住まいのコラム

宅配ボックスの正しい使い方は?
メリットや注意点を解説

最終更新日:

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監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士/宅地建物取引士/日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)/相続診断士/J-REC公認不動産コンサルタント
宅配ボックスの使い方は?
宅配ボックスの使い方は、機械式(ダイヤル式)か電気式かで異なります。どちらも宅配業者が郵便ポストに不在票を投函するところまでは同一ですが、機械式は不在票に記載の暗証番号で宅配ボックスを開錠し、電気式はICチップ入りの自宅の鍵や専用のICカードなどを使って開錠して、荷物を受け取ります。

宅配ボックスとは、主に集合住宅に設置されている不在時の宅配便の受け取りに利用できる設備です。宅配ボックスにもいろいろな種類があり、それぞれ使い方が異なります。
この記事では、宅配ボックスの種類や使い方についてご説明します。併せて、宅配ボックスのある物件のメリットや、使用する際の注意点も見ていきましょう。

宅配ボックスとは不在時に宅配便を受け取れる設備のこと

宅配ボックスとは、不在時の宅配便を一時的に保管できるロッカーのことで、主に集合住宅に設置されています。戸建てでも郵便ポストといっしょに宅配ボックスを設置するケースがありますが、この記事では、集合住宅の宅配ボックスについて解説します。

通常、宅配便が届いたときに留守にしていた場合、再配達を依頼するか、宅配便の営業所まで受け取りに行かなければいけません。しかし、宅配ボックスが設置されていれば、荷物を宅配ボックスに入れておいてもらえるため、帰宅後に取り出すだけで受け取れます。

インターネット通販が広く利用されるようになったことや、新型コロナウイルス感染症の流行で「非接触・非対面」を推進する流れがあったことなどを背景に、近年、宅配ボックスの設置率は上昇傾向です。
特に、一人暮らしで日中は働いている人や共働きの世帯は、宅配便を受け取りにくいことが多いので、生活スタイルによっては、宅配ボックスの有無が物件探しの優先的な条件になることもあります。

監修者

新型コロナウイルス感染症の流行後、宅配ボックスは住宅における有用な設備として認識されて、普及率が一気に高まりました。もはや、宅配ボックスは住宅の必須の設備と考える方もいるでしょう。ネットショッピングが当たり前となった現代の暮らしに浸透している設備といえます。

宅配ボックスの使い方

宅配ボックスの使い方はシンプルです。使う際の手順を、配達から受け取りまで順を追って見ていきましょう。

1. 宅配業者が宅配ボックスに荷物を入れる

届け先が不在だった場合、宅配業者が宅配ボックスに荷物を入れます。荷物を入れた後は、鍵や暗証番号を持った人でないと取り出せない仕組みです。このとき宅配業者は、宅配ボックスに設置された受領印などで宅配した証明を得ます。

2. 宅配業者がポストに不在票を投函

宅配ボックスに荷物を入れた宅配業者が、不在票や配達通知書など、宅配ボックスへの配達を伝える連絡票を受取人のポストに入れます。暗証番号で解錠するタイプの宅配ボックスの場合、この連絡票に暗証番号が記載してあります。

3. 帰宅した住人が配達に気づき、荷物を受け取る

ポストの不在票や配達通知書を確認した住人が、暗証番号やICカードなどの方法で荷物の入っている宅配ボックス開錠し、荷物を受け取ります。荷物のサイズや形状、数などによっては、自宅に運ぶのが大変なこともあります。何が届いたのかを確認して、必要に応じて台車などを持っていくと便利です。

宅配ボックスの種類

宅配ボックスには、鍵の開け方によって機械式(ダイヤル式)と電気式の2種類に分けられます。それぞれの特徴と、荷物の受け取り方は下記のとおりです。

機械式(ダイヤル式)の宅配ボックス

機械式(ダイヤル式)の宅配ボックスは、ボックスの一つひとつに番号を入力するダイヤルやプッシュボタンが設置してある宅配ボックスです。荷物を預ける際に宅配業者が設定した暗証番号を使って、宅配ボックスの鍵を開けます。

暗証番号や荷物の入っているボックスの位置は、ポストに入れられる不在票や配達通知書に記載されています。比較的シンプルな構造で、誰にでもわかりやすいシステムといえます。ただし、宅配業者が暗証番号を書き間違えるなどしていた場合には、荷物を取り出せません。

電気式の宅配ボックス

電気式の宅配ボックスは、あらかじめ住人に支給されているICチップの埋め込まれたカードキーやICカード、磁気カードのほか、顔認証などで開錠します。一つひとつのボックスに鍵がつけられているわけではなく、暗証番号も必要ありません。

電気式の宅配ボックスでは、操作案内のパネルがついている場合が多くなっています。ICカードなどをかざすと、該当の宅配ボックスが自動的に解錠するようなシステムです。宅配の通知がスマートフォンなどに届くシステムもあります。

宅配ボックスがあるメリット

宅配ボックスは、集合住宅の設備の中でも便利で、多くの人が活用しやすいものです。宅配ボックスの具体的なメリットは下記のとおりです。

不在時や対応が難しいときでも荷物を受け取れる

日中留守にしがちな人や、在宅でのオンライン会議が多く宅配便を受け取れない人でも、宅配ボックスがあれば都合のよい時間に荷物を受け取れるので、再配達の手配などの手間を省くことができます。宅配業者によっては、宅配ボックスへの配達を事前に依頼しておくこともできるため、「チャイムが鳴ると昼寝した子どもが起きてしまう」といった心配もありません。

ちなみに、宅配ボックスへの配達を事前に依頼するためには、宅配会社に事前に会員登録をしておいたり、到着予定メールから配達場所の変更手続きをしたりする必要があります。すべての荷物の配達場所変更ができるとは限らないため注意しましょう。

荷物が届く時間まで待つ必要がない

宅配ボックスがあれば、荷物の到着時間を気にする必要はありません。「もう家を出る時間なのに、午前中指定の荷物が届かない」といった経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。宅配ボックスがあれば、荷物のために外出の時間を変更する必要はありません。

また、宅配ボックスがあれば、「配達時間に間に合わなくて荷物が受け取れなかった」という事態も防げます。すぐに必要な荷物が届くときは、配達時間までに帰宅したいところですが、思わぬ残業が入ってしまったり、電車が遅延したりして、予定よりも遅れてしまうことはあります。夜間の帰宅であれば、当日中の再配達は依頼できません。
その点、宅配ボックスがあれば、荷物が届く時間に合わせて急いで帰宅する必要もなくなります。宅配便に合わせてスケジュールを組む必要がなく、自分のペースで行動できるのは魅力です。

非対面で受け取れて感染症・防犯対策になる

宅配ボックスなら、非対面で荷物を受け取れます。配達員と対面する必要がありませんから、感染症対策にも効果的です。
また、日頃から宅配ボックスの利用をメインにしていれば、宅配便を装った強盗などに押し入られる心配もありません。宅配ボックスには、宅配業者側にも再配達の手間がないなどのメリットがありますから、気兼ねなく利用できます。

監修者

宅配ボックスがあることにより住人は荷物が届くのを待つ必要がなく、非対面で荷物を受け取れることも感染症予防や防犯面で重要なメリットです。また、配送会社にとっても再配達の手間が省け、配達員の労働時間の短縮につながるなどのメリットも生じてきます。

宅配ボックスを使うときの注意点

便利な宅配ボックスですが、注意点もあります。トラブルを招かないために、宅配ボックスの利用上の注意点を知っておきましょう。

宅配ボックスに入れられないものがある

宅配ボックスには入れられない荷物がいくつかあります。下記に該当する荷物は宅配ボックスでは利用できないため、対面で受け取る必要があります。

・本人に手渡した証明が必要なもの
本人に対面で手渡したことを確認できる受領印が必要な荷物は、宅配ボックスには入れられません。たとえば、書留やレターパックプラスなどが該当します。

・代金引換や着払い
代金引換や着払いの荷物は、受け取り時に代金を支払います。荷物の受け渡しはあくまでも代金と引き換えになるため、宅配ボックスに荷物だけ入れてもらうことはできません。宅配ボックスを使いたい場合は、代金引換以外の方法で料金を支払う必要があります。

・冷蔵や冷凍など特別な保管が必要なもの
宅配ボックス内は常温が基本で、冷蔵商品や冷凍商品を入れると劣化してしまうため、温度管理が必要な商品は、宅配ボックスでは受け取れません。
分譲マンションでは、一部で冷凍・冷蔵の宅配ロッカーを導入する動きが出てきています。今後、冷蔵や冷凍などを受け取れる宅配ボックスが普及していく可能性もあるでしょう。

・送り主が宅配ボックスの利用を禁止しているもの
宅配ボックスへの配達では、「本人確認をしてもらってから渡す」ことができません。そのため、たとえば誤って引越し前の住所に荷物が届いてしまうといったトラブルも起こりえます。
このような事故を防ぐために、送り主が宅配ボックスの利用を控えるケースがあるのです。

・宅配ボックスに入らないもの
宅配ボックスに物理的に入らないサイズの荷物は、直接受け取る必要があります。大型家具や家電、大量のトイレットペーパーなど、かさばる荷物を注文したときは対面の受け取りが必要です。
そのほか、各宅配業者の規定によって、宅配ボックスに入れられない荷物が定められています。

宅配ボックスに空きがなく持ち帰られてしまう

宅配ボックスは集合住宅内の共有設備ですから、住人全員が利用しています。ほかの住人が使用していて空きがなければ、利用できません。この場合は、不在票をポストに入れて荷物を持ち帰ることになります。
内見時に、宅配ボックスのサイズや個数、荷物でいっぱいになっていないかをチェックしておくと安心です。

利用ルールを守らないことによるトラブル

住人が宅配ボックスを正しい用途以外の方法で使うなど、ルールを守らないことでトラブルが起こることもあります。
たとえば、宅配ボックスを家族間の荷物のやりとりに使う、ロッカー代わりに使う、宅配便で届いた荷物をいつまでも回収しないといった問題です。集合住宅にこのような住人がいると、宅配ボックスをスムーズに利用できないおそれがあります。

監修者

宅配ボックスは便利な設備ですが、すべての荷物に対応できるわけではない点や、共有設備のため、ルールを守らないとトラブルになってしまうかもしれない点に注意が必要です。宅配ボックスに荷物が届いていたら早めに回収するなど、譲り合って利用することが大切です。

まとめ

宅配ボックスがあれば、荷物の到着時間を気にせずに暮らすことができます。お住まいの物件に宅配ボックスがついているときは、積極的に利用しましょう。
これから引越しを検討している人は、生活スタイルによっては、宅配ボックスがあることを物件探しの条件のひとつに加えてもよいかもしれません。

監修者プロフィール

監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。
約20年間の鑑定・宅地建物取引業の経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として活動を行う。
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