かつて日本の住宅の照明は、ひと部屋にひとつ、天井に明るい照明をつけて部屋全体を照らす方法が一般的だったが、最近では、複数の照明器具・照明方法を組み合わせる「一室多灯」照明が普及してきた。照明方法は、空間全体を照らす「全体照明」と一部を照らす「部分(局部)照明」、また光の方向によって「直接照明」「間接照明」「拡散照明」などに分類される。さらに、照明器具のスタイルや光源の種類によっても、さまざまな演出が可能だ。照明プランを考えるときは、まず、その部屋の用途から考えよう。そこでゆったりくつろぐのか、作業を行うのかによって、必要な明るさも光の質も異なるからだ。リビング・ダイニングのような多目的空間なら、やわらかな間接照明で全体を照らし、食事をするテーブルの上、読書をするソファの隣など、必要に応じて部分照明を足していく方法もある。トイレや廊下、玄関向けには人感センサーなどの機能を付加した器具もある。
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