室内や車内などの臭いを除去するオゾン式空気清浄器が注目されている。シックハウスの原因になるホルムアルデヒドも分解すると謳う。確かにオゾンは、有機化合物を酸化して無害化する能力があることは実験的に証明されている。ただし、発生させたオゾンの量と分解すべき対象物質の量の釣り合いがとれ、完全に化学反応が終わればいい。ところが、オゾン発生量が多すぎると未反応のオゾンが残る。毒性の強いオゾンが室内に残留すると危険だ。逆にオゾンが少なすぎると、対象物質は完全に分解されずに残ってしまう。またホルムアルデヒドは不完全な化学反応によって、これまた有害な蟻酸が発生するおそれもある。実験室とは違い、現実の室内にはさまざまな化学物質であふれ、未知の有害物質が発生する可能性も高い。米国環境保護庁(EPA)は、オゾン式空気清浄器から発生するオゾン濃度では、商品に謳われている効果が期待できないという評価を出している。
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