住宅ローン基礎知識 新規借り入れ

頭金は大事

「頭金はいくら使えばよいですか?」
これは、住宅購入相談の中でよく質問されるワンフレーズの1つです。
頭金をたくさん用意できれば、住宅ローンの利息支払額は少なく済むかもしれません。
でも、考える順番が逆です。

最初に「頭金」に使う額を検討するのではなく、今後の生活のために「残しておく金額」を決めましょう。
その後、「残ったお金」を頭金に充てるのです。
それでは、「頭金」の考え方について解説します。

たくさん頭金を用意するのは大事

「物件価格の2割~3割程度は頭金を用意しましょう」という話があります。
これは、不測の事態が生じた時に、購入した住宅をすぐに売るための対策でもあります。
住宅を売らなければならない事態に陥った時に、ローン残高が売却時の時価を下回っていれば、売却しやすいことが理由です。

また、金融機関への総返済額を考えると、借りるローン額が少なければ少ないほど、金融機関へ支払う「利息額」は少なく済み、お得だといえます。

(例)
自己資金1500万円保有のご夫妻。
4000万円の住宅購入を検討中、頭金を500万円にすべきか?1000万円にすべきか?思案中。

頭金500万円の場合 頭金1000万円の場合
ローン額 3500万円 3000万円
金利 2.0%(固定金利) 2.0%(固定金利)
期間 35年 35年
返済月額 11万5941円 9万9378円
総支払利息額 1369万5627円 1173万9108円

頭金500万円の差は、毎月の家計を1万6563円助けます。老後の貯蓄額も200万円近く助けます。
長期的視野で見ると頭金は、多く用意すれば用意するほど、安心でお得です。

できるだけ「頭金」を使わないのも大事

頭金をできるだけ用意して、住宅ローンで借りる額を減らすことは確かに大事です。

しかしながら、それはあなたのライフプラン次第です。

状況によっては、自己資金はできるだけ手許に残し、頭金は使わずに、住宅ローンで借りる額を多くした方がよいケースもあります。

例えば
共働きのご夫妻が、ふたりの収入を基に住宅購入をするケースはよくありますが、その時には、妻側の働き方がポイントです。

  • 産休、育休に入った時の収入はどのようになりますか?
  • 仕事に復帰したとしても、以前と同じ年収は続きますか?
  • 次のお子様の出産予定はありませんか?
  • その時々の預貯金額はどのようになっていますか?

生涯働く予定でも、年収ダウンが避けられない年もあります。

このような時は、貯蓄を取り崩しての生活になります。その時に、頼りになるのが「現金」です。

頭金は大事

「頭金をできるだけ多く用意する」は昔の考え方?

冒頭でお伝えした「物件価格の2~3割程度は頭金を用意する」というお話ですが、ご両親や祖父母などから聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、この考え方は少し古い考え方である可能性もあります。

というのも、ご両親や祖父母が家を建てたころは、今と比べてかなり金利が高い時代でした。
このため、住宅ローンを借りるには頭金をある程度貯めるのが当たり前だったのです。

しかし、現代は超低金利時代。
しかも、住宅ローン残高の1%について所得税と住民税から還付を受けられる住宅ローン控除もあります。
仮に、金利1%程度で住宅ローンを借りられた場合、実質的な金利負担はなし、場合によっては金利1%以下で借りて「借りれば借りるほどお得」というケースもあるのです。

もちろん、「あまり多額の借金をしたくない」という考え方もあるでしょうから、一概にはいえません。ですが、こうした時代の違いや金利情勢についても理解したうえで頭金の額を決めるとよいでしょう。

執筆者(2014年8月執筆)
中村 諭(なかむら さとし)
住宅ローンソムリエ(R)、ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
貸金業務取扱主任者

※本記事は、2021年3月時点の情報に基づき一部内容を修正しました
監修者:逆瀬川 勇造(宅地建物取引士)


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