住まいのコラム

一人暮らしの家賃は平均いくら?
家賃の決め方と物件探しのコツを解説

最終更新日:

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監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター/相続対策専門士/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士
一人暮らしの平均家賃はどのくらい?
一人暮らしの家賃の全国平均は5万1049円です。ただし、都心は家賃が高くなる傾向があり、全国平均との差が大きいエリアも多くあります。一般的に、家賃は手取り収入の3分の1以内に収めるとよいといわれていますが、実際は家賃以外の生活費も踏まえて、収入とのバランスを考慮しつつ予算を決めることが大切です。

一人暮らしの賃貸物件を探す際に、家賃の平均額が気になる人は多いのではないでしょうか。家賃は毎月の生活費の中でも特に金額が大きいため、平均を参考にしつつ、収入を踏まえて慎重に決める必要があります。

この記事では、一人暮らしの平均家賃をはじめ、自分に適した家賃の決め方や、家賃を予算内に収めるためのポイントを解説します。

一人暮らしの平均家賃は?全国・東京23区内の家賃相場

一人暮らしの家賃はどれくらいなのか、まずは全国平均を見ていきましょう。また、都心部の家賃は平均額との差が大きいため、東京都を参考に、東京23区の家賃相場も紹介します。

一人暮らしの平均家賃

一人暮らし用の賃貸物件(ワンルーム、1K・1DK・1LDK)について、全国平均と都道府県ごとの平均家賃を見てみると、東京都の一人暮らし向け物件の家賃は6万8233円と、全国的に見ても特に高いことがわかります。全国平均の5万1049円に対して、1万7184円の差がありました。

また、全都道府県の中でも最も平均家賃が安いのは、3万7861円の鳥取県です。東京都とは約3万円もの差があります。

■全国・都道府県別の一人暮らしの平均家賃

都道府県 平均家賃
全国 5万1049円
北海道 4万3401円
東京都 6万8233円
神奈川県 5万9395円
愛知県 5万2628円
京都府 5万3850円
大阪府 5万6413円
鳥取県 3万7861円
福岡県 4万7628円
沖縄県 4万6056円

出典:全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2023年6月調査)」をもとに作成

東京23区のワンルーム、1K・1DKの家賃相場

goo住宅・不動産で掲載している東京23区内の賃貸物件について、ワンルームと1K・1DKの平均家賃を見てみると、全国平均の5万1049円とは大きく差があることがわかります。特に、千代田区や港区、渋谷区の平均家賃が高くなっています。

■東京23区別:ワンルーム、1K・1DKの家賃相場

市区名 ワンルーム 1K・1DK
千代田区 13.0万円 12.2万円
中央区 10.6万円 10.9万円
港区 13.1万円 11.8万円
新宿区 9.2万円 11.1万円
文京区 8.6万円 9.8万円
台東区 9.1万円 10.3万円
墨田区 9.8万円 9.2万円
江東区 10.2万円 10.0万円
品川区 9.0万円 9.5万円
目黒区 9.8万円 10.8万円
大田区 7.4万円 8.5万円
世田谷区 7.3万円 9.1万円
渋谷区 11.5万円 11.3万円
中野区 7.5万円 9.6万円
杉並区 6.7万円 8.8万円
豊島区 7.5万円 8.5万円
北区 7.2万円 8.2万円
荒川区 7.2万円 8.3万円
板橋区 6.5万円 7.8万円
練馬区 6.2万円 6.2万円
足立区 6.5万円 7.5万円
葛飾区 6.3万円 7.5万円
江戸川区 5.8万円 7.0万円

参考:goo住宅・不動産「東京都の家賃相場」(2023年8月抽出)

一方、同じ東京都内でも23区外であれば、平均家賃が下がるエリアもあります。ワンルームの場合、全国の平均家賃の5万1049円よりも下回る物件があることがわかります。
都心部で一人暮らしの部屋探しをする際は、こうした地域ごとの家賃相場の傾向を押さえることも大切です。

■23区外エリアの家賃相場(一部抜粋)

市区名 ワンルーム 1K・1DK
立川市 5.0万円 7.2万円
調布市 5.5万円 7.6万円
町田市 4.6万円 6.2万円

参考:goo住宅・不動産「東京都の家賃相場」(2023年8月抽出)

一人暮らしの家賃の決め方

一人暮らしの家賃設定としては、一般的には手取り収入の3分の1以内に収めるとよいといわれています。たとえば、月収の手取り額が20万円なら、毎月の家賃を6万6000円以内に、月収の手取り額が25万円なら、毎月の家賃を8万3000円以内に設定します。

平均家賃の安いエリアであれば、手取り収入の4分の1など、より家賃を抑えることも可能です。浮いたお金を貯金に回したり、ほかの生活費にあてたりすることもできます。
ただし、都心では家賃の予算を絞りすぎると、賃貸物件の選択肢が少なくなる可能性もあるため、部屋探しをするエリアに合わせて予算を決める必要があります。

また、毎月の貯金を優先したい、趣味など家賃以外にお金をかけたいものがあるといった場合は、家賃の予算を手取り収入の3分の1以内よりもさらに下げなければいけません。
家賃の予算は毎月の生活費を踏まえて、手取りとのバランスを考慮しながら決めることが大切です。

一人暮らしの生活費の目安

一人暮らしでは、家賃以外にもさまざまな費用が生活費としてかかります。家賃を設定する際、生活費の目安も把握した上で検討できるように、一人暮らしの平均生活費を年収別で見ていきましょう。

■年収別・一人暮らしの1ヵ月の平均生活費

項目 年収200万~300万円未満 年収300万~400万円未満 年収400万~500万円未満
食費 3万2394円 3万7132円 4万109円
水道光熱費 1万1044円 1万1156円 1万995円
生活用品費 4561円 4644円 4512円
被服費 3716円 5352円 7525円
保険医療費 4731円 6961円 5011円
通信費 7594円 7625円 7680円
教養・娯楽費 1万4732円 1万7843円 2万976円
交際費 8241円 7858円 1万1576円
美容費 4960円 5240円 6351円
その他 2万3291円 2万947円 3万4411円
合計 11万5264円 12万4758円 14万9146円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯(2022年)」をもとに作成

家賃以外に一人暮らしの生活費として、11万~15万円の費用が発生することがわかります。年収によってあまり差のない、水道光熱費、生活用品費、保険医療費、通信費については、節約がやや難しい項目といえます。

生活費の中でも、家賃に次いで大きな金額を占める食費については、自炊をメインにするなどライフスタイルによって、節約の効果が期待できる項目です。住みたい物件の家賃が予算にうまくはまらない場合には、生活費を見直してみるとよいでしょう。

監修者

家賃は毎月発生する固定費です。固定費を安く抑えることは基本的に難しいので、変動費の見直しを考えましょう。たとえば、定期的に食材の購入計画を立てて、無駄なく食材を使い切ることができれば、食費の削減も可能です。また、毎月自動で払っているサブスクリプションや会員サービスを確認し、必要性が低ければ停止することも、支出の削減には有効です。

家賃が高くなる物件の条件

家賃は、賃貸物件のさまざまな条件をもとに決められています。ここでは、賃貸物件で重視される条件別に、家賃が高くなるポイントを見ていきましょう。

エリア・立地

都心部をはじめ、利便性が高く人気のエリアにある場合や、駅から近い立地の賃貸物件は、家賃が高くなります。中でも、快速や急行などの電車が止まる駅や、乗り入れ路線の多い駅は家賃が高くなる傾向です。

築年数

一般的に、家賃は築年数が古いほど安く、新築・築浅物件は高くなる傾向があります。ただし、築年数が経過していても、リフォームやリノベーションによって内装がきれいになり、設備も新しくなっている物件は少なくありません。築年数だけで物件を省いてしまうのはもったいないといえます。

部屋の広さ

家賃は、物件の専有面積が広いほど高くなります。「荷物があまり多くないため収納スペースは少なめでよい」「人を頻繁に招かない」といった場合は、広さの優先順位を下げると家賃も抑えられます。

部屋や共用部の設備

部屋の中や、建物の共用部の設備が充実しているほど、家賃は高くなります。必要な設備と不要な設備を明確にして、部屋探しをすることもポイントです。家賃に影響する設備としては、次のようなものがあります。

<家賃が高くなる設備の例>
・独立洗面台
・浴室乾燥機
・追い焚き機能
・床暖房
・宅配ボックス
・モニター付きインターフォン
・オートロック

部屋の階数や日当たり

同じ建物内でも、部屋の位置や日当たりの良さ、階数によって家賃が異なります。一般的には、中部屋よりも角部屋、北向きよりも日当たりの良い南向き、1階よりも2階以上のほうが家賃は高くなります。

監修者

設備や立地、広さや築年数など、条件がいい物件は、その分家賃も高くなります。希望条件をすべて叶えようとすると予算オーバーになってしまうこともあるでしょう。部屋探しでは、まず自分の希望条件について優先順位をつけていくことが大切です。「これは譲れない条件」「これはなくてもいい条件」と順位をつけていきながら、自分の予算と、必要条件に合った部屋を見つけていきます。

予算内の家賃で物件が見つからないときのコツ

一人暮らしの家賃を、都道府県別の平均家賃や予算内に収めたい場合には、物件に求める条件を見直すことも大切です。ここでは、賃貸物件の条件を見直す際の6つのコツを見ていきましょう。

なお、無理に条件を緩和してしまうと、住んでからのストレスにつながることもあるので、あくまで妥協できる範囲で条件を変えてください。特に女性の一人暮らしの場合、セキュリティ設備には妥協せず、ほかの条件で譲れるところがないか検討してみることをおすすめします。

一人暮らし物件の平均家賃が安いエリアに絞る

家賃が予算をオーバーしてしまう場合は、最寄り駅を家賃が安いエリアに変えて物件を探してみるのがおすすめです。快速が止まる駅や、複数路線が利用できる駅は家賃が高いため、その近隣の駅で探してみます。

また、オフィス街の周辺や、駅前の再開発が進むエリアも家賃が高めの傾向があるので、避けたほうがよいでしょう。

駅からの徒歩分数を20分以内にしてみる

一般的に、駅から物件までの距離があるほど、家賃は安くなります。駅からの徒歩分数を20分以内に設定してみると、予算に収まる物件の選択肢が増えるかもしれません。内見のときに、実際に歩いてみて問題ないか、確かめることが大切です。

広さにこだわらず間取りを重視する

部屋が広いほど家賃は高くなるため、「荷物が少ない」「家に人を招くことがあまりない」といった場合は、広さよりも間取りを重視することをおすすめします。ワンルームや1Kの部屋なら、家賃を抑えつつ暮らすことができます。

築年数を絞りすぎない

「築年数は◯年以内」と最初から決めずに、築年数の範囲は広めに設定して探すことも、物件の選択肢を増やすためのポイントです。築年数が古いと耐震面が心配という人もいるかもしれませんが、築35年以内の物件は、地震に強い「新耐震基準」で建てられています。

築年数が経過していたとしても、リフォームやリノベーションによって、室内は新築同等の物件もあります。こうした物件の家賃は新築より安いため、古さが気になる場合は、リノベーション済み物件などを条件に探してみるのもおすすめです。

日当たりは見て判断し、方角にこだわらない

日当たりを気にして「南向き」や「2階以上」を条件に部屋を探す人も少なくありませんが、これらの条件は家賃も高くなりがちです。また、周辺の建物の影響で、実際の日当たりがどうかはわかりません。日当たりは内見で実際に部屋を見て判断することが大切です。
また、日中はほとんど家にいないのであれば、日当たりにこだわる必要はありません。南向きよりも北向き、2階よりも1階のほうが家賃は抑えられます。

設備の条件を見直す

宅配ボックスやオートロック、独立洗面台、追い焚き機能など、賃貸物件の設備の充実度により、家賃は高くなります。設備は自分にとって必要最低限のものをリストアップして、家賃の予算に収まる範囲で、少しずつ条件を調整するのがおすすめです。設備に関する条件を1つ外すだけでも、物件の選択肢が増えることがあります。

監修者

どうしても希望の条件で物件が見つからない場合は、思いきって郊外のエリアを検討するのもおすすめです。快速や急行の停車駅から数駅の隣の駅を調べてみると、理想的な物件が見つかる場合もあります。たとえ都心から少し離れても、駅から近い物件を選べば、乗車時間こそ増えますが、移動の合計時間はあまり変わらずに、物件の選択肢を増やすことができます。

まとめ

一人暮らしの平均家賃は全国平均で5万1049円ですが、家賃にどれくらいの予算をかけるのかは、その人の収入や物件に求める条件によって変わってきます。
平均家賃を参考にしつつ、ライフスタイルや優先したい条件も踏まえて、家計に負担をかけすぎない家賃を設定し、物件探しを進めていきましょう。

監修者プロフィール

監修者
高野 友樹
公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
不動産会社にて600件以上の仲介、6000戸の収益物件管理を経験した後、物流施設に特化したファンドのAM事業部マネージャーとして従事。現在は株式会社高野不動産コンサルティングを設立し、不動産コンサルティングを行う。
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