改正建築基準法などに基づくシックハウス対策は、2003年7月1日、クロルピリホスとホルムアルデヒドの2物質についての規制からスタートした。しかし、この2つの有害な化学物質を規制すれば、シックハウス対策が万全になるわけではない。厚生労働省では、上記2物質を含む13物質の室内濃度の指針値を定めている。官学民で構成された健康住宅研究会が1998年に出した「設計施工ガイドライン」では、優先取組物質として、ホルムアルデヒドの他にトルエン、キシレン、木材保存剤、防蟻剤、可塑剤なども取り上げられていた。これらの化学物質についても、シックハウス対策の規制対象として追加されるといわれていたが、その後の動きは止まっている。しかし、住宅メーカーはユーザーの健康への配慮のため、ホルムアルデヒド以外の化学物質についても目を配り、できるだけ有害な化学物質を含む建材を使わないように対策をたてておく必要がある。
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