すまい給付金
すまい給付金は、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために、国(国土交通省)が創設した制度です。
消費税率の引き上げにともなって住宅ローン減税の還付額が引き上げられましたが、支払っている所得税などを減税する仕組みであるため、収入が低い人はその恩恵を受けられません。
すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引き上げによる負担の軽減をはかるものです。そのため、収入によって給付額が変わる仕組みになっています。
すまい給付金のポイント
申請
すまい給付金事務局に申請します。
住宅ローン減税は税務署に対して確定申告をすることで適用されますが、すまい給付金とは申請場所が異なるため注意が必要です。
なお、すまい給付金と住宅ローン減税は併用できます。
住宅ローン減税との違い
住宅ローン減税は、夫婦それぞれが確定申告をすると2人分の税金が還付されることから、1人で申請する場合よりも還付額が増える可能性があります。
一方、すまい給付金は世帯ごとに支給されるため、世帯としての給付額が給付基礎額の50万円を越えることはありません (消費税率10%で住宅を購入した場合) 。
給付額
収入に応じて、0~50万円の給付を受けられます。
【消費税率10%時の給付額】
収入の目安 | 給付基礎額 |
---|---|
450万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下万円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 10万円 |
775万円超 | 0円 |
※夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において住宅取得する場合の夫の収入額の目安です。 ※給付額は、住宅取得者の収入および不動産登記上の持分割合により決まります。 ※具体的には、持分保有者が1人の場合の給付額を給付基礎額とし、収入に応じて決まる給付基礎額に持分割合を乗じた額が給付額となります。 ※収入については、給与所得者のいわゆる「額面収入」ではなく、都道府県民税の所得割額に基づき決定します。
【給付額の計算例】
- 夫の年収550万円(夫の持分3/4)、妻の年収0円(妻の持分1/4)の場合
- 夫:給付基礎額30万円×持分割合3/4=給付額22万5,000円
妻:給付基礎額50万円×持分割合1/4=給付額12万5,000円
夫婦の給付金の合計:35万円
申請期間
申請期間は、住宅の引き渡しから1年以内です。申請約2ヵ月後に現金が振り込まれます。
実施期間
平成26年4月から令和3年12月までの入居完了者に対するすまい給付金制度は、消費税率が引き上げられた平成26年4月以降に引き渡された住宅から、税制面での特例が適用される令和3年12月までに引き渡され、入居が完了した住宅が対象です。
給付対象者
- 不動産登記上の持分保有者
- 住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- 収入が一定以下の者(消費税率10%適用時、収入額の目安が775万円以下)
- 住宅ローンを利用しない場合のみ年齢が50歳以上の者
上記の給付対象は引き上げ後の消費税率が適用された住宅となるため、消費税率8%が適用される住宅や、消費税非課税取引の住宅は対象外です。
消費税率8%が適用される住宅については、すまい給付金の上限額は30万円になります。
住宅の要件
- 引き上げ後の消費税率が適用されること
- 床面積が50m2以上であること
- 第三者機関の検査を受けた住宅であること など
※新築住宅/中古再販住宅、住宅ローン利用の有無で要件が異なるためご注意ください。
執筆者(2014年8月執筆)
中村 諭(なかむら さとし)
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、貸金業務取扱主任者
※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:逆瀬川 勇造(宅地建物取引士)
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