最近はコンクリートの技術も発達し、高強度コンクリートなど耐久性の高い素材も登場している。ただし、高強度というのはあくまでも設計上の強度のこと。現場の施工のしかたで強度が下がってしまうこともある。その原因の筆頭がコンクリートに混ぜる水の量。本来、使われる単位水量はコンクリートの種類によって決まっている。たとえば、普通コンクリートは1立法m当たり185kg以下、水セメント比は65%以内など。これ以上、水の量を増やしてしまうと、コンクリートの乾燥収縮が大きくなる。その結果、ひび割れが起きやすくなり、強度や耐久性が下がってしまう。ところが、コンクリート打ち込み作業をやりやすくするために、工事現場で水増しした「シャブコン」を使う例が後を絶たない。特に高層建築では生コンをポンプで圧送するため、階数が高いほど流動性の高さが求められるからだ。現場監理がきちんと行なわれないと、コンクリート強度も危ない。
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