シックハウス症候群が知られるにつれ、住宅の室内空気汚染への対策も少しずつ進んでいる。ただ、気になるのは「健康住宅」という言葉の氾濫。単に高気密高断熱で室内の温度差が少ないため快適というのもあれば、抗菌加工したフローリングを使ってアトピーの原因になるダニの発生を防いでいると謳うだけのものがある。化学物質過敏症になった人にとって、抗菌剤はむしろ有害なもの。また「シックハウス対策」と銘打っていても、ノンホルムの壁紙接着剤を使っているだけで、他の建材から出るVOCについては全く何もしていないケースもある。「健康住宅」という表面的な言葉に惑わされず、どこの部分にどんな対策が施されているのか、VOCの吸着・分解など各種の効果を謳う新製品に科学的裏付けがあるのかどうか、具体的な中身を検証すること。少なくとも旧建設省などによる健康住宅研究会が出した優先取組物質への対策が施されていることが最低条件。
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