親から子へ資金を贈与するときに、相続時精算課税制度を選択した場合、通常の贈与税の計算とどう違うのか。まず、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に「届出書」と「贈与税の申告書」を提出する必要がある。この「届出書」に記載された贈与者からの贈与は、相続時精算課税制度がずっと適用され、途中で撤回することはできない。また、特別控除額に達するまで、何年間かかって何度贈与しても構わないが、その都度、翌年に贈与税の申告をする必要がある。たとえば、合計3300万円を贈与する場合、一度に与えると従来は1370万円の贈与税がかかった。1500万円と1800万円ずつ2年に分けて与えても贈与税は1090万円(従来の課税方法を「暦年課税」という)。これに対して、相続時精算課税制度を選択すると、贈与税は160万円ですむ。ただ、贈与税は少ないが将来の相続財産に組み込まれるため、相続税が増える可能性もある。
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