住まいのコラム

二人暮らしの食費の平均は3万円って本当?
無理なく節約できる3つの方法

最終更新日:

監修者
矢野 翔一
2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者/有限会社アローフィールド代表取締役社長
二人暮らしの食費の平均はどれくらい?
2022年の二人暮らし世帯の食費の平均は6万7573円でした。このうち、約1万円を調理食品(惣菜など)が占めており、外食やお菓子にかけている費用も少なくないことから、自炊中心を心がけることである程度、食費は節約できるものと考えられます。

二人暮らしをしている人、あるいはこれから同棲など二人暮らしを始めようとしている人にとって気になるのが「食費」の適正値なのではないでしょうか。雑誌やテレビの特集などで「月々の食費3万円」「週5000円のアレンジレシピ」などを見ると「我が家は食費をかけすぎなの?」と不安になることもあるでしょう。

実際のところ、二人暮らしの食費の平均はどれくらいなのでしょうか。

二人暮らしの食費の平均は約6.8万円/月

総務省による家計調査(2022年)によると、二人暮らし世帯の食費の平均は「6万7573円/月」となっています。3万円とは程遠い金額です。内訳とその平均金額は、次のとおりです。

用途分類 費用
穀類 5371円
魚介類 5980円
肉類 6058円
乳卵類 3529円
野菜・海藻 8522円
果物 3316円
油脂・調味料 3389円
菓子類 5416円
調理食品 10396円
飲料 4459円
酒類 3462円
外食 7675円
合計 67573円

出典:総務省統計局「家計調査(2022年)」をもとに作成

収入に対する食費の適正割合はどれくらい?

同じく家計調査によると、二人暮らし(勤労世帯)の額面収入は「52万749円」、非消費支出は「9万7869円」(いずれも2022年)です。従って、手取り収入は「42万2880円」と想定されます。

手取り額の15〜20%が適切

二人暮らしの平均手取り額は「42万2879円」、食費の平均は「6万7573円」。以上のことから、2022年の手取り額のうち食費が占める割合の平均は「約16%」と計算できます。

一般的に食費の適正値は手取り額の15〜20%とされているため、平均値は適正割合の中に収まっています。

手取り額別!適正な食費の目安

手取り額ごとの適正な食費の目安は、次のとおりです。
以下で示す目安の費用内に収まっているようであれば、うまく食費を調整できているといえるでしょう。

手取り額 適正な食費の目安
15万円 2万2500円〜3万円
20万円 3万円〜4万円
30万円 4万5000円〜6万円
40万円 6万円〜8万円
50万円 7万5000円〜10万円
60万円 9万円〜12万円
70万円 10万5,000円〜14万円
80万円 12万円〜16万円
監修者

適正な賃料を考えるうえでも言えることですが「適正」はあくまで統計的な話であり、自分たちの暮らしに必ずしも当てはまるわけではありません。貯蓄を増やしたい人・良い家に住みたい人・趣味にお金をかけたい人……さまざまなことが多様化する昨今。お金の使い道も多様化しています。他人である2人が一緒に暮らすには、相手の意向や多様性を受け入れることも大切です。

二人暮らしの食費を3万〜4万円に抑えるにはどうしたらいい?

二人暮らしで食費「3万円台」というと、平均の約半分。かなり徹底的に節約しなければ、3万円台に抑えることはできません。食費を抑えるには、具体的にどのような方法が有効なのでしょうか。

自炊中心にする

冒頭で示した家計調査を詳しく見ると、調理食品(お惣菜など)やお酒、外食、お菓子にかけているお金は2万5000万円以上であることがわかります。ここを抑えるだけで、食費は一気に3万円台に近づきます。お惣菜や外食を減らした分、自炊にかけるお金が増えるため単純に2万5000万円以上マイナスになるとは限りませんが、自炊中心にすることは節約の第一歩と考えられます。

一人暮らしで毎日自炊は疲れてしまうこともあるかもしれませんが、二人暮らしなら交代で作ることも可能。お互いの料理を褒め合えばモチベーションも上がるでしょう。

家計簿アプリで管理する

食費に限ったことではありませんが、家計における支出を抑えるには、何に、どれくらいの費用をかけているか知ることが大切。収支を把握する方法として「家計簿」があります。

毎日家計簿をつけるのは面倒と思うかもしれませんが、最近ではレシートをスマホのカメラで撮影するだけで自動的に家計費を作成してくれる便利なアプリも出てきています。

家計簿アプリの利用を習慣化すれば、無駄遣いの抑止力になり、節約につながります。

「まとめ買い」の習慣をつける

食事のたびに買い物に行くと、使いきれず余ってしまう食材が出やすくなり、また、必要ないものまで買ってしまいがちです。無駄に食費を使わないためにも、数日分から1週間分のメニューを決め、まとめ買いする習慣をつけましょう。

1人の場合、まとめ買いをするにしても一人で持てる範囲の量しか買えませんが、2人なら一緒に買い物に行くことで1週間分の食材を買うのも難しくないでしょう。

食材を上手に使いきる

購入した食材を無駄なく使いきるようにすれば、新しく食材を買う頻度が減り、食費を節約できます。

食材を無駄なく上手に使いきるポイントは、週末など定期的に「冷蔵庫一掃メニュー」を作ること。たとえば、ポトフやお味噌汁などの汁物は、食材を選ばず、栄養もたっぷり取れるためおすすめです。

コンビニで食材を購入するのを避ける

食材を買うなら、できる限りスーパーやドラッグストアを利用しましょう。コンビニは大変便利な立地にありますが、商品の多くはスーパーなどと比較して割高です。

安いときに食材を購入して冷凍保存

スーパーでは「ポイント○倍デー」や「特売デー」など、曜日ごと、季節ごとになんらかのイベントをやっていることが多いものです。すぐに使わない食材だとしても、冷凍保存が可能であれば安いときに大量に購入しておくことで食費を抑えることができます。

冷凍できるものといえば、肉類や魚類を思い浮かべるかもしれませんが、一部の野菜は冷凍可能。冷凍できる主な食材は、次のとおりです。

・ご飯
・パン
・納豆
・チーズ
・きのこ類
・葉物野菜(火を通してから冷凍がベター)
・根菜類(火を通してから冷凍がベター)

冷凍すると味が落ちたり、食感が変わってしまったりする食材には、こんにゃくや水分が多いトマトやきゅうりなどの野菜が挙げられます。

監修者

「節約」の前には、まず「実態」を知ることが求められます。目標値を設定するだけでは、無理が生じたり、ストレスが溜まったりするおそれがあります。現状、何にいくら使っているのかを把握し、節約できるポイントを見定めましょう。

実際に効果のあった二人暮らしの食費節約方法は?

実際の二人暮らし経験者は、どのように食費を節約しているのでしょうか。
効果があった節約方法をアンケートで聞いてみました。
※対象者:全国の二人暮らし経験者20代~60代男女654人 調査時期:2024年1月

アンケートで聞いた 二人暮らしの食費で実施していた節約方法は?

回答者の声
冷蔵庫の中身をみてその組み合わせで作れる料理があるかどうかアプリを使って調べて調理をした。20代/男性
お互いのアルバイトが飲食店であったため、賄いを利用することで食費を節約できた。20代/男性
食事がバラバラの時は半額のお弁当などを基本食べたりしてました。30代/男性
買い物に行く前に1週間分の献立を決めて食材を余らせないように買い物をしている。また食事当番を分担して時間の節約をしている。30代/男性
地元スーパーの安くなる日やチラシをチェックしておいてそれを参考に買い物する。30代/女性
買い出しはスーパーのポイントデーの日しか行かない30代/女性

チラシをチェックできるアプリや節約料理が調べられるアプリを活用する人も多いようです。ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

2022年の二人暮らしの食費の平均は「6万7573円/月」です。雑誌やテレビで見るような「食費3万円」「1週間の食費5,000円」という世帯は、かなり少数派だと考えられます。無理に食費を抑えすぎると、栄養が偏ったり、ストレスの要因になったりするおそれがあるため、自炊中心とし、家計簿アプリを活用するなどして無理のない範囲で節約を始めてみましょう。

監修者プロフィール

監修者

矢野 翔一 関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。保有資格:2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

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