住まいのコラム

コンクリート打ちっぱなし物件は快適?
メリット・デメリットを解説

最終更新日:

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監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士/宅地建物取引士/日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)/相続診断士/J-REC公認不動産コンサルタント
コンクリート打ちっぱなし物件の魅力は?快適に住める?
コンクリート打ちっぱなし物件は、優れたデザイン性からおしゃれな住空間を演出できるほか、防音性、耐火性、耐震性に優れているという魅力があります。しかし、暑さ寒さが厳しく、結露が起こりやすいといった難点もあります。難点をカバーするには、外壁の断熱加工など建物全体の設備を確認することが大切です。

個性的でシックな住まいを目指す人にとって、コンクリート打ちっぱなし物件は魅力的な住まいだといえるでしょう。一方で、コンクリート打ちっぱなし物件には、暑さ寒さが厳しいといった難点もあります。
この記事では、難点をカバーして快適に過ごす方法や、コンクリート打ちっぱなし物件の魅力、物件の選び方などを紹介します。

コンクリート打ちっぱなしとは?

コンクリート打ちっぱなしとは、床や壁、天井をコンクリートがむき出しになっている状態で仕上げる施工方法です。一般的な住宅は、床に床材、壁や天井にクロスなどが貼られます。しかし、コンクリート打ちっぱなし物件では、こうした処理を行わずに部屋の内装を仕上げます(床材など、一部が貼られている場合もあり)。

コンクリート打ちっぱなしは、デザイナーズマンションなどに多く見られる、デザイン性の高い内装です。コンクリートの灰色や、無機質な質感がそのままインテリアに活かせます。
また、仕上げ材が貼られていない分、天井が高い点もコンクリート打ちっぱなし物件の特徴です、開放的で広々とした空間を作りやすいでしょう。

コンクリート打ちっぱなし物件のメリット

コンクリート打ちっぱなし物件のメリットには、下記のようなものがあります。

デザイン性が高い

コンクリート打ちっぱなし物件に対して、多くの人が持つ共通のイメージは「デザイン性の高さ」でしょう。独特の雰囲気を持つコンクリート打ちっぱなしの内装は、一般的な家具を配置するだけでもおしゃれに見えるデザイン性の高さが魅力です。

コンクリート打ちっぱなしの内壁には、無機質なスチールラックや金物などはもちろん、木目調の家具もなじみます。白っぽい木ならシンプルなカフェのような雰囲気になりますし、シックな暗い色の木材なら、大人の隠れ家のような雰囲気が演出できます。
ほかにも、和モダン、トレーニングジム風、北欧風など、さまざまなイメージをうまくまとめる力のある内装です。

居住空間が広い

コンクリート打ちっぱなしの物件は、木造住宅に比べて少ない柱で建てることが可能です。室内に柱のでっぱりなどがなく、壁や天井を覆う仕上げ材が不要なので、その分広々とした空間になります。
実際の広さは物件によって異なりますが、柱などがない無機質な空間は、コンクリート打ちっぱなしの質感ともマッチする魅力的な造りです。

防音性が高い

コンクリートは木材よりも音を通しにくいことから、隣の部屋の生活音や外の音などが部屋の中に響きにくく、防音性が高くなります。周りの騒音が心配な人や、自分の立てる音が周囲に聞こえないか気になってしまうという人にも、コンクリート打ちっぱなし物件はメリットがあります。

たとえば、昼夜逆転のライフスタイルの人などは、昼間に周囲がうるさいと眠りにくく、夜は自分の立てる音が気になってしまいがちです。防音性に優れた住まいなら、心配もある程度軽減できます。
ただし、実際の音の状況は、物件や周辺の環境で変わるため、内見時に確認が必要です。

耐火性・耐震性が高い

コンクリート造は、木造住宅に比べて耐火性や耐震性に優れています。地震や火災といった災害が不安という人も、コンクリート打ちっぱなし物件なら安心して暮らせるでしょう。

なお、耐火性や耐震性に優れていることから、火災保険料や地震保険料も安価に設定される傾向があります。

監修者

コンクリート打ちっぱなし物件の一番のメリットは、居住空間が広く取れ、デザイン性の高い空間演出が可能となることです。さまざまなインテリアをうまくまとめる力のある内装で、部屋づくりが楽しくなるでしょう。温かい雰囲気というよりは比較的クールな印象になります。

コンクリート打ちっぱなし物件のデメリット

コンクリート打ちっぱなしの造りには、一部デメリットもあります。コンクリート打ちっぱなし物件に住もうとするときは、下記のデメリットについて許容できるか検討しましょう。

結露やカビが発生しやすい

コンクリート打ちっぱなし物件は、木造住宅と比較すると結露やカビが発生しやすい性質を持っています。木造住宅と比べて密閉性が高く、風通しが悪いためです。

また、コンクリートは外気の影響を受けやすいことから結露が起こりやすく、それによるカビも発生しがちです。こまめな手入れや、除湿機の利用といった対策が必要になります。
特に、外壁が断熱施工されていない物件では、結露やカビに注意が必要です。

夏は暑く、冬は寒くなりやすい

コンクリート打ちっぱなし物件は外気の影響を受けやすく、夏に暑く冬は寒い、過ごしにくい室温になりがちです。エアコンの利用は必須で、光熱費がかさんでしまう傾向があります。

汚れが目立ちやすい

壁や床がコンクリート打ちっぱなしの物件は、壁紙や床材で保護されていないことから、汚れが目立ちやすくなります。
たとえば、ビニールクロスの壁紙は水に強く、多少汚れても水拭きで簡単に汚れを落とせます。また、クッションフロアの床も、同様に水に強い性質です。しかし、コンクリートは水分を吸収しやすいため、たとえば、観葉植物の鉢から水が漏れてしまった場合などには、床にシミができるおそれがあります。

家賃が比較的高くなる

コンクリート打ちっぱなし物件は、同条件の一般的な造りの物件に比べると家賃が高めです。これは、コンクリート打ちっぱなし物件を作るのに費用がかかるという理由と、そもそもコンクリート打ちっぱなしの内装を採用するのはデザイナーズマンションが多く、デザイナーズマンションは家賃が高額だからという理由が考えられます。

とはいえ、コンクリート打ちっぱなし物件のすべてが高額というわけではありません。まずは、物件情報をチェックしてみましょう。

コンクリート打ちっぱなし物件で快適に暮らすには

コンクリート打ちっぱなし物件には、メリットもデメリットあります。できるだけデメリットの影響を軽減し、快適な暮らしを送るためのポイントを3つ紹介します。

換気扇を常に稼働しておく

湿気やカビをできるだけ抑えるために、換気扇を常に動かしておきます。換気扇の位置や稼働音が気にならないかなど、内見のときにしっかりチェックしましょう。
換気扇の電気代は24時間つけっぱなしにしていても、月々数十円~数百円(換気扇の新しさにより誤差あり)といわれています。そのほか、除湿機の活用も効果的です。

高性能なエアコンを使う

エアコンは、新しいものほど省エネで、効率良くスピーディーに室温を適温にできます。賃貸物件の場合、エアコンはもともとついているものを使うケースが多くありますが、自分で購入するのであれば、なるべく性能の良いものを選びましょう。

また、エアコンが設置されている物件では、内見のときに設置されているエアコンの製造年や型番をチェックすることをおすすめします。もし、10年を大きく超えるほどの古いエアコンだった場合、冷暖房の効率が悪く、光熱費がかさんでしまうかもしれません。

デザイン性や空間を楽しむ

コンクリート打ちっぱなし物件の一番の魅力は、なんといっても高いデザイン性です。モノトーンのコーディネートや、自然素材を取り入れたコーディネートなど、好みに応じてさまざまなレイアウトが可能ですから、自分らしい部屋づくりを楽しめます。

暑さや寒さ、結露などのデメリットを補うほど居心地が良く、理想にかなった部屋作づくりができれば、生活が充実します。結露の拭き取りなど、メンテナンスにも前向きに取り組みやすくなるはずです。

監修者

コンクリート打ちっぱなし物件で、デザイン性を満喫しながら快適に暮らすためには、デメリットの影響を軽減させる対策を行うことが大切です。結露の問題については、頻繁にふき取りを行うとよいでしょう。暑さ・寒さ、光熱費については高性能なエアコンを使用するとよいため、備え付けの場合は性能を確認しましょう。

コンクリート打ちっぱなし物件を選ぶときのポイント

コンクリート打ちっぱなし物件を選ぶときは、できるだけ快適に暮らせるように、下記のポイントをチェックしておきましょう。また、内見時には、周辺環境や室内外の温度差、音の響き方などを確認しておくことをおすすめします。

外壁が断熱施工されているか

コンクリート打ちっぱなし物件の最も大きな問題は、夏に暑く、冬は寒いことです。暑さと寒さを軽減するためには、外壁の断熱施工が効果的です。これは、外壁を断熱材で覆う工法で、コンクリート打ちっぱなし物件でも冷暖房の効果を持続しやすくなります。

外壁の断熱施工の有無は、管理会社に問い合わせて確認できますし、物件情報に「外断熱工法」と明記されている物件も多くあります。

外壁のメンテナンス状況

内装だけでなく外壁もコンクリート打ちっぱなしという物件を検討する場合は、メンテナンス状態を十分確認しましょう。
コンクリート打ちっぱなしの外壁は、カビや汚れ、シミなどが目立ちやすい上、メンテナンスが不十分だと雨水が浸透し、劣化を招きます。安心して暮らしていくために定期的にメンテナンスが行われているか、外壁に劣化が見られないかどうか確認が必要です。

角部屋より中部屋がおすすめ

コンクリート打ちっぱなし物件の暑さや寒さが厳しくなりがちなのは、外からの熱や冷気の影響を受けやすいためです。外気と接する面積が多い角部屋ではなく中部屋を選べば、外気の影響を受けにくくなります。

一般的な部屋探しでは、中部屋よりも角部屋が好まれる傾向があります。これは、隣の部屋が片方のみになることで騒音トラブルの可能性が少ないことや、窓を多く取れることなどが理由です。

しかし、コンクリート打ちっぱなし物件については、角部屋よりも中部屋のメリットが大きくなります。角部屋がベストと決めつけずに物件を探してみるとよいでしょう。

最上階や1階は避ける

最上階は太陽の光の影響を受けやすいことから、夏場の室温が高くなりがちです。最上階の部屋も、一般的な部屋探しではメリットを感じる人が多い条件となります。
確かに、上階からの騒音に悩まされることもなく、眺望や日当たりも良い最上階の部屋は、過ごしやすい可能性が高くなるでしょう。しかし、コンクリート打ちっぱなし物件は、熱がこもってしまうかもしれないので注意が必要です。最上階にこだわりたい場合は、屋上の断熱加工について確認してみてもよいかもしれません。

また、鉄筋コンクリート造などのマンションの1階は、結露やカビがほかの階よりも発生しやすい傾向があります。影響の度合いは物件によっても異なりますが、最上階と1階を避けて部屋を選ぶのもおすすめです。

監修者

コンクリート打ちっぱなし物件を選ぶときのポイントの1つは、外断熱工法が採用されているかどうかです。コンクリート打ちっぱなし物件は外気温の影響を受けやすいというのが特徴ですが、外断熱工法によりその影響を受けにくくなります。

まとめ

コンクリート打ちっぱなし物件は、高いデザイン性が魅力です。暑さや寒さ、結露などの注意点はあるものの、こだわりの内装とインテリアに囲まれた理想の住まいは、日々の疲れを癒やしてくれるでしょう。
賃貸物件なら、いずれ別の住まいに引っ越すこともできますから、一度コンクリート打ちっぱなし物件での生活を経験してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

監修者
三輪 歩己
不動産鑑定士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、相続診断士、J-REC公認不動産コンサルタント。
約20年間の鑑定・宅地建物取引業の経験を活かし、2020年に不動産パートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。同社では、不動産鑑定業・宅地建物取引業に加え、不動産専門の相続診断士として活動を行う。
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