2003年7月1日から「シックハウス対策法」が施行された。正式には「シックハウス対策法」という法律はなく、建築基準法や同施行令などのうち、シックハウス対策向けに改正された一連の関連法令を指す。その柱は2つ。第1に、有機リン系防蟻剤のクロルピリホスの使用を全面的に禁止したこと。既に数年前からクロルピリホスは使われておらず、事後的に規制した項目といえる。第二が、シックハウス症候群の主要な原因の一つ、ホルムアルデヒドの発生を抑制したり換気により排出するための一連の規制である。ホルムアルデヒド対策は、さらに3つのポイントに分かれる。1つが、ホルムアルデヒドの発生源となる建材に関して、内装仕上げに使用する面積を制限するなど、一定の枠組みを作ったこと。2つめが、機械換気設備の設置を原則として義務化したこと。3つめが、従来はなかった天井裏からの有害物質の流入を防ぐための対策を新設したこと。
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