資産運用で得られるリターンには、相応のリスクが伴う。企業の業績や市況によって乱高下する株式がハイリスク・ハイリターンだとすれば、元本保証の預貯金や元本確保型の公社債などの債券はローリスク・ローリターン。日本版REIT(リート=不動産投資信託)は、その中間に位置するミドルリスク・ミドルリターンの商品といわれてきた。その理由は、定期預金の金利が1%以下でも、リートなら3〜7%の利回りが可能なこと。しかも、短期間に急激に変動することがない不動産の賃料収入をベースに配当が行われる。つまり株価の配当に比べて、利回りが安定しているわけだ。また、不動産自体がもともとインフレに強く、場合によってはキャピタルゲインも期待できる。しかし、2000年台後半のミニバブルと金融危機による不動産価格の急上昇と下落を反映し、リート指数は株価以上に乱高下。必ずしもミドルリスクとはいえない状況も招いている。
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