製材した角材には上下左右がないように見えるが、きちんと上と下がある。住宅の柱などは、自然に立っていたのと同じ状態で使うのが伝統的な作法。逆に使うと「逆木」といって嫌われた。この上下を分ける呼び方がある。木の上側、梢のほうを「末」、下側、根本のほうが「元」。それぞれの切り口を「末口」「元口」という。通常の木は、根本から梢に向かって細くなるため、末口のほうが直径が小さくなる。そのため、丸太の断面サイズは末口寸法で表す。ただ、北山スギのように元と末の差がほとんどない丸太もある。あるいは、製材された角材は太さが同じ。その場合、元口の見分け方は、赤身(心材)の部分が多いこと、木口(樹木の断面)側に見える年輪の数が多いことなどから分かる。板目の場合は、木目の山形が上を向いたほうが末口になる。末口より元口のほうが強度的に強い。元末の径の差が大きい丸太を「うらごけ」、小さい丸太を「うらぶとり」という。
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