建築基準法で設置を義務づけられた換気設備には、細かい条件が設定されている(下表参照)。単に計算上の必要換気量を確保できればいいわけではない。まず「機械換気」「全般換気」「連続運転」が基本で、必要な換気量が確保できるように通気のルートや給排気口の内外の状況に配慮すること。また、屋根裏などにダクトを這わせた24時間換気システムも増えているが、ダクトの素材や配置についても検討が必要。さらに、連続運転を保つために、換気設備が住み心地を悪化させないようにすることも求められる。たとえば換気設備の運転音がうるさいとか、換気経路の設計ミスで居室に臭気が入り込むとか、あるいは外気の侵入で冷暖房効果が下がるなどの理由で、スイッチを切ってしまうのを防ぐ必要がある。切りボタンにカバーを付けるなど簡単にスイッチを停止できないようなハード面の工夫とともに、常時換気の意義を居住者へ十分に説明することが必要になる。
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