木は自然素材なので、板状に製材したあとも乾燥して収縮する。柾目材の場合は変形しにくいが、板目材の場合は収縮する方向に法則性があって、どちら側に反るかが分かる。その法則に関係するのが、木のオモテとウラ。製材品のうち立木のときに樹皮側に近い面を「木表」、その反対で樹心に近い面を「木裏」という。板状に製材したときは、木表が凹面、木裏が凸面になるように変形する。また、木表は節が少なくて木目も光沢があり美しい。木裏は樹心に近い部分に節が出やすく、削り方によってざらつきも立ちやすい。この性質をよくわきまえた上で使うことが大切。たとえば、和室の建具枠のうち上側にある鴨居は、木裏を上にすることで垂れ下がりにくくなる。逆に下側の敷居は木表を上にする。これは反り方を活かしただけでなく、木目がきれいな木表を常に室内の表側に使うという面もある。逆に、外壁の下見板張りや雨戸に使う場合は、表側に木裏を使うのが一般的。
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