アパートの管理人が鍵束(Key-ring)をじゃらじゃら鳴らして歩く、古いヨーロッパ映画のような光景はまず見られなくなった。管理する部屋が増えてくると、すべての合鍵を持ち歩くのは不便だし、現実的ではないからだ。そこでマスターキーが登場することになる。アパートのような小規模の集合住宅ではマスターキーは1種類で足りる。ところが、建物の規模が大きくなると、事務所や商業店舗などの用途別にフロアやゾーンが分かれてくるので、それぞれの管理担当者ごとにマスターキーを持ったほうが管理しやすい。その全体をカバーする統括責任者が、異なるマスターキーグループの錠前を施解錠できるグランドマスターキーを持つ。さらに大型の複合ビルや複数棟の大規模開発ビルでは、その上のグレート・グランド・マスターキーまで存在する。その1本ですべて開けられるカギの存在というのも、ちょっと怖いような気もするが・・・。
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