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世の中には二律背反がたくさんある。防犯と防災もそのひとつ。たとえは、泥棒などの犯罪を防ぐには、家の出入口のすべてに何重にもカギをかけるのが有効だ。しかし、あまりカギでがんじがらめにしてしまうと、火事になったときカギを開けるのに手間取って逃げ遅れてしまうかもしれない。通常、日本の玄関ドアは外開きになっている。そのほうが逃げやすいからだ。しかし、欧米の家やホテルは内開きが主流である。外から不審者が侵入するときに、内開きのドアのほうが内側から抑えることで防ぎやすいため。外開きの場合、把手を持って内側に引っ張るのはかなりの力がいる。トイレも同様に、日本の家では外開き。高齢者などが中で倒れた時に助け出しやすいからだ。しかし、ホテルや公共トイレは内開きが基本。やはり内側から守りやすいから。日本は防災面を重視し、諸外国では防犯面を重視しているともいえる。どちらもほどほどが良いのかもしれない。
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