入っていない物件を選ぶのが無難です。

通風・採光に優れる

ゴキブリは湿気がある暗い場所を好む反面、通気性がよく明るい場所が苦手です。採光部が広く風が通り抜けやすい位置に窓がある部屋は避ける傾向があるため、室内での繁殖もしにくくなります。

ただし、バス・トイレやキッチン収納など、どの部屋にも暗く湿気が溜まりやすい場所はあるものです。こまめな掃除や換気を忘れないように注意しましょう。

高層階

ゴキブリは上に登る力があまり強くないため、高層階の窓からの侵入は困難です。また高層階であるほどゴキブリの繁殖場所からは遠くなるので、侵入される危険性はかなり低くなるでしょう。

とはいえ、壁や配管をたどってゴキブリが高層階にたどり着く可能性は残されています。何階以上なら絶対にゴキブリが出ないという保証がない点は注意が必要です。

ゴキブリが繁殖しにくい条件のひとつとして「清潔」であることが求められます。たとえば、築浅かつ高層階で、自身は対策を徹底していたとしても、アパート内が不衛生であればゴキブリが発生するリスクは高いといえるでしょう。従って、アパートを選ぶ際にはゴミ置き場に加えてエントランスや廊下、隣戸などの清潔感にも着目することが大切です。

まとめ

ゴキブリはわずかな隙間から室内に侵入し、食べカスやゴミ、ホコリなどをエサに繁殖します。1匹見たら10匹はいると言われるほど繁殖力が強いため、まずは部屋に入れないことが先決です。ひとつひとつ侵入経路を塞ぎながら、エサになるものをなくすように心がけましょう。

ゴキブリの発生を防ぐためには、ゴキブリが発生しにくい条件の物件を選ぶことも重要です。築浅で共用部が清潔に保たれている物件の中でも高層階の部屋を選べば、ゴキブリに遭遇するリスクはかなり減らせるでしょう。

ぜひ今回紹介した内容を参考に、最強のゴキブリ対策を実現してください。

監修者プロフィール

監修者
亀梨 奈美
株式会社real wave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。
2020年に株式会社real wave設立。不動産全国紙の記者として、不動産会社や専門家への取材多数。
「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに執筆している。

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