低地は高台に比べて一般に軟弱地盤だが、似たような平坦な場所でも地質によって軟弱でないこともあるので、そこを見分ける必要がある。たとえば地質の時代区分でいうと、1万年から200万年前までに形成された「洪積層」は固い地盤。台地に厚く積み重なった関東ローム層が代表的な例だ。一方、1万年前以降の新しくできた「沖積層」は軟らかい地盤だ。かつての入り海だったところに軟弱な地層が堆積して陸地化した谷地や低地に多い。土の性質としては、岩盤→砂礫→砂→粘性土(シルト)→粘土→腐植土という順番で軟弱になる。洪積層の関東ローム層は火山灰質粘性土の一種だが、長い間に締め固めされているので比較的良好な地盤に入る。ただ、ローム層を掘り起こして別の場所に盛土や埋め土をすると、きわめて軟弱な地盤になる。市町村役場の土木部などで、ボーリング調査の結果を地質断面図や地盤種別図などにまとめているところもあるので調べてみよう。
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