建物の床で「ドスン」「ガタン」と鈍く響くような騒音を防ぐには、骨組みに重い素材を使うのが効果的。これらの重量床衝撃音の遮音性能には、いわゆる質量則が当てはまるから。一戸建てなら固くて厚めの合板を使い、マンションなら床スラブを厚くすることがポイントになる。一般にマンションのスラブ厚が20cm以上あれば、そこそこ重量床衝撃音の遮音性能は高いといえる。遮音等級でいうと「LH-50」程度を達成していれば合格ライン。ただ、スラブの厚さだけで判断するのは禁物。スラブ面積が関係しているからだ。たとえば「小梁の出ないアンボンドスラブを採用」といった新築マンションの広告表示がある。アンボンドの場合、確かに天井はすっきりするが、遮音性はやや下がるという指摘もある。スラブ厚が同じ20cmだとしても、小梁をつけてスラブ面積を小さくしたほうが遮音性は高い。設計の工夫で小梁を目立たなくできれば、そのほうがベター。
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