マンションの寿命は60年程度と言われることが多い。これは骨組み=構造躯体の鉄筋コンクリートの耐久性をさす。物理的な側面から見た寿命のことだ。なぜ60年かというと、コンクリートのかぶり厚と関係する。マンションの骨組みは、アルカリ性のコンクリートで回りを覆うことによって、中の鉄筋が錆びないようになっている。しかし炭酸ガスなどの影響で、コンクリートの表面から次第に中性化してゆく。コンクリートの中性化が中身の鉄筋まで達すると、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートが剥がれ落ちたりする。この中性化の速度が、1cm当たり20年程度。現在、コンクリートのかぶり厚は3cmなので<20年×3cm=60年>というわけ。現実には、コンクリートの強度や排気ガスの影響など環境の違いによっても左右される。骨組み以外では、給排水管の交換は15〜20年、エレベータは30年前後など、設備ごとに寿命が違うことも知っておきたい。
|
|