売買契約をした後に、予定の時期が過ぎても売主が引き渡しをしてくれないなどの債務不履行によって損害を受けた場合に、買主は売主に対して損害賠償を請求できる。本来は、実際に損害が発生した事実とその損害額を立証することによって損害賠償を請求するが、売買契約の際に予め「損害賠償額の予定」や「違約金」を定めることができる。これについての内容が重説の「損害賠償額または違約金に関する事項」。売主の債務不履行が原因で契約解除した場合の違約金は、契約時に支払った手付金の倍額。買主の責任の場合は手付金と同額と指定されるケースが多い。民法では「違約金は、これを賠償額の予定と推定する」と規定されている。そして、契約書に賠償額の予定額=違約金を明記すると、実際に発生した損害の額よりも大きな損害を受けても、予定した金額以上の違約金を請求しても認められない。なお、引き渡し後の瑕疵担保責任に基づく損害賠償はまた別の問題。
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