住宅ローン基礎知識 繰上げ返済

繰上げ返済のポイント

住宅ローンには、通常の返済とは別に、ローンの一部(または全額)を追加で返済する「繰り上げ返済」という返済方法があります。
通常の返済時の支払額は、元本に利息を合わせた額が充てられますが、繰り上げ返済の場合は、その支払全額が元本部分に充当されるため、効果的に住宅ローンを減らすことができ、繰上げ返済を行った日以降の利息を軽減させることができます。

2つの繰り上げ返済方法

1.期間短縮型

期間短縮型の繰り上げ返済をした場合、毎月の返済額は変わりませんが、返済期間は当初より短縮されます。
この短縮された期間の利息は支払わずに済むわけですから、結果、大幅な総返済額の軽減につながります。
預貯金に余裕があり、少しでもトータルの返済額を減らそうと考えている方、完済時期を前倒ししたい方は有効な手段です。

繰上げ返済方法 返済額軽減型のイメージ図

2.返済額軽減型

返済額軽減型の繰り上げ返済をした場合、返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らすことができるので、月々の負担を減らし家計を安定させることができます。
変動金利の住宅ローンを組んでいる人は、金利上昇に伴い返済額が上がった場合に、この返済額軽減型の繰り上げ返済を行えば、住宅購入当初の返済額を維持することも可能となります。

2つの繰上げ返済の違い

繰り上げ返済を行う前に目的を明確にする必要があります。
1円でも多く総返済額を減らしたい場合は、「期間短縮型」の繰り上げ返済が有効です。しかしながら、家計の月々の資金繰りにゆとりを持たせることが緊急課題であれば、「返済額軽減型」の繰り上げ返済が適している事になります。
それぞれの家計の状況に応じて、どちらか最適な方を選択し、計画的に返済していきましょう。

繰り上げ返済のタイミング

損得面から検討すると、繰上げ返済は「1日でも早く」「1円でも多く」実施すると効果的です。
しかし、繰り上げ返済を頑張るあまり、手元の預貯金が不足してしまうのは、とても危険です。
いざという時の資金やお子様の教育費など、将来のライフイベントもしっかり把握した上で実行しましょう。

執筆者(2014年8月執筆)
中村 諭(なかむら さとし)
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
貸金業務取扱主任者

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