健康住宅と並んで、中身が曖昧なまま勝手に呼ばれているのが「自然住宅」だ。共通しているのは天然の木材を使っていること。構造的には鉄骨プレハブでも、内装を板張りにするだけで「自然派住宅」と謳うケースもある。構造的には木造でも、接着剤で張り合わせた木質パネルを使ったり、輸入した集成材を使っているのも、木である以上は「天然素材の家」といってもウソにはならない。化学合成物質が主成分なのに、植物由来の成分を数%含んでいるだけで「植物性だから安全」と宣伝しているシャンプー・化粧品などに近い。基本構造材にムク材、内外装材や造作材に土、紙、麻、竹などの伝統的な素材を使っているなど、住宅全体に自然素材を活かすことにこだわっているのが、本来の「自然住宅」といえる。ただ、自然素材を使うからまったく安全とはいいにくい。ムク材でもホルムアルデヒドやVOCは含まれている。使い方を間違えると問題が起きることに注意したい。
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